子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


小麦粉食品で健康なからだづくり
学校と小麦粉料理 小麦粉は生かされている

栄養バランスを考えた小麦粉料理はまかせて

 小麦粉は穀物の王様。和食、中華、洋食・・・・国境を越え、世界中の食卓にのぼる。小麦粉はコメにはないたんぱく質・グルテンを含み、料理はとても幅広い。東京都板橋区にある東京家政大付属中学校(渡辺信子校長、生徒数475人)の調理部の活動を通し、小麦粉の持ち味を生かした料理の楽しさを紹介しよう。



やっていくうちに、うどんの生地を伸ばす
めん棒の使い方は堂に入ったものに



「アッ、はねるね」。
天ぷらも自分たちで揚げた



みんな頑張りました

 

 女子ばかりの同校の調理部員は1年から3年まで21人。週1回、オーブンレンジや業務用の大型冷蔵庫を備えた調理実習室で、さまざまな料理を作っている。大量に焼いて秋の文化祭バザーに出すパン、クッキー、パスタ、ラーメンなど小麦粉メニューには事欠かない。
 この日のテーマは「天ぷらうどん」。町で食べればアッという間に出てくるが、ここではすべて、一から。「しっかり手を洗って下さい」。調理の第一歩は清潔から。部顧問をしている橋口麗子先生(家庭科)の指示で、みな洗剤をつけ、両手をゴシゴシ。それから、2日前にこねて寝かしておいた生地を冷蔵庫から取り出した。
 よく練り、寝かせる時間が長いほど生地の弾力性や粘り気は増す。生地はより伸び、めんの腰はより強くなっていく。シコシコした食感がでて、味わいは深まる。
 「パンを2日前に焼いたでしょう。薄力粉で作った蒸しパンの生地は伸びなかったけど、中力粉で打ったうどんの生地は弾力性があるね。グルテンの作用ですよ」と橋口先生。「強力粉のパン生地はふくらんで面白かった。あれもグルテンの効果だったんだ」と3年生が応える。

めんには中力粉

 小麦粉は強力粉、中力粉、薄力粉の3種類ある。みな店頭に並んでいる。しかし、今回は強力粉と薄力粉を150グラムずつ調合して作った。れっきとした中力粉(うどん4人分)になる。これに塩(小さじ1)を加えて、170〜200ccの水で練った。
 1グループ4、5人の班に分かれた部員たちは、まな板の上でめん棒をコロコロと前後に転がし、生地をのばす。慣れないだけにその形状は、四国地方あり、房総半島ありと、てんでんばらばら。夏休みにソバ打ちしたときの要領を思い出しながら、部員たちは幅3ミリに切っていく。ここまでくれば、四国も房総もない。見た目はそっくり。長いひもである。

薄力粉のサラサラ感

 めんを鍋でゆでるかたわら、ニンジン、ナス、インゲンの天ぷらにチャレンジした。縦半分に切ったナスに、さらに縦に切れ目を3、4本入れていく。ニンジンは拍子木切り。見ている方がハラハラする包丁さばきだが、見事にこなした。
 「ニンジンにはカロチン、インゲンにはそれにプラスしてビタミンCがあります。ナスはいまがおいしい季節ですね」。橋口先生の説明を耳に入れながら、部員はボウルの中で具を衣になじませていく。衣は200ccの冷水に全卵1個、薄力粉100グラム(カップ1)を溶いた。
 なぜ、衣には薄力粉があうのか。そう問われ、みな一瞬「?」
 薄力粉は3種類の小麦粉のうちで、グルテンが最も少ない。サラサラして水に溶けやすく、油で揚げたときの表面はからっと仕上がる。ここからくるサクサクした歯ざわりは、天ぷら独特の風味なのだ。
 では強力粉を使って揚げたらどうなるか。グルテンの粘りがあるため、もちのようにベタッとしてしまう。表面は固くなり、軽いカリカリ感は飛んでしまう。部員たちの間からは「そうなんだ」と半分驚いた声が上がった。粉の用途はきちんと分けておく必要がある。

おいしくて、相性も栄養バランスもグッド

 ゴマだれつゆも手がこんでいる。フライパンでごまをいるところからスタート。さらに、こぐち切りしたネギをつゆに落とす。調理実習室にはよい香りがいっぱいに広がり、食欲をそそる。
 栄養素に富む小麦粉は「魔法の粉」と呼ばれる。小麦の粒の約8割を占める胚乳、約2%ある胚芽には、たんぱく質のほか、エネルギーの源である炭水化物(でんぷん)や、「第6の栄養素」といわれる食物繊維を含んでいる。便秘や大腸がん、高血圧によいと言われている。
 天ぷらうどんのように小麦粉と相性のよい野菜や油、肉などとあわせて食べることが体にベターである。中学生の年代に不足しがちなカルシウムや鉄分を補給できる。
 「いただきま〜す」。一斉にはしをにぎり、めんを口へツルツル運んだ。手作りの味に「とても、おいしい」と笑顔をのぞかせる部員たち。「少し職員室へ持っていって、先生方にも味わっていただきましょう」と、元気に話していた。

強力粉はグルテンが一番

 小麦粉は、グルテニンとグリアジンと呼ばれる二つのたんぱく質を含んでいる。水でこねるとグルテンというたんぱく質に変わり、ガムのような弾力性や粘り気を発揮する。ソバ粉などの他の穀物にはない成分である。
 グルテン含有量の多い方から、「強力粉>中力粉>薄力粉」の順になる。食パンのように弾力があって、やわらかな状態に膨らむのは、強力粉を使っているせいだ。

なお、天ぷらのサクサクした歯ざわりは、薄力粉を材料にしているからです。このような用途の違いは、グルテン量の多少からくるものです。<「小麦粉のいろいろ」図参照>。

協賛(財)製粉振興会


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。