子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

第15回
小麦粉の科学


大切なのは適量の塩加減だ
 おむすびを食べるとき、塩を振っている人をよく見かけるだろう。でも、パンやうどんにそんなことをしているのは、まずお目にかからない。もともと塩気があるからだ。
 うどんやそうめんといった日本のめんは、製めん段階で小麦粉100に対し、機械製で2〜5%、手打ちや手延べでは4〜7%の塩を配合している。パン類はこれよりいくぶん少なく、食パンで1.5〜2.5%、菓子パン0.1〜1.5%、クロワッサンなら1〜2%混ぜる。(製粉振興会発行「小麦粉とパン・めん・菓子・料理」から)。
 なぜ塩を使うのか。
 小麦粉にはいろいろなたんぱく質が含まれている。主体は「グルテニン」と「グリアジン」。この二つで85%を占める。前者は弾力性、後者は粘り気の源だ。小麦粉に水を足して練っていくと、性質の違う二つが一緒になり、弾力も粘り気もあるたんぱく質「グルテン」へと変わる。
 この物性変化に重要な役割を果たすのが塩なのだ。
 練る間に小麦粉は水分を吸収し、生地として形成されていく。この吸収率は、塩加減(塩分濃度)で変動する。塩が少なすぎれば生地はダレてまとまらず、逆に多すぎると、パンであれば酵母菌の働きは抑えられ、うどんならこしが弱くなってしまう。適量であってこそ初めて、生地は引き締まり、弾力をもち、パンは形が整って焼き上がりの肌触りもよく、うどんはこしのシャキッとした歯ざわりのよいものに仕上がる。
 それに、塩はめんの日持ちをよくし、パンに雑菌がつくのを抑える効果がある。また、めんの場合、茹でている間に塩の約90%はゆで湯へ溶け出すが、ほんのり残った塩味は面の食感を引き立ててもくれる。
 塩分は人間の体に不可欠な要素だが、小麦粉にとっても切っても切れない材料なのである。

  
「麩」はグルテン
 精進料理や懐石料理に欠かせない「麩」。ふんわり、柔らか、独特の風味だが、この原材料が小麦粉から生まれるグルテン。小麦粉を水で練り、次にその生地を水で洗い流すとデンプンは溶け、最後にチューイングガムのようなグルテンの淡黄色の玉が残る。乾燥し、焼いたり、煮物に使ったりと貴重な植物性たんぱく源になっている。おいしいものを発明する人間の知恵ってすごいね。

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