子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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第2回 小麦粉の種類を大調査 ~日本は世界一種類が豊富~

小麦粉は人類の長い歴史の中で人々の生活と共にさまざまな発展をし、今ではなくてはならない食品材料となりました。 ここでは、幅広い小麦粉の世界をいろいろな角度から研究した結果をレポートします。


 日本で製造販売されている小麦粉は、97%(平成30年製粉工場調査)がパンやめん工場などで使われている「業務用」です。 スーパーや食料品店などで「家庭用」として直接販売されるのは全体の3%にすぎません。 また、日本では、世界でもめずらしく多種類の小麦粉が製造販売されています。
 小麦粉が多種類ある理由は、私たちの食生活の中にうどんなどの日本の伝統的食品や郷土料理のほか、世界中の小麦粉を使った多くの食品や料理が取り入れられ、それらをつくるのに適した小麦粉が欲しいという要望に、製粉会社が応えて製造販売しているからです。
 その上、日本人の嗜好はとてもデリケートで、食品に微妙なおいしさを求めます。 それに応えられる多様な品質の小麦粉も必要です。 国内製粉会社が高度な技術や設備を活用して消費者や食品メーカーの複雑な要求にていねいに応えた結果、多種類の小麦粉がつくられるようになりました。
 小麦粉をつくるために必要な原料小麦は、大部分(9割程度)をアメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入しています。 それを国内生産の小麦と使い分けたり、混ぜることで、多くの特徴ある品質の小麦粉がつくられています。
 
日本では、小麦粉は用途などに合わせて「種類」と「等級」の組合せで分類されています。 種類というのは、「強力粉」、「中力粉」、「薄力粉」という分け方です。 強力粉は、含まれているたんぱく質の量が多く(11.5~13%)、水を加えてこねたとき生地の中に出来るグルテンの量も多く、生地にとっても弾力があります。 たんぱく質の量は中力粉(8~10.5%)、薄力粉(6.5~9%)の順に少なく、グルテンの力も弱くなります。 強力粉より少したんぱく質が少なめ(10.5~12.5%)のものは「準強力粉」とも呼ばれます。
 また、小麦粉は、配合した原料小麦を粉に挽く工程で、「1等粉」、「2等粉」、「3等粉」、「末粉」などの等級に分けられます。 上位等級の粉ほど、小麦粉の中に含まれる灰分(*)の量が少なく(目安として1等粉0.3~0.4%⇔末粉2~3%の範囲)、色もきれいな淡いクリーム色になります。
(*)粉を高温で焼いた後に残る灰。粉に含まれているミネラル。
 パンをつくるには、強力と準強力の2等粉以上が、ラーメンには準強力1等粉、うどんやそうめんには中力1等粉が使われます。 ケーキなどの洋菓子や上等の天ぷらには薄力1等粉が適し、まんじゅうやたい焼きなどの和菓子には中力粉も使われます。



食パンは海外では違う呼び名
 「食パン」という呼び名は、日本独特のものです。 四角または山形に焼いた食事用のパンのことをこう呼んでいますが、さらにいろいろな呼び名があります。
 発酵した生地をふた付きのケースに入れ、四角に焼き上げた食パンを「プルマンブレッド」と呼ぶことがあります。 19世紀の終わりに、アメリカのシカゴでプルマンという人が鉄道の食堂車をつくり、サンドイッチ用のパンを焼いたそうです。 この車輌は「プルマンカー」と呼ばれ親しまれ、この車輌の形に似たパンを「プルマンブレッド」と呼ぶようになったといわれています。
 また、ケースにふたをしないで焼いていくつかの山がある食パンは、日本では「イギリスパン」とも呼ばれますが、イギリスでは、「ホワイトブレッド」や「ホワイトローフ」と呼ばれています。


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