子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第4回
小麦粉の栄養学

栄養バランスのよい穀類の主役
 日本人には今、1人1日当たり約2573キロカロリーの熱量(食料)が供給され ている(2005年度、農林水産省・食料 需給表)。人によって違うが、成人では、 生命を維持したり、労働に必要な総量は 2000キロカロリー前後といわれるから、 「食」には困らない豊かな時代になった。
 では、2573キロカロリーのうち、小麦はどのくらいのウエートを占めているだろうか。同じ食料需給表を見ると、約320キロカロリー。約8分の1である。パンやうどん、ラーメン、ピザ、ギョーザ、ケー キといった食品から小麦粉を食べているが、結構たくさん摂取しているものだ。
 小麦粉の栄養成分はとても幅広い。小麦の粒の約8割を占める胚乳には、炭水化物(65〜75%)や、穀類では小麦にしかないグルテンと呼ばれるたんぱく質(6〜14%)、そして、少ないが脂質(1〜2%)も含まれている。いわゆる3大栄養素である。
 このほか、小麦粉の胚芽や表皮には、3大栄養素に加えて5大栄養素の一員とされるミネラル(リン、カルシウムなど無機質)、ビタミン(B1、B2など)が含まれている。体には欠かせない成分であり、小麦粉は太陽と水の恵みをたっぷり吸い込んだバランスのよい主食穀類なのである。
 ところで最近、「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)という言葉を耳にしたことはないだろうか。おなかの回りが85センチ、90センチ・・・と太り、内臓肥満から高血糖、高血圧、高脂血症に赤信号がともる症状だ。アメリカでは対策として、小麦粒を粉にした全粒粉の小麦粉製品を推奨する声が強い。
 全粒粉は栄養に富むばかりでなく、「第六の栄養素」といわれる食物繊維がとても多い。とくに、腸をきれいにしてくれる不溶性の食物繊維は玄米をしのぐ。おなかの清掃を助ける働きもあるわけだ。
 小麦粉は人の体を維持する3大栄養素を含んでいることから、世界中の食べものの中心的役割をはたしています。


脚気予防は麦から ― 明治の軍隊
 1878(明治11)年夏、東京・神田に府立脚気病院が設置された。明治維新のあと、白米を支給され常食としていた都市の陸軍部隊の間に、脚気が激増。死亡率は10%を超えたという。雑穀を食べていた人は、そんなことはなかったのだが・・・・。
 調べたところ、パンを食べる外国人にはそんな症状はない。結局、小麦など穀類に含まれるビタミンの効果と判明。白米に麦もミックスするようになり、パン食とその文化は大いに脚光を浴びだした。


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