子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


小麦粉食品で健康なからだづくり
学校と小麦粉料理 小麦粉は生かされている
2年間の体験学習
小麦のタネがパンになった


「わたしパン屋さんになりたい」「パンは小麦粉で作るんだよ」−教室で粘土遊び中にかわした会話から、長野県飯田市立千栄小学校(児童39人)の1年生3人(のち4人に)の2年間にわたる活動は始まりました。担任の松島ゆかり先生(いまは松川町立松川中央小)も本や資料をそろえました。


 校庭のすみに父母らの協力で1アールの小麦畑をつくり、農業改良普及センターに教えてもらってタネをまいたのは、その年の10月。大雪に「タネは大丈夫かな」と気をもみながら冬は過ぎ、春の新学期、麦といっしょに2年生になりました。
 5月。茎は1メートルほどに伸びました。<こむぎのおうち>「わたしは、『なんでそんなに大きいの』とききました。こむぎくんが、『たいようさんがあたるから』。とてもすごかったです」
 自然の力への感動を、1人が作文につづりました。
 このあたりでは、穂から実を取る脱穀のことを「麦なぐり」といいます。暑い7月、穂を木のイスにたたきつけて実を落とし、棒でたたき、扇風機でもみがらを飛ばしながら、ふるいにかけました。17.3キログラムも取れました。
 実を石うすでひき、粉に。でも、3人で細かくするには数ヶ月もかかってしまいます。「刈るのも、収穫も自分たちでやってきたのに・・・・・」。残念な思いもありましたが、製粉所へ出すことにしました。その代わりパンの材料代をかせごうと、畑でとれたサツマイモでスイートポテトを作り、参観日の出店で家の人に買ってもらいました。
 さらに3人は、パンを焼くかまどづくりにいどみました。設計図を書き、レンガと粘土で1メートル四方のかまどを組み上げました。「一段に積んだレンガの数×段の数」は算数です。
 2学期の11月、小麦粉を練った生地にイースト菌を混ぜて、おなかにしばらく抱いて温めて発酵させ、かまどに入れます。のこぎり、火吹き竹を用意し、学校林で集めた木に火をつけようとしたのですが、たき火はもちろん、マッチをするのも初めての体験。「もうだめ」と悲鳴をあげながら、「もっと新聞紙を巻いてから」と知恵をしぼり、点火にこぎつけました。
 プ〜ンと香るパンのにおい。「すごい、ふくらんでる!」。最初は焼きすぎて、こげ茶色になってしまいましたが、ついに見事なきつね色でふわふわの丸パンができました。
その翌年の3年の2学期には、手打ちうどんを味わいました。
 学んだのは、力をあわせ最後までがんばれば夢はかなうということ。「知識は経験と結びついて初めて身につくことを知ったと思います」と松島先生は目を細めました。

■飯田市立千栄小ファクス=0265・59・2179
*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。