子供たちの小麦・小麦粉コーナー

高校生等の活動報告

平成16年度・第42回:高校生による食生活改善研究活動「I & You食生活」報告
−包丁の先から健康と食の文化をうみ育てよう−

 この催しは、(社)栄養改善普及会が主催し、文部科学省・農林水産省・全国家庭科教育協会の後援により行なわれました。この事業(研究課題数:小麦粉等6、1研究課題1校)の実施方法は全国から参加指定校を広く呼びかけ、各都道府県の教育委員会の推薦を頂き、最終的に1研究課題1校の研究推進校を決定し、高校生自らが研究活動を行なうものです。

「小麦粉について」の研究活動で、 茨城県立大宮高等学校(茨城県常陸大宮市)は、

主題 小麦粉「麦 麦(バクバク)」大麦進(だいばくしん)!!
       〜粘って つないで 地域のわ〜

と題した研究活動で栄えある「文部科学大臣賞」を受賞!!

研究活動として小麦粉を選んだ理由は、
(1) インターネットや書籍で調べたところ日本の小麦自給率の低さに驚いた
(2) 市内の小麦畑で初めての小麦の刈取り収穫体験を行ないましたが、その時地粉の存在を知り、
    この研究活動のきっかけになりました。
(3) 研究の基礎になる資料収集のため生徒、保護者からのアンケート調査をしました。

その結果は、
ア、 あなたの食事はどうですか?
   生徒の回答:「良い状態」の人6%、「まあまあ」と感じた人41%
   保護者の回答:「良い状態」の人22%、「まあまあ」と感じた人56%
イ、 あなたは朝食を毎日食べますか?
   「必ず毎日食べる」   生徒 66%、  保護者90%
   「食べない」      生徒  8%
ウ、 食事が楽しいと感じるときは?
    生徒は「好きなものを食べるとき」32%、「野外で食べるとき」22%、
       「外食を食べるとき」15%
    保護者は「家族そろって食べるときが楽しい」30%、
エ、 小麦粉の種類について
 生徒は薄力粉・中力粉・強力粉のことについては知っていましたが、デュラム粉や全粒粉については、大多数の生徒は知らなかった。
生徒たちは、今までの調査や学習から、次のようなことに着目しました。
(1) 生徒は食事はとっているが、食事の内容には問題があると考えている。保護者は、家族で食事をすることを楽しいと感じているのに対し、生徒は、自分の好きなものを食べるときを楽しいと感じている。
(2) 高校生の食生活を考えると、今までの食習慣の影響が大きく、食生活を改善しようとする努力が不足している。
(3) 料理やお菓子の種類で、使用する小麦粉を替えることが十分理解されていず、また、地粉のよさや活用が地域に普及されていない。

以上のことから研究活動として次ぎのような柱を考えました。
(1) 小麦栽培から取り組むことにより小麦・小麦粉の理解を深め、そして、大宮高校産の小麦粉(地粉)を作る。
(2) 小麦粉の実験により調理性を理解する
ア マドレーヌのおいしさの比較
イ 小麦粉の種類別グルテンの抽出

地粉のドウ ドウの長さ グルテン抽出
湿麩 乾麩 断面
   
薄力粉・中力粉・地粉のグルテンを何回か抽出し、強力粉のグルテンの量が一番多く取れました。また、地粉からとれたグルテンの色が他の粉に比べ濃い色でした。

ウ 小麦粉生地の膨化
エ うどんをこねる回数とおいしさの比較

こね ねかし のばし
 
切る  ゆでて、つやの具合を比較  

研究活動の結果は、
● うどんをこねる回数とおいしさの比較では、中力粉を使い、こねる回数(時間も考慮)を400回と800回に分けて実験を行った結果は、800回の方がつやもコシもあり、美味しく出来ました。
● 体験活動としては、
   ア 製粉・製麺所見学
   イ 島田うどん作り体験

うどんをこねます うどんの生地をのばします うどんの生地を切ります
 
うどんを竿にほしました 出来上がり  

ウ パン作り体験
エ お焼き作り・ナン作り体験
 久慈郡大子町にあるお焼き学校に行き、お焼き作りをしました。そこでは、昔からの地粉を使ったお焼きではなく、幅広い年代層の人々から喜ばれる外国産小麦が使用されていました。以前は地粉を使ったお焼きも作ったそうですが、人々から受け入れられなかったようです。私たちはこのことについてもっと工夫が必要ではないかと感じました
具を入れた後皮に絵をかきました 合格を貰ったお焼きの出来上がり

カレー専門店店主の井川恒男氏を招いてカレーやナン作りを体験しました。
生活改善グループの方と一緒に作りました。
ナンの材料はたくさんあり以外にもヨーグルトが入っていました。
ナンの形作り ナンができました


● 料理・菓子の研究
この研究を進めるに当っては、地粉と他の食品との組合せを「マゴタチワヤサシイ」の食材から考えることとしました。


● 普及活動の実施
校内活動、市内の保育園での活動、生活改善グループの方との「ふれあい」活動、近隣中学校への発信

 小学生とのパン作り
 市内の小学4年生を対象に本校の調理室でパン作りを行いました。好奇心旺盛な子どもたちは、イースト菌の話しや発酵の様子に興味を示してくれました。お迎えにきた家族の方にもパンフレットやレシピを配布したところ大変好評でした。
  焼く前 焼きたて

 生活改善グループの方と「ふれあい広場」に参加
 「ふれあい広場」に参加することが決まった時から、生活改善グループの方と話し合いをしてきました。さまざまなアドバイスをいただきながら進めました。当日は地域の方に島田うどん・地粉まんじゅう・地粉のお菓子を試食していただき、レシピ・パンフレットを配布しました。地粉や地粉の料理に大変興味を持っていただけました。
前日の準備 お祖父さんが来てくれました

 中学生一日体験入学での実習とPR
 近隣の中学3年生約100名が一日体験入学に参加し、そのうち約30名が高校生の指導のもと、地粉を使ったにんじんスティック・野菜ジューススティック・ごまスティック作りをしました。

 このような研究活動をした結果、生徒たちは、
「私たちは小麦の研究から食と健康、そして地域農業へと様々な分野に目を向けることができるようになりました。少しずつですが自分自身が変わってきたことが何よりも嬉しく感じています。また、「おいしかったよ」という笑顔から地域の方々との「わ」、友だちとの「わ」が広まりました。さらに、今後は「食と健康」を考える仲間の「わ」を地域から発信していきたいと思っています。」と結んでいます。
 また、今後の課題として、次ぎのようなことがらが見えてきました。と云っています。
(1) 高齢者の方々に対して健康と栄養についての働きかけを行っていきたい。
(2) 地元の特産品と地粉を使った料理を考え、郷土料理として地域の方々に広めていきたい。  


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。