子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第9回
小麦粉の栄養成分学

栄養源として重要な食品−小麦粉

 おなかに脂肪のたまっていく「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)が問題になっている。厚生労働省によると、40〜74歳の日本人では、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、この症状が疑われるか予備軍という。
 生活習慣病などの引き金になるため、国は4月から「特定健康診査・特定保健指導」をスタートさせた。予防には運動やバランスのよい食事が大切だ。アメリカでは対策の一つとして、小麦粉を皮ごとひいた全粒粉を使ったパンやクッキーを食べようといった掛け声も高い。
 小麦粉の栄養成分はバラエティーに富む。小麦の粒の約8割は胚乳。炭水化物(65〜75%)や、穀類では小麦にしかない「グルテン」の元となるたんぱく質(6〜14%)、そして、少ないが脂質もある。3大栄養素と呼ばれる。
 このほか、胚乳の外側にある胚芽や表皮(ふすま)には、ミネラル(リン、カルシウムなど無機質)、ビタミン(B、B2など)といった人の体に欠かせない要素を含んでいる。3大栄養素にミネラル、ビタミンを加えて5大栄養素と呼ぶが、全粒粉にはさらに、「第6の栄養素」といわれる食物繊維が11%も含まれている。
 つまり、全粒粉は胃腸をきれいにしてくれるおなかの清掃人というわけだ。国際穀物科学技術協会(ICC)もいろいろな食物繊維の中で「小麦ふすまは人体に合う」と認めている。
 もうひとつデータをみてみよう。
 2006年度の1人・1日当たり供給熱量は対前年比で1%下がって2548キロカロリーだった(農林水産省・食料需給表)。うち小麦は320キロカロリーで熱量全体の8分の1を占める。パン・ラーメン・ぎょうざ(強力粉)やうどん(中力粉)、ケーキ(薄力粉)といった多彩な食品を通して摂取しているが、小麦粉の中で一番低カロリーの全粒粉を上手に利用すれば、ダイエットにもつながっていく。
 自然の恵みを吸い込んだバランスのよい主食穀類である小麦粉をおいしく、上手に食べながら、体をクリーンに━━小麦粉が世界中で重宝がられる一因は、こんなところにもあるのだろう。


食パンと菓子パン
 四角や山型の型枠で焼くパンを「食パン」という。「主食用のパン」から名が付いたとの説が有力だ。一方、間食用の甘いパンは「菓子パン」と呼ばれる。あん、ジャム、木の実、ペースト類など、生地の中には多種多様な具を調理してある。「菓子パンは1000種類とも2000種類ともいわれ、具も季節によって変わる」(日本パン工業会)。つまり、小麦粉はなんにでもマッチする便利な食材といっても過言ではないだろう。



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