子供たちの小麦・小麦粉コーナー

みんなの小麦粉研究室

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第3回 パスタの小麦粉を学ぼう ~独特の食感を生むデュラム・セモリナ~

小麦粉は人類の長い歴史の中で人々の生活と共にさまざまな発展をし、今ではなくてはならない食品材料となりました。 ここでは、幅広い小麦粉の世界をいろいろな角度から研究した結果をレポートします。


 スパゲッティの袋の原材料名を見ると「デュラム小麦のセモリナ」などと書かれています。 この「デュラム小麦のセモリナ」は、パンやうどんなどの原料となる小麦よりも硬いデュラム小麦と呼ばれる硬質小麦をセモリナ状(粗びき)にしたものです。
 「デュラム」という名称は、ラテン語の「硬い」に由来しています。 粒は大きくて、硬く、そのため、細かい粉になりにくく、また、かなりの量のグルテン(たんぱく質)を含み、色は黄色味を帯びています。 しかも、デュラム小麦のグルテンは弱い力でも変形しやすいので生地を作りやすく、めんの形に押し出しやすいといった特質があります。 さらに、ゆでると熱で変性し、パスタ独特の腰の強いアルデンテ(「歯ごたえがある」という意味)の食感を作り出します。
 この変幻自在さこそ、デュラム・セモリナの魅力であり、パスタ人気の秘密でもあります。 スパゲッティ(ロングパスタの総称)、マカロニ(ショートパスタの総称)、ラザーニャー、フェットゥチーネなど実にたくさんの形状の種類があるのもパスタならではと言えます。 デュラム小麦はまさにパスタにぴったりの小麦で、そのためか、別名「マカロニ小麦」とも呼ばれています。
 デュラム小麦は地中海沿岸、中近東、アメリカ、カナダなどで生産されていますが、日本では、主にカナダで生産された、たんぱく質含有量の多い良質のものが使われています。 また、まだ生産量はわずかですが、日本に適したデュラム小麦の品種も開発され、国内で作付けが始まっています。




トルコ国旗の三日月から生まれたクロワッサン
 「クロワッサン」は三日月の形をしていて、フレッシュバターの香りとサクッとした食感が特徴のフランスを代表するパンの一つです。
 発祥の地はフランスだと思われがちですが、そうではないようです。
 1683年、オーストリアの首都ウィーンの街がオスマン・トルコの大軍に包囲された際、夜中トンネルを掘って市内に侵入するトルコ軍に、あるパン屋さんが気づいて守備の軍営に伝え、街を危機から救ったのでした。
 このことを記念してウィーンのパン屋さんたちは、トルコ国旗の三日月紋様に似せた形のパンを作ったそうで、これがクロワッサンの原型と言われています。 その100年ほど後、オーストリア皇女でフランスに嫁いだマリー・アントワネットがパン職人と共にその製法をフランスに伝えました。


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