子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)

 小麦を製粉して粉にする―ごく当たり前のように考えているが、じつはここに深い人類の知恵を見ることができる。利用の面からも栄養の面からも、粉にすることには大きな意味があるのだ。勉強とスポーツの秋。身も心も脳の働きも活発な今こそ粉食で栄養をとって、ますます元気な賢い人間になろう。

 食欲の秋・・・粉食で張り切ろう!                 毎日中学生新聞掲載

 小麦は人類最初の作物のひとつ。1万年前以上も前から食べていたといわれる。製粉の歴史は、小麦を少しでもおいしく食べたいという人々の欲望から生まれた。
 原始時代は、人々はすでに平らな石の上にのせ、石でたたいたり、つぶしたり、すったりして粉にしていたようだ。 当時の人々は、この粉を水で練り、焼き石の上に置き、焼いて食べていたが、やがて 石のウスを回転させて製粉する方法が考え出された。
 そして近代になって蒸気機関を利用した大規模な製粉工場がつくられ、19世紀に入ると現在使われている「ローラーミル」が開発され、製粉工場は大きく変わった。こうして製粉技術は改良・工夫されていったわけだが、ではなぜ、小麦は製粉して食べるのだろう。小麦をつぶのまま調理して食べることをしないのは、おもに次の理由による。
(1) 米のモミと違って小麦の外皮は固く、胚乳部(はいにゅうぶ)に密着していて分離しにくいため、くだいて外皮を除く方法をとる。
(2)小麦の重要な特徴であるグルテンは、粉にしてはじめて形成される。
(3) 小麦のツブにはまん中に上下にわたる「クリーズ」というミゾ(へこんだ部分)があり、この部分の外皮はお米のように外側からけずるだけでは取り除くことができない。
(4) したがってクリーズに残っている外皮のため、炊飯した場合、食感が悪く、消化率も悪い。グルテンの形成や消化率の問題など、粉にすることによってさまざまな利点が得られることがわかる。

   さらに小麦粉にはお米にはない利点がある。材料の小麦粉には食生活に不足しがちな ビタミンやミネラルなどの栄養素を添加(てんか)することができることである。
 これをエンリッチ(栄養強化)というが、学校給食で使われる小麦粉はエンリッチされ、育ち盛りの子どもたちの健康増進に役立っている。また栄養素だけでなく、栄養素の多い大豆粉や、大豆たんぱく、卵粉などを加えてエンリッチすることもできる。そのほか製菓、製パン材料を加えたもの(プレミックス)もつくられている。
 エンリッチできる素材が小麦粉であり、まさに主食の王様になりうる性質をもっているというわけである。
 小麦粉食品、すなわち粉食は、こうしてたくさんの栄養をつれてくる。主食としてそのままでも栄養がたくさんふくまれていることは前にもお話した。また、粉食は副食をいっそうおいしく食べさせてくれる。一般に「パンは栄養を運ぶ車」という言葉があるが、これはすべての粉食についていえるだろう。
 小麦粉のおもな栄養素である炭水化物は私たちに活力を与えてくれる。そして副食は、たんぱく質やビタミン、ミネラル、カルシウムを補給してくれる。粉食を中心にバランスのとれた栄養をとって、からだも頭も十分に働かせたいものだ。
*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。