子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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小麦粉と上手に付き合おう

 パン2万8,321円、コメ2万7,425円。1人世帯を除く国内家庭の年間消費額は昨年初めて、パンがコメを上回った(平成23年総務省家計調査)。小麦粉は日本人の食卓にますます身近になっている。小麦粉をおいしく味わう秘けつと知識を5回にわたり紹介していこう。


熟成が大事な小麦粉
 みんなは新米を食べたかな。コメは収穫間もないほどおいしいという。それにくらべ、小麦粉は少し時間を置いた方がよい。
 収穫したての新麦は、粒のなかの細胞組織が元気だ。さまざまな分解酵素の活性がまだ強く、小麦粉の生地を軟らかくする還元性物質も多く、不安定な状態である。息づいているといってよいかもしれない。
 ひき立ての小麦粉―英語で「green flour」
(若い粉)と呼ぶ―の場合も同じ。新しい粉に水を注いで練っても吸水率は低く、生地はべたつきぎみになり、焼いても思うように膨らんでくれないことがある。
 これをクリアするのが「熟成」(エイジング)というプロセスだ。簡単にいえば、小麦や小麦粉を空気にさらし、酸化させていく。主にアメリカ、カナダ、オーストラリアから小麦を輸入しているが、日本へ船で運ぶ途中ゆっくり空気に触れ、安定していく。また、最新の製粉工程では人手をまったく介さずに空気の流れに乗って粉は移動するが、その過程でもまた熟成は進む。
 強力粉、中力粉、薄力粉と3種類に分かれる小麦粉は繊細な食品であり、他のもののにおいがしみ込まぬよう密閉し、低温・低湿度で保管しておくと、安定状態は長持ちする。一般的にこの期間が「賞味期限」というが、薄力粉なら1年、強力粉では半年を目安にするとよいだろう。
 小麦粉を上手に使い、食卓を彩り豊かにしていきたいものだ。

  
<小麦粉話題あれこれ>パンのことわざ
 約1万年前に、メソポタミア地方で見つかった小麦。粉食の歴史は長く、欧米にはパンにまつわることわざが多い。スペイン「「お前とならばパンと玉ねぎ」(お前となら貧乏暮らしも平気)、フランス「彼はポケットの中で自分のパンを食べる」(欲深い奴だ)、イタリア「食べたパンはすぐ忘れられる」(恩義の忘れ去られるのは早い)、など。でも「人はパンのみにて生くるにあらず」(新約聖書)。


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