子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

◎イタリアのサッカーはなぜ強い


 W杯で優勝したイタリアチーム。イタリアの食事は小麦粉を原料とするパンやパスタが主です。小麦粉は3大栄養素の炭水化物、たんぱく質、脂質がすべて含まれています。有史以来、人間の生命を支えてきた小麦粉の秘密をシリーズで掲載します。




第1回
●小麦粉の言語学


小麦粉の言語学
 「スパゲッティ」はいまや英語、フランス語、日本語など世界共通語だ。語源は「スパーゴ」(ひも)というイタリア語。おいしい小麦粉食品は国境や言葉の壁など乗り越えていく見本みたいなものである。
 その材料は「デュラム小麦」。小麦は大きく分けるとデュラム小麦と普通小麦(パン小麦)があるが、デュラム小麦は主にスパゲッティやマカロニに用いられている。 今や用途に応じて強力粉、中力粉、薄力粉と使い分けられる小麦粉だが、約1万年以上の昔、メソポタミアで人類が初めて小麦を見つけた時は、煮たり、炒ったりして食べたらしい。しかし臼で粉にひくなど粉食技術を発明し、急速に広がっていく。
 小麦はユーラシア大陸の東、中国へは約3000年以上前に到達したらしい。このころ漢字のルーツである「甲骨文字」などが生まれているが、「ムギ」は「来(らい)」という象形文字になって登場する。穂が左右に伸びた形で、やがて「麦」という字があてられた。(ただし、甲骨文字が指したのは大麦だったとの説も)
 いずれにしても、殷の次に興った周の人たちは、「はるばる西より、神がもたらした穀物」として感謝し、大切にした。以来、中国の粉食はまんじゅう、うどんなど粉食に彩りを添え、やがて日本へ伝わってきた。
 時代は下って中世ヨーロッパ。現在も英語で「パンのひと固まり」を「Loaf」というが、古英語では、これに「−dy(こねる人)」を付けて「Lady(貴婦人)」=「パンをこねる人」、同じく「−ord(管理者)」を付けて「Lord(貴族)」=「パンを管理する人」と読ませていた。小麦粉は。それほどのパワーがあったのである。

製粉は工場「Mill」のはじまり

 粉ひきは農耕社会では女性の仕事だった。4000年以上前の古代エジプトの彫像「粉をひく女」は石うすで麦をつぶしていたし、日本でも「一にこわいが姑殿、二には小麦の二番ひき」という言い方が茨城県の一部の地域にあったらしい。製粉技術はヨーロッパで進歩し、英語の「粉ひきの水車小屋(Mill)」はそのまま「工場」という言葉になった。工業のスタートはまさに製粉だった。動力は風、水蒸気、電気などへ拡大、わが国の製粉技術はいま世界のトップレベルだ。

協賛(財)製粉振興会

▽小麦粉に関するホームページ  http://www.seifun.or.jp

企画・制作  毎日新聞社「教育と新聞」
         推進本部



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