子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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粉学について考える




パスタとグラタン
 パスタは世界で人気のイタリア料理。レシピ本は数え切れず、レンジで数分温めればおいしく食べられる冷凍食品も目移りするほどだ。
 ロングパスタをスパゲティ、ショートパスタあるいは穴開きなどをマカロニと呼ぶ。これらの総称がパスタ(Pasta)。イタリア語で「練り粉、めん」を意味する。ラーメンやうどん、そうめんなど長いものを、中国や日本でも「めん」というが、細長い食べ物を「めん」と名づける感覚は洋の東西、どうも似ているらしい。
 パスタには腰がある。原料であるデュラム小麦の胚乳には柔軟なグルテンを豊富に含んでいるからだ。その粗引き粉(デュラム・セモリナ)を水や塩、卵などを加えて練っていく。強力粉(パン、ラーメンなど)や中力粉(うどん)、薄力粉(ケーキ)にくらべ、歯ごたえは強い。いわゆるアル・デンテ(「歯ごたえがある」の意)の食感である。
 一方マカロニ。ひねったり、貝状など形をさまざま変える。ゆでて野菜サラダへ入れるもよし、また、魚介類や肉、野菜などとともにソースをからめ、オーブンで焼いたら、表面が黄金色にこんがり焦げ、マカロニグラタンに。フランス人がきづいた調理法という。これも日本人の好物だ。
 めんを打つのは手間がかかる。だから、日本ではその昔、「めん」は祝いごとなど特別な日のごちそうだった。イタリアでも同じく、パスタは「ハレ」の食べ物だったという。それが国民食として広がっていくのは17世紀。いったん家庭で味を知るや、それぞれの地方の食材を具にした“マンマ(母)の味”を生んでいく。さらに20世紀初頭、デュラム小麦を粉にし、水を加え、生地に練り、マカロニ類成形機から高圧で細長く押し出して乾燥めんにする近代技術が完成すると、パスタは全世界の食卓を飾ることになった。
 小麦粉という食材が、いかに人間に役立っているか、お分かりになるでしょう。

  
人の手を介さぬ近代製粉技術
 製粉は人類の課題だった。昔は石臼を使い、人や動物、風や水の力ですりつぶした。19世紀後半、スイス人技師がロール式製粉機を発明。回転スピードの違う二つのロールの間に小麦を通し、外皮をひき割り、胚乳などを取ることに成功した。いまでは外皮だけふるい分ける「ピュリファイヤー」(純化装置)で人手をへず、純白の小麦粉を得ることができる。


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