子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


 小中学校新聞(小麦粉は生かされている )
小麦粉料理で世界を知る


 小麦とコメの食べ方の違いは何か?コメはほとんど粒のまま食べるのに対し、小麦は粉にすることです。これこそ小麦粉が形や味をさまざまに変え、いろどり豊かな粉食文化を作り出す理由です。世界や自分の国を考える教材として、徳島県阿波市立市場小学校(森勝正校長、児童数310人)では小麦粉を活用しています。

                       
               おいしそうにチヂミが焼けてきたよ


世界をつなぐお好み焼き

 四国の東部にある徳島県は江戸時代まで「阿波」と呼ばれていました。その旧国名をつけた市の高台にある市場小は、7年ほど前から小麦粉を使って総合学習を行ってきました。昨年の6年生は3学期にチヂミづくりにチャレンジ。社会科で、「世界の国々」について学びますが、「お好み焼きを通して見たらどうだろう」というユニークな発想です。
 チヂミはよく知られた韓国料理です。でも、土地によって呼び方や添える具はいろいろ。日本の「すいとん」(小麦粉のだんごを実にした汁)だって、使う野菜や肉などの種類は地方で違うのと同じことです。
 6年生24人が選んだのは、ほぼ定番の調理法でした。家庭科室で1班6人に分かれ、まず包丁を握ってニラを長さ5pに、玉ネギは薄切りに、ニンジンは千切りに、そしてむきエビも自分たちで切りました。
 つぎに小麦粉(薄力粉)をボウルに入れ、卵、塩、水を加えて溶きます。さらに具をよく混ぜます。みな手は真っ白です。この生地をごま油を引いた熱いフライパンへ流し、薄く広げる。ジューッという音。片面が焼けたら、ひっくり返して反対側も焼きます。
 初めて包丁を手にした友だちも少なくないので、作業は大変でした。でも、いい香りがしてきます。「おいしいね」「日本のお好み焼きと同じじゃない」。いろんな声が上がりました。指導した6年担任の藤本勇二先生は「野菜など、加える具に違いはあっても小麦粉の使い方は同じ」と言います。
 そう言われれば、【別表】「世界のお好み焼き=にあるように、具は国によって少しずつ異なるものの、小麦粉の使い方は似たり寄ったり。
 外国にもお好み焼きのあることを知り、「あれがお好み焼き!と思ったけど、世界から見たら、日本のお好み焼きもそう思われるかもしれないから、それぞれでいいと思った」(吉川真由さん)といった新たな発見も。他の国から見たら自分たちはどう映るだろうか、という視点に気づいた貴重な学びだったようです。

【別表】「世界のお好み焼き」 
●パジョン(韓国) 主にネギや貝・イカを具に焼き、タレは赤トウガラシとしょうゆ
●春餅(中国) ゴマ油を入れて薄く焼いた生地にザーサイ入り豚肉から味炒め、ニラ玉、きゅうり、長ネギ、サニーレタスなどをのせ焼く
●バン・セオ(ベトナム) 生地にターメリック(香辛料で日本名「ウコン」)、卵の黄身をねり、具はニンニク、玉ネギ、エビ、豚肉、もやしなど
●マルタバ(インドネシア) 水溶き粉を薄く広げ、半焼けの上に卵と牛ミンチ、ニンジン、ネギなどをのせ、半分に折りたたんで揚げ焼きか蒸し焼き
●チャパティ(インド) 小麦の全粒粉を用い、カレー料理にそえる主食。パンのよう
●ピザ(イタリア) トマトなどとともにこんがり焼く



地産地消から食料を考える

 
うどんは和食の代表的な小麦粉食品。それを材料に食料の自給率や食生活を考えたのは、3年前の市場小6年生でした。
 近くの店で買ってきた小麦粉(中力粉)に水を注ぎ、めん打ちからスタート。生産国を調べたとこ、うどん用中力粉はオーストラリア産が多いと知りました。うどんに合った小麦を栽培しているのです。
 日本の小麦消費量は毎年約630万トン。国内で取れるのは90万トンほど。約540万トンはアメリカ、カナダ、オーストラリアなどからの輸入です。自給率は14%「こんなに外国に頼っていいの」という疑問がわき、四国農政局からゲストティーチャーを招いて話を聞きました。「このあたりで取れる小麦を使って地産地消のうどんを作ってみては」とすすめられ、「やってみよう!」。
 阿波市と接する香川県は「讃岐うどん」のふるさと(讃岐は香川県の旧国名)。そこで開発された小麦「さぬきの夢2000」の粉で、今回もめん打ちから始めました。2ヶ月間に二度も打ったのです。
 味、値段、栄養、安全性など9項目について、市販と地元産を比べてみました。
 「いつも地産地消で打っていたら、家事が大変」
 「でも地元産の方が、遠くから運ばないぶん、二酸化炭素をたくさん出さずにすむ」
 と、それぞれ利点のあることを理解しました。「どちらを選ぶ?」という藤本先生の問いに、「できるだけ地産地消でいけばいいと思うけど、ぜんぶそうするのはむずかしい。両方選ぶ」(藤本広大君)といった正直な答えがとても印象的でした。地元産



小麦粉でグルテンガムを作ろう

 小麦、コメ、トウモロコシは世界の三大穀物。小麦はダントツに優れた粉食食品です。小麦にしか含まれていないたんぱく質「グルテン」によるものだが、市場小の4年生から6年生で作る科学クラブで行われた実験を紹介しましょう。
<用意するもの>
ボウル、強力粉、食塩、うがい薬(ビールの色くらいに薄めたもの)
<実験@>
小麦粉へうがい薬を数滴たらす。粉は青むらさき色に変わる(口に入れてはならない)。薬の成分のヨウ素がでんぷんと反応したせい。
<実験A>
食塩水を作り、ボウルの小麦粉へそそぐ。粉をよくこね、丸いかたまりにして一時間ほど置く。蛇口から水を流し、手のひらでかたまりを洗う。白くにごった水が出なくなれば完成。かんでも味はないが、ガムみたい。これがグルテン。うどんやラーメンのしこしこ感など、粘りと弾力性のもとです。うがい薬をたらしても変色しない。でんぷんが洗い流されてしまったからだ。小麦粉はグルテンとでんぷんでできていると分かる。
<実験B>
中力粉、薄力粉ではガムはうまくできない。グルテンが少ないから。つまり、小麦粉の用途はグルテンの量で決まってくるわけですね。


▽市場小ホームページ
http://www.tcu.or.jp/syougakkou/ichiba/ichiba/

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。