子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第7回
小麦粉の加工学


小麦粉食品は小麦粉の種類で変わる

 ケーキはフンワリ、うどんはシコシコ― 同じ小麦粉なのに、食感はまるで別物。これこそ小麦粉食品の妙味だ。でも、小麦とともに3大穀物とされるコメやトウモロコシにはない特徴を小麦粉が持っているのは、なぜか。
 小麦粉には、強力粉、中力粉、薄力粉と3種類ある。どれも白く、微小で、サラサラしている。普通の小麦粉の直径は150ミクロン以下で、大きい粒と小さい粒が混ざっているが、半分くらいは35ミクロン以下というきめ細かさ(1ミクロン=1ミリの1000分の1)。微粒子ほど光を乱反射するため白く映る。3種類の中では、薄力粉の粒が最も細かく、強力粉が最も粗い。
 この差はどこからくるのか。
 実はもともと原料小麦の粒そのものの硬さが、硬質小麦=強力粉、中間質小麦=中力粉、軟質小麦=薄力粉と変化に富む。含んでいるたんぱく質の割合が微妙に違うのだ。
 小麦粉のたんぱく質は、「グルテニン」と「グリアジン」という二つで約85%を占める。前者は弾力性、後者は粘り気の源。小麦粉に水を加えて練っていく間に、この二つが合わさって「グルテン」というたんぱく質に変わる。強力粉はグルテンやその源をより多く含んで粗く、その対極が薄力粉という分け方になる。コメなどにはグルテンはない。
 となれば、用途や味わい方も同じであるはずがない。発酵で膨らませるくらい生地(ドウ)に強度が必用なパンや硬いぎょうざの皮、ピザ、中華めんなどには、強力粉がぴったり。中力粉は適度な歯ざわりを求めるうどんやそうめん向き、軟らかい薄力粉はケーキや菓子、てんぷらの衣にと、適材は決まってくる。
 国内の農家が主に栽培している普通小麦は中間質小麦だが、日本めん(うどん、そうめん)という食べ方は、この品種にマッチした調理法だったということになる。長い間つちかった人間の知恵は素晴らしい。
 食べ方のバリエーションからみても、小麦粉は穀類の王様という言葉にふさわしい食品といっても過言ではない。


あんパンは日本発
 日本にパンが入ってきたのは、種子島に鉄砲の伝来した16世紀のこと。外国のプレッシャーで開国した明治時代になって庶民も口にするようになったが、あまり見向きされなかった。ところが、1872(明治5)年に木村安兵衛が、あずきのあんをパンで包んだ「あんパン」を売り出すや、銀座の店の前は長い列ができたという。菓子パンの一種で、おやつ用だが、西洋のものに東洋の工夫を加味した日本発のあんパンは、いまやパリなど海外でもちょっとした人気とか。

 


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