子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


 製粉技術の発達と調理学

 小麦の歴史は粉食化の歴史でもあった。最初は人が粒を石でたたいたり、引きつぶして粉にしていた。
約6000年前のことだ。約2000年前からは、人や家畜が回す粉ひき臼(英語で「mill」)を使いだした。ベスビオ火山の噴火(紀元前79年)で埋まったイタリアの古代都市ポンペイからも、こうした臼が出土している。
 小麦粉の生産は水車(watermill)の考案でぐんとアップした。紀元前1世紀頃お目見えしたが、さらに11世紀ごろには風車(windmill)が登場した。緑の田園をバックに巨大な木の翼がゆったり回る光景は、中世以来のヨーロッパの風物詩である。
 人力や自然のパワーに代わり、産業革命期の18世紀になるとワットの発明した蒸気機関が利用されていく。あわせて「mill」という言葉は、「工場」という意味を持つことになった。
 では、とう精(お米を精米すること)するコメと違って、なぜ小麦は粉にして食べるのか。実は小麦の表皮は、タンパク質のグルテンをたっぷり含んだ胚乳とくっつき、とう精が難しい。胚乳は柔らかく、砕きやすい。さらに、グルテンは水と混ぜると粘りや弾力性を帯びる。グルテンの含有量で用途や味わいは、パン、中華めん、うどん、ケーキなどへと広がっていく。そのため、製粉工場では胚乳を表皮・胚芽との分離・精選を繰り返し、純度の高い小麦粉を消費者の元へ届けている。現代人の食事はいまや、小麦粉抜きでは到底考えられないのである。

 (毎日中学生新聞 掲載)

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