子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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小麦粉の不思議U


日本めんに向いている小麦粉


 小麦粉を使った和食の代表格は、うどん、あるいはそうめんだろう。四季を通じ、食卓をにぎわしてくれる。素材はいずれも中力粉。日本中どこでも栽培できる中間質小麦から製粉する。
 小麦粉の不思議は主要穀物の中で唯一、グルテンという恵みを頂いたことにある。グルテンのもとになるたんぱく質の含有量が12%前後の強力粉と約8%の薄力粉をミックスしたら中力粉(約9%)になりそうだが、そうはならない。
 小麦粉にはたんぱく質のほか、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンなどの栄養素が含まれている。粉を水で練り、ゆでる(加熱する)とでんぷん(炭水化物)は糊になる(糊化)が、糊化が始まる温度などのでんぷんの性状が粉の種類によって異なるため、中力粉で作ったうどんと他の種類の小麦粉のうどんとでは食感が微妙に違う。それほど小麦粉は繊細な食品なのである。
 日本めんには、スパゲッティなどと違い、ソフトだがある程度の弾力があって、滑らかな食感が求められる。中程度のグルテンの含有量と性質が適度の弾力(こし)を生み、軟らかさは糊化でんぷんの性質によるところが大きい。
 ところで、うどんのルーツは中国である。奈良〜平安時代、当時の先進的な文物を取り入れようと命がけで海を渡った遣唐使たち。その帰りに持参したのが、小麦粉を丸めたり棒状に練って固めた「唐菓子」だった。油で揚げてあったという説もあるが、文献も少なく、詳細ははっきりしない。室町時代には、うどんは日本独自のものに進化、それは棒状のものを水で練って細長く延ばし、ゆでて食べるようになった。ただし、小麦粉は貴重品で、貴族など一部の人たちの口にしか入らず、庶民の舌を喜ばせるようになったのは江戸時代からだという。時代は変わり、めん文化は産地や食べ方も違い多彩となった。太さも自由自在、ひもかわ、ほうとう、きしめんなど、さまざまの呼び名で郷土名物になっている。

  
<日本各地の主なうどん>
 今や全国の郷土食となった「うどん」。どれだけ知っているかな?
○豪雪うどん(北海道)○稲庭うどん(秋田県)○ひっぱりうどん(山形県)○ひもかわうどん(群馬県)○加須うどん(埼玉県)○氷見うどん(富山県)○おしぼりうどん(長野県)○ほうとう(山梨県)○きしめん(愛知県)○伊勢うどん(三重県)○巾着うどん(奈良県)○しのうどん(岡山県)○たらいうどん(徳島県)○讃岐うどん(香川県)○博多うどん(福岡県)○五島うどん(長崎県) 他にもまだまだあるよ。


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