子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第6回
小麦粉のめん類学


小麦粉で作る芸術作品

 小麦粉ほど形を変えながら味わえる主食は珍しい。平らに延ばしたり、パンのように塊になったり、めんにしても太さは自由自在だ。そのナゾはグルテンにある。
 日本におけるめんは、1200年の歴史がある。諸説はいろいろあるが遣唐使によって中国から伝わったというのが有力だ。しかし、庶民が食べられるようになったのは江戸時代からである。
 「関東のひやむぎ」「関西のそうめん」といわれるが、そうめんは日本における「めん食文化」のルーツと言っても過言ではないだろう。
 とくに西日本では質のよい中力粉を生産してきた。そうめんにはぴったりの粉だ。農閑期にあたる冬の副業として、農家はそうめん作りに精を出してきた。細いものでは直径0.5ミリ。文字通り糸のような繊細なものまである。
 ここまで細くなる秘密は、小麦粉に含まれている独特のたんぱく質、グルテンの効果だ。小麦粉にはグルテニンとグリアジンというたんぱく質が含まれている。これに水を加えてこねていくと、グルテンが形成されていく。弾力性と粘着性のもとだ。めんのシコシコ感はここからくる。
 小麦にはアミロース(デンプンのひとつ)という物質が含まれているが、このアミロースの含量が低いほど、なめらかで食感が優れためんができることがわかった。現在では、このようなやや低アミロース系の小麦の育成が主流となってきている。
 また、うどん、ひやむぎ、そうめんは中力粉でつくるが、同じめんでも、中華めんは、中力粉よりグルテンの量が多い強力粉をベースに打つ。歯応えは、そうめん類よりしっかりしている。さらに、黄色味がかった地中海産のデュラム小麦となると、強力粉よりグルテン量は多く、マカロニやスパゲティむきになる。
 ひと口にめんといっても、産地や食べ方の文化が違うほど、多彩なのである。
 

なぜドーナツに穴があるの?
 オランダでは小麦粉の生地を「ドー」と言った。それを円形にして油で揚げた菓子は人気があったが、その真ん中にクルミ(ナッツ)を載せて食べたのが命名の由来とか。この製法をイギリスの清教徒たちは新大陸アメリカへ持ち込んだ。といっても当時、クルミが常時手に入るわけもなし、真ん中に穴を開けて油で揚げたという。また一説には、油で揚げた生地の中心部まで火が通らなかったため、真ん中をくりぬいて揚げたという説も。ドーナツにも長い歴史がある。

 


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