子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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小麦粉と栄養


栄養をバランスよく取るために


 原始の人たちは西アジア・メソポタミアの地で初めて小麦と出会った。それから現在に至る約1万年の間に、その粉が文明を支え、「穀物の王様」として世界中の食卓を飾ることになるとは夢にも思わなかったに違いない。


 太陽の恵みをたっぷり吸い込んだ小麦粉は滋養に富む。70~78%を占める主成分の炭水化物、6~14%のたんぱく質、少ないながら脂質(2%前後)も含んでいる。炭水化物と脂質はパワーを生むエネルギー源(カロリー)に、たんぱく質はエネルギーのほか筋肉や血液など体の元になっていく。3大栄養素といわれるものだ。
 また、B₁、B₂などビタミン類、カリウムやリン、マグネシウムといったミネラル(無機質)も多くの種類を含んでいる。この二つを加えて5大栄養素と呼ぶが、さらに「第6の栄養素」と注目される食物繊維を2~3%含み(粒ごと製粉する全粒粉はこれより数倍多い)、腸のクリーナー役も果たしてくれる。

 
 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本人は毎日約100㌘の小麦・加工品を口にしており、長期的に、増加傾向にある。人気の秘密はたんぱく質「グルテン」の存在だ。
 もともと小麦粉には、弾力に富むが伸びにくい「グルテニン」、逆に弾力は弱いものの伸びやすい「グリアジン」という二つのたんぱく質がある。粉に水を加え、練っていくうちに二つは結びついてグルテンを形成し、粘着性と弾性を適度に兼ね備える、魔法のような変身をとげる。他の主要穀物にはない特性である。
 グルテンにより小麦粉の活用方法はぐっと広がり、製品はバラエティーに富んだものとなる。グルテンの含有量が多く、生地にした時に力が強い強力粉はパンやラーメンなどへ、軟らかいが適度にコシがあるうどんには中力粉を、薄力粉はふわふわしたケーキなどに使われる。


 小麦粉食品は、それだけを食べても十分おいしい。さらに肉や卵、野菜、果物などを添えてみよう。さまざまな副食と組み合わせることにより味のハーモニーを奏で、適量の炭水化物によって満腹感を刺激しつつ、栄養バランスの取れた食事になる。食は楽しく、深みを増していくことだろう。
 小麦粉は多くの食材とマッチする。上手に活用し、健康な体を作って
いきたいものだ。

  
<小麦粉の保存>
 小麦粉は繊細だ。まずニオイを嫌う。洗剤や化粧品などのニオイがつきやすく、風味を損なう。湿気も苦手。カビや変質につながる。
 使うときは必要量だけ取り出し、よくふるってかたまりができにくくする。残っても袋へ戻さないこと。粉が何かに触れていたら、カビの元になりかねない。ビンや缶など密閉容器へ移すのも手だ。保存は涼しく、乾燥した暗所で。
 市販の袋に記されているメモを見ながら、小麦粉の世界を楽しもう。
 


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