子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


●育てて学ぶ小麦粉の世界

信州すざか農業小学校豊丘校(長野県須坂市)
 農業を教える小学校って聞くと、みんな目を丸くするかもしれませんね。でも、あるんです。長野県の北東部にある須坂市の「信州すざか農業小学校豊丘校」です。市教育委員会が開いているこの学校では、小麦粉も大活躍。子どもたちは、主食として世界で一番たくさん食卓にのぼる小麦粉の世界を知り、食べ物のありがたさを学んでいます。



「早く伸びてね」。第2期生が麦の種をまきました
=昨年11月



だんだん、おやきの形になってきました=今年8月


★小麦は大事な教材

  信州すざか農業小学校豊丘校が開講したのは2005年4月です。自然や農業の厳しさ・楽しさを子どもたちに体験させ、地域の伝統文化や食べ物に感謝する気持ちを育てようと始まりました。
 今春入学した第3期生は市内11小学校の1〜6年生55人。授業は月2回。教科書はありません。
 世界の主な食糧の一つ、小麦は大事な教材です。昨年秋、第2期生が学校の田んぼ(約20アール)にうね作りから始め、種をまきました。先生が麦踏みをしてくれた穂は春になって伸び始め、子どもたちは成長を見守ってきました。
 そして7月。黄金色に育った麦の刈り取りです。かまを手に、サクサク・・・・・というわけにはいかず、「気をつけてね」「手前に引くんだよ」と心配そうな保護者を前に、何とか収穫しました。
 そして、農家から贈られた足踏み式脱穀機で脱穀。「初めてやったけど、自分の足で回すのはとても難しかった」と、市立小山小2年の山嵜太一君は振り返ります。

★70キログラムの小麦粉に
 製粉は近くの製粉工場に頼みました。できた小麦粉は約70キログラム。「すいとん」「おやき」を作って食べました。「みんな、そりゃ楽しそうだった」。畑作業を指導した農家先生の市川興四郎さん(69)は、目を細めます。
 すいとんは、この付近では「ひんのべ」と呼ばれます。練った小麦粉を、引き伸ばしながら鍋に入れるからです。おやきは「素朴だけど忘れられない味」と信州人が愛するおやつです。山地が8割を占める長野県で、お米が不作の時には主食ともなってきました。

★こねて、しこしこ
 おやき作りをのぞいてみましょう。ここは、地元の地域活性化施設。農業小の児童や付き添いのお母さんを合わせて100人近くが、加工室に集まりました。
 「これから、おやきの皮を作りますよ」。やはり農家先生で、おやつ担当の市川と志子さん(74)の声が響きます。小麦粉に水や酢、サラダ油を足しながら、生地作りです=レシピ参照。指の間に粘りつく小麦粉の玉に、「粘土みたいだね」。ほとんどが初体験です。「怪獣の顔だぞ」と、楽しそうな声が上がります。
 生地はこねるほど粘り気が出ます。小麦特有のグルテニン、グリアジンという2つのたんぱく質が合わさって、グルテンになるせいです。パンやスパゲティ、うどんやラーメンのしこしこ感は、このグルテンのおかげ。お米やトウモロコシにはない特性です。

★フワッと香ばしく
  「この小麦粉、家で普段使っているのより少し茶色だね」と小山小2年、豊田芽生さん。確かに、お店で売っている小麦粉は、ほぼ真っ白です。これは、小麦の粒の中でも、でんぷんの詰まっている「胚乳」という部分を主に使っているからです。でも最近は、「全粒粉」といって外側の「ふすま」と呼ばれる部分も一緒につぶして食べる方法が、アメリカなどで広がっています。「第六の栄養素」と言われる食物繊維を多く含み、バランスがいい食べ物です。
 おやきにはカリッと焼く方法もありますが、この日は、ふかす調理法でした。15分もすれば、皮も具もホカホカ。「おばあちゃんの家で食べるおやきより黒っぽかったけど、もちもちしておいしかった」と、小山小2年の山嵜千里さん。自分たちで収穫した材料を使った調理に、満足そうでした。



 ネコのパンもやいたよ
須坂市立小山小2年    
丸山杏実さん      

  わたしはのうぎょう小学校で、小むぎをそだてました。しゅうかくした小むぎをのうかの先生に小むぎこにしてもらいました。じゅぎょうで、その小むぎこをつかって、おやきをつくりました。なすやあんこをつつむとき、きじがフワフワしてきもちよかったです。おやつのじかんには、その小むぎでつくってもらったすいとんも食べました。かえりに小むぎこをもらって、いえでパンをつくりました。わたしはねこの形のパンをつくりました。やき上がったらいいにおいがして、フカフカしておいしかったです。



市川と志子さんの
 ナスのおやきレシピ

材料(約20個)

●皮
 小麦粉(中力粉)
 ベーキングパウダー
 重曹
 サラダ油・酢ともに
 水  

● 具
 直径約7cmの丸ナス
 みそ
 砂糖
 サラダ油


500g
20g
7.5g
50cc
1.5〜2カップ


6個
200g
100g
少々


皮の作り方

(1) 小麦粉、ベーキングパウダー、重曹を合わせ、ふるいにかける
(2)

サラダ油、酢、水を(1)に加えながら、耳たぶより少し軟らかくなるまでこねる

(3)

30分〜1時間ほど寝かせる

作り方

(1) 丸ナスのへたを取り、厚さ約7ミリメートルの輪切りに(2枚で1個分)
(2)

みそ、砂糖、サラダ油をよく混ぜる

(3) 寝かせた皮に「つけ粉」を少し振り、もう一度よくこね、作る個数に分けて丸めておく
(4) 輪切りの丸ナス2枚の間に、(2)をはみ出ない程度にはさむ
(5) 手に「つけ粉」をしながら、丸ナスを包めるくらいに丸く皮を伸ばす
(6) 蒸気のふいているむし器にぬれた布を敷き、包んだおやきを並べる。約17分間むせばできあがり



*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。