子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


小麦粉食品で健康なからだづくり
学校と小麦粉料理 小麦粉は生かされている
地球に住む約65億人にとって最大の食料は? そう、小麦です。1万年以上前から、人は小麦を食べ、生命のかてとしてきました。今では、小麦を粉にした小麦粉は世界中の食卓を彩り、欠かせないエネルギー源、栄養素です。学習の教材としてもうってつけ。このコーナーでは、各地の小学校で展開された小麦粉を使った楽しい学びを紹介していきます。トップバッターは神奈川県川崎市にある私立カリタス小学校(河端秀朗校長、児童647人)です。

カリタス小学校(神奈川県川崎市) http://www.caritas.or.jp/index.html


今年は小麦粉作りから 4年生

「どれくらい取れたかな」。小麦を収穫する4年生たち



 4年1組の36人は3年生だった昨年度、総合学習でバターロール作りに挑みました。テーマは「めざせ!パン屋さん」。
  図書室で本を調べ、みながびっくりしたのはパンの多様さ。トルティーヤ(メキシコ)、クレープ(フランス)、グリッシーニ(イタリア)、メロンパン(日本)、サンドイッチ(イギリス)などアッという間に18種類の名があがり、まるで「世界食の旅」です。
  「パン作りの基本と言われるバターロールを焼こう」と決定。校区探検で見つけたパン店から小麦粉を分けてもらったり、作り方のコツを伝授してもらうなどしました。
  パンに合った小麦粉は、グルテンを一番たくさん含んだ粘り気のある強力粉。家庭科室で、みんなは、ボウルの中で粉にイースト菌をまぶし、さらに温めた牛乳、砂糖、塩、バター、溶き卵を加えてこね、できた生地を寝かせて発酵させました。しばらくするとプクッとふくれ、そのガスを抜き、小さく分けて丸め、また少し寝かせてオーブンに。10分もすればキツネ色に焼き上がります。
  2学期に2回、3学期に1回の計3回焼きました。初回はさんざん。6班あるうち、パンがふくらんだのは一つの班だけ。塩の量(小さじ1と2分の1)の分数計算を「3杯」と勘違いした班は、食べると同時に「うわっ、しょっぱい!」。

「砂糖少し多く」工夫の意見も
 2回目、失敗を繰り返すまいと、家でお母さんと練習してきた友達もいて、ほとんどの班がふくらみました。試食した先生は「味はいいよ」とニッコリ。「次は砂糖をもう少し多く入れてみよう」(神野桃華さん、小室明依さん)といった工夫の意見が上がりました。

 今年2月の3回目、生地をシートの上でしっかりこねる班、めん棒で生地を長く伸ばしクルクルとロール状に巻く班、強力粉に薄力粉を足して食感に変化をつける班など、違いを楽しむ余裕も。それまで一度も成功しなかった4班のパンが見事にふくらみ、クラス全員から「やった!」の歓声がこだましました。「1回目、2回目よりおいしかった」(近石真由さん)と腕前にも自信がのぞきます。

 この学びのもう一つの特徴は、学校近くに借りている約100平方メートルの空き地に、昨秋、農協などからもらいうけた小麦の種をまいたことです。「小麦粉も自分たちで用意しよう」という意欲からです。4年生になった今年の1学期、みなでカマを使って刈り取りました。石うすで引いて粉にして、使う予定です。

  指導してきた3年担任の伊丹信敬先生は「困難を一つ一つ克服した体験は、何ものにも代えがたい」と話しています。



病気の友達のために まんじゅう作り 2年生



こねるのは、なかなか大変でした
 

「もうすぐ、ゆで上がるよ」
2年生のまんじゅうは、完成間近です
                       



 「クラスの仲間においしいおまんじゅうを食べさせたいね」。2年1組(37人)のまんじゅう作りは、優しい気持ちから始まりました。4月のことです。
  同じ組の友だちが1人、2年生になってから学校を休んでいます。病気のため手術し、退院後も自宅で治しているからです。
  ある日、病院を見舞った担任の小野拓士先生に、彼が言いました。「昆虫博士になるのが夢だけど、もう一つ、おまんじゅう博士にもなりたいんだ」と。
  校内の交流会で上級生の教室を訪ねた時、自分の前でおまんじゅうがなくなって、食べられなかったことが心残りだったらしいのです。クラスの友だちに言うと、「世界で一つしかないおいしいおまんじゅうを作ろう」という声が次々と上がりました。
  でも、どうやって? さっそく図書室へ。和菓子の本は多く、まんじゅうにちなんだ民話もあり、「面白いね」とのめり込みました。「饅頭」という難しい漢字を覚えてしまった友だちもいます。
  薄力粉を水で練った生地に小豆のあんこを包む「ゆでまんじゅう」にしました。薄力粉は、強力粉や中力粉に比べてグルテンの量が最も少なく、粒子は一番きめ細かい粉です。
  粉を10として砂糖7、水3の割合で練るのに、砂糖が少なかったり、水が多すぎたりと満足にいきません。鍋でゆでた作品はだんごのよう。「おいしくないよ。持っていけないね」と渋い顔。でも自分たちで作っただけに、うれしさがあふれていました。
  もっと上手にと町のまんじゅう屋を訪ねた友だちもいます。真鍋璃音さんはレシピとふくらし粉を教えてもらい、浜田翔子さんは「蒸すとサイコーだよ」とアドバイスをもらいました。
  2回目はこねる手つきも慣れ、カブトムシの形をしたものも作りました。その傑作は、先生が病室へ届けて友だちの口に入り、「おいしい!」とパクパク。それを聞いたみんなは大喜びです。
  7月、3度目のチャレンジには、「一緒に作りたい」と友だちも参加しました。2年になって最初の登校。まんじゅう作りも初めてでしたが、クラスの仲間と一緒に生地を練り、あんこを包み、蒸し鍋で「蒸しまんじゅう」を作りました。むしゃむしゃ食べる友だちを、笑顔でガッツポーズする級友たちが取り囲みました。
 夏休みの自由研究のテーマもまんじゅうでした。おばあちゃんの作る逸品、世界に伝わるいろいろな種類を調べたのです。合言葉は「おまんじゅう博士になるぞ!」です。




*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。