子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第10回
小麦粉の活用学


いろいろなものに変化する━━小麦粉
 食べておいしい小麦粉だが、水や熱の加減を変えると、いくつか異なる姿に化け、用途も広いことは意外に知られていない。
 日本の伝統食そばのつなぎに小麦粉が活躍していることは以前から知られている。では、カレールーは? 外箱を見てみよう。多くの製品に原材料のひとつとして「小麦粉」と表示してあるのに気づくだろう。
 「ルー」とはそもそもフランス語。「小麦粉をバターで炒(いた)めたもの」を指す。カレー粉にバターや小麦粉を混ぜてフライパンで炒め、ペースト状にしたもので、これに野菜や肉などを入れて煮れば、パンにもご飯にも合う子どもの人気料理になる。
 では、水を増やしていったらどうなるか。
 小麦粉(強力粉)100に対し、水を60〜70混ぜてこねていくと、たんぱく質から小麦粉独特のグルテンができ、パン生地になる。強力粉に比べたんぱく質含有量がやや少ない中力粉100に対し30〜40の水を混ぜれば、うどんやラーメンにマッチした硬さの生地ができる。
 水や卵といった液体を小麦粉の2倍くらい混ぜてみよう。トロッとした「バッター」と呼ばれる「ねり生地」になる。ケーキを焼き、天ぷらの衣にぴったりの軟らかさになる。たんぱく質含有量の少ない薄力粉がこれには向いている。
 思い切って小麦粉1に対し5〜20倍の水を加え、かき混ぜていこう。これだけ水を使えば、サラッとした流動物になる。実はこれを加熱していくと、薄い糊に一変していく。樹脂に小麦粉を加えてドロドロにした糊は、合板(ベニヤ板)製造の接着剤に使っていると聞けば、驚く人は少なくない。
 現に日本では昔から、生の漆に小麦粉を混ぜ、破損した陶磁器や漆器、木工器の接合に用いてきた。
 味もしかりだが、小麦粉の世界はなかなか奥が深いのである。


シュークリームの命は皮

 サクッとした歯応えは、シュークリームならでは。キャベツ(フランス語で「シュー」)の形をした薄い皮の中にクリームを詰めたおいしい洋菓子だが、その皮は、小麦粉(薄力粉)に対しその1.5倍程度の湯にバターや塩を溶かし、さらに卵を混ぜて練った生地がベースになっている。それを絞り袋で丸く整形し、焼き上げる。
 水が多いのでグルテン形成は抑えられ、ノリ状になったでんぷんがかもす風味は、小麦粉ならではといってもよいだろう。 



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