子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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小麦粉の不思議Ⅱ

 日本では、小麦粉のおおむね3分の1程度がいろいろなめんとして消費される。日本人が昔から好んで食べる代表的な小麦粉食品のうどんやそうめんについて、学んで見よう。


日本めんは芸術品

 小麦粉には独特の粘弾性を示すグルテンのもとになるたんぱく質が含まれている。 その量の多い方から、パンやラーメン向きの強力粉、うどん用の中力粉、ケーキに使う薄力粉と大別される。 うどんは中力粉だが、練るとき適度な塩分を加えるとグルテンの形成は強まり、生地の粘りと弾力性を増していく。めんにコシがあるのはこのおかげだ。
 冬は鍋焼きうどん、夏にはそうめん。日本めんの太さ、形、味わいには、奥深さを感じないわけにはいかない。
 めんのルーツは奈良時代にさかのぼる。遣唐使らが中国より持ち帰った「唐菓子」がそれ。小麦粉を水で練って生地をつくり、それを細く延ばし、輪に結んで油で揚げ、あるいは干してだんご状にしたものを貴族たちはおやつに食べていたらしい。
 このうち、縄のように細くねじった「索餅(麦縄)」がそうめんやひやむぎへ、平らな餛飩はうどんにと変身したという。うどんが庶民の口に入るのは、江戸時代ごろまでまたなければならなかった。
 めんの太さも細い方から、そうめん、ひやむぎ、うどん、ひらめんなどとバリエーションを広げ、各地で独特の名品、味わい方を生み出していく。
 それにしても、そうめんの細さは驚異的で、まるで白い糸のようだ。秘密は塩と植物油にある。塩は生地中のグルテンの網目構造を引き締め、生地の弾性と伸展性を増し、めんの味を引き立て、日持ちを良くする。植物油を塗ることで付着と乾燥を防ぐ。めんは植物油を塗って寝かせる、つまりじっとしておく(「熟成」という)。この工程で表面の乾燥を防ぎつつ、長い棒で撚りながら細く延ばしていく。寒さのつのる冬季の天日干しはめんの質を一段と高める。
 もう一つの要因は手打ちにあるといわれている。手で丸め、足で踏むと満遍なく力が掛り、グルテンの網目は複雑に絡み合う。一定方向へ力の片寄りがちな機械に比べ、めんの歯応えやおいしさに違いが出てくるという訳だ。
 そして気になる栄養のこと。乾めんにはパン類とほぼ同等のミネラルやビタミン、食物繊維を含み、ゆでることで塩分も抜けていく。日本のめんは他の小麦粉食品と遜色ない滋養食といっても過言ではないだろう。                           
                                          (次回は「ケーキ」)

  
<日本めんは、ミリで分類?>
 
めん類は、他の小麦粉食品に比べて、原料の配合が単純で、製造工程も難しくなく小麦粉本来の持ち味が生かされやすい食品だ。
 日本に昔からあるうどんやそうめんは、「日本めん」といわれ、めんの作り方、調理法、太さと、いろいろと豊富だ。
 日本めんの1本の幅は、一番細いそうめんで、1.00~1.15ミリ、ひやむぎが1.25~1.67ミリ、うどんが1.88~3.75ミリ、幅の広いひらめんは5.00~7.50ミリだ。
 日本めんは、なんとも繊細な小麦粉食品だ。


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