子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)

小麦粉食品で健康なからだづくり
学校と小麦粉料理 小麦粉は生かされている

総合学習は小麦粉の研究で

千葉県船橋市立葛飾小学校
http://www.katusika-e.funabashi.ed.jp/

 『小麦粉博士』」のたくさんいる学校があります。千葉県船橋市立葛飾小学校(高橋静夫校長・児童数千百四十二人)。五年生五クラスの計二百二人は今年度、総合学習の時間に麦の勉強をしてきました。『生活に小麦粉がこんなに深くかかわっていたとは知らなかった』と驚いてます。
 

 「世界を知ろう」と葛飾小が麦をテーマに選んだのは、小麦が西洋でも東洋でも代表的な食料だからです。国際理解をかねた総合学習です。
 東京のベッドタウンとしてマンションなどの多い学区に住む児童の大半は、麦にさわったことさえありません。千葉県内の農家から畑で育つ麦をもらい、麦の種類や食品などを図書館やインターネットで調べることからスタートしました。
 パン、ケーキ、パイ、シュークリーム、クッキー、クレープ、ドーナツ、ビスケット、ニョッキ、うどん、ラーメン、パスタ、グラタン、ギョウザ、シュウマイ、カステラ、まんじゅう、天ぷら、みそ、しょう油、麦茶、麦わらぼうし・・・・身の回りの麦製品をあげたところ、小麦粉による食べ物がとても多いことが分かりました。
小麦について発表しました

どこで取れるの?
粉への製法や流通は?

 四〜五人ずつの班で作業にかかったのは昨年六月ごろ。インターネットで知った製粉振興会や製粉会社に電話で問い合わせたグループもありました。            
 麦は一万五千年前ごろに西アジアで栽培され始めたといわれます。エジプト、ヨーロッパをへて中国に入り、奈良時代から平安時代に日本に伝わったことを知りました。風土によって食文化の異なることも知りました。
 知識は大切ですが、やっぱり食べなくては。全員で二学期に「手打ちうどんを作ろう!」に取り組みました。
 三種類の小麦粉のうち、うどんには中力粉を使います。この学びでユニークだったのは、強力粉でも、はく力粉でもうどんを打ったことです。
 「はく力粉のうどんは、すいとんみたい」
 「強力粉はのびが悪くて、うどんもかたかった」
グルテンについて、ゲストティーチャーから授業を受けました
 小麦粉には主に二種類のたんぱく質が六〜十五%ふくまれています。グルテニン(弾力にとむが、伸びにくい)とグリアジン(粘り気が強く、伸びやすい)です。水で粉をこねると、この二つはグルテンというたんぱく質に変化します。粉によって用途が違うのはこのためですが、グルテンによる食感の違いにみなびっくりしました。

なんでもチャレンジ
 もうひとつ、目をむいたのは本物のグルテン実験。東大農学部の大学院生をゲストティーチャーにむかえ、「グルテン」の授業をしてもらいました。        
 粉をこね、生地をだんご状に。それを水の中でもんでいきます。手に残ったのは白いチューインガムのようなグルテン。
「『これがネバネバのもとか!』と不思議そうでした」と一組担任の石田秀俊先生は笑っています。
 中国・広東料理の調理師にも来てもらってギョウザづくりを習ったほか、自分たちでパン焼き、パスタ料理、麦わらを素材にしたおもちゃや民芸品づくりをした班もあります。 各班は一生懸命、できることはなんでもチャレンジした学びでした。
「ギョウザの皮もうまくできたよ」
 今月は保護者への発表会。「子どもたちの視野は広がり、考えるようになった。料理も楽しそうに体験できた」と、二組担任の小泉啓治先生は話しています。



児童の研究ノート
● 小麦粉の賞味期限
保存条件がよければ、製造してからかなりの期間使用できる。ふつうの条件でいくと薄力粉の場合、製造後一年が一応の目安です。たんぱく質の多い強力粉は薄力粉にくらべ、やや短めです。
(飛鷹美帆さんのノートから)

● 古くなった小麦粉
小麦粉は長時間の保存に耐える食品ですが、あまり古くなると小麦粉中の酸素や空気中の酸素などの影響で、たんぱく質(グルテン)や脂質が多少変化し、二次加工性(調理した時の味のこと)がびみょうに変わることがあります。
(飛鷹美帆さんのノートから)

● 麦のつくことわざ
「麦の出穂に火を降らせ」
麦の穂の出る時期には、日照りが望ましい。日照りが続くと、作柄がよいという。
「麦のはしかとほうそうとは叶わぬ」
麦ののぎ(イネ科の花の殻についた針のような突起)は触れると、ほうそう(「天然とう」という病気)と同じくらい、かゆくてやりきれないという意味。
(青山真林さんのノートから)

● 小麦粉のいろいろ
薄力粉、中力粉、強力粉とあります。たんぱく質(グルテン)のがん有量によって、呼び名が変わっています。グルテンが多いものほどねばり、コシ(弾力性のこと)があります。コシのあるのは強力粉、ないのは薄力粉です。
強力粉はパン、ギョウザの皮、中華めん、ピザなど、薄力粉はケーキ、天ぷらなど、中間のかたさがほしいときは、中力粉を使います。うどんは中力粉です。イタリア料理のパスタは、強力粉の中でもさらに強力なデュラム小麦の粉を使います。
(岩城里奈さんのノートから)

● 小麦粉が出来るまで
アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの主産地や国内の生産地から選ばれた原料の小麦は製粉工場で小麦粉になります。自動化した段階式製粉で生産され、きびしい品質チェックをへて出荷されます。規模はさまざまですが、わが国の製粉工場の設備と技術基準は世界のトップレベルです。
(坪井咲樹さんのノートから)

● わき役としての麦
★カレールー
本当のカレールーは、バターで小麦粉をきつね色になるまでいためて、そこにカレー粉を入れてつくるのです。

★ のり
工作などで用いるのり、しょうじやふすまをはるときののりも小麦でできています。

★ ムニエル
魚の味をにがさないために、小麦粉をまぶして油で焼く料理のこと。こんがり油で焼けた小麦粉の味もおいしいです。

★ フライのころも
コロッケなどの外側はパン粉だけれど、その内側には小麦粉がかくれています。材料に小麦粉をつけて、それをといた卵の中にとおし、その上にパン粉をまぶして油であげるので、味もにげなくなります。
(青山亜未さんのノートから)

 協力してアイデアを実らせたのは、新3年生の齋木ちなみさん、小山内良子さん、青柳千花さん、石川彩乃さん、野中良子さんのチームだ。
 甲府盆地の一番南の端にある人口約4400人の静かな鰍沢町。その名物である郷土料理「みみ」を改良して「オリジナルのお菓子を作ろう」と、5人は2年生の時、研究を重ねた。
 といっても、一朝一夕にできたわけではない。
 鰍沢中は「鰍沢を考え・つくる・尽くす〜働く・稼ぐ」をテーマに、全学年が総合学習に取り組んでいる。齋木さんたちも1年生の時から土地の工芸品や食材、行事などを調べ、発表し合ってきた。昨年度は少人数のプロジェクトチームに分かれ、考えたことを具体的な形にするため知恵を絞り合った。
 「みみ」は小麦粉を水でよくこね、薄く伸ばし、1辺5センチ前後の正方形に切る。1辺の両端をつまんでくっつける。その格好が昔の農具の箕に似ているので、この名がついたという。ゴボウ、ニンジン、大根、里イモなどの野菜と一緒にだし汁で煮て、みそで味つけする。山梨県でよく食べる「ほうとう」の鰍沢バージョンである。
  5人のアイデアは――。薄力粉で作った「みみ」を一度冷凍する。それを自然に解凍した後、約4分間ゆで、さらにサラダ油で3分ほど揚げ、軽く塩を振る。最初は揚げすぎて焦げたり、生のまま揚げて固くなったりと悪戦苦闘だった。県内のパン屋さんから「ゆでてから揚げるとうまくいくよ」と教えてもらい、完成にこぎつけた。
 昨年11月、学習成果の発表会を校内で開いた。「ビールのつまみにいいようです」(学年主任の石井泉先生)と評判は上々。今年3月4日、「みみSalt」(100gで210円)の名で10袋を町営の交流センターで試売したところ「中学生ならではの発想だ」と高い評価を受けたため、すぐ本格的に販売を始めた。
 「生地作りは大変だった。いろいろな味をつけて、郷土料理のよさを残したい」と齋木さん。指導してきた担任の河澄美沙先生は「お金を稼ぐことの苦労や社会を知るきっかけになった」と話している。生徒たちは小麦の栽培も始めている。

(鰍沢中ホームページ http://www.kajikazawa-chu.ed.jp/

ことば
薄力粉
・・・・小麦粉を大きく分けると、入っているたんぱく質(グルテン)の量が多い順に「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3種類があります。たんぱく質は、こねた時に粘りけが出るもとになります。粘りの弱い薄力粉はケーキなどの菓子類やてんぷらに向いています。

協賛(財)製粉振興会


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。