子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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小麦粉の熟成(エージング)


時間がたった方が良い製品になる


 小麦はいったん粉にして、加工や調理をする。硬い小麦粒は近代的な製粉工場で、胚乳の部分を皮部等と分離し、細かく砕かれて小麦粉になる。小麦粉は、さらにパン、中華麺、日本麺、ケーキなどに加工され、また、お好み焼きなどの材料、天ぷらやから揚げなどの調理に使用される。


 小麦は収穫後少し時間がたった方が使いやすく、おいしい加工品になりやすい。
 収穫直後の小麦粒の中では、細胞組織が生きていて、小麦粉に含まれている成分を分解する作用がある各種の酵素の活性が強く、さらに小麦粉生地を軟らかくする物質の量も多いので、不安定な状態にある。こういう状態の小麦粉で、パンやケーキを作っても、生地がだれたりして思うように膨らまないことがある。
 実は収穫した小麦や製粉した小麦粉では、時間の経過とともに微妙な変化が起こっている。この変化を「熟成(エージング)」という。


 収穫直後から小麦粒の熟成は少しずつ進む。日本では、製粉に使う小麦の8割以上をアメリカ、カナダ、オーストラリアなどから輸入している。輸出国での集荷や海上輸送などに時間がかかるため、通常は収穫してから数か月したものが製粉工場に届く。つまり、日本に着くまでの輸送の間にも熟成は休むことなく続いているということだ。


 製粉工場では、ある程度熟成の進んだ小麦を使い、製粉工程で空気に触れることで熟成は急速に進む。出来上がった小麦粉を倉庫にしばらく置くと、熟成はさらに進み、安定した状態となってパンなどに加工しやすくなる。製粉工場はこのようになった小麦粉を、小麦粉加工食品のメーカーに出荷し、そこで、パンやケーキなどの小麦粉食品になる。
 小麦粉は世界の人たちから好まれ、食される世界中の食卓を飾る穀物の王様なのだ。

  
<小麦粉はどのくらい持つの>
 品質の劣化が早く、いたみやすい食品には「消費期限」が、それ以外の食品には「賞味期限」が設定されている。小麦粉の場合は、「賞味期限」だ。グルテン含有率が高く、パンやピザ、中華麺向きの強力粉なら半年ほど、逆に低くてケーキや菓子などに合う薄力粉なら1年くらいが目安とされている。
 小麦粉は、繊細で、虫、かび、水分、高い濃度などが苦手だ。暗いところにビニール袋などで密閉して保管する。


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