子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)

 小中学校新聞(小麦粉は生かされている)

 小麦粉は世界の主食。日本でもふるさとの味の主役として大切にされてきました。
 小麦粉は多くの食品の主役にも脇役にもなることができます。
 しかも、小麦粉はさまざまな食材とマッチします。学校や子ども料理教室で展開されている食の学びを東京のケースから紹介しましょう。

昔からの伝統食「多摩そば」を打つ

 東京都多摩市立豊ヶ丘小学校



幼稚園児は「お兄ちゃんたち、延ばすの上手だね」
=豊ヶ丘小


 東京の西に広がる多摩丘陵。その一角、日本最大の人工都市・多摩ニュータウンの中心エリアに建つ多摩市立豊ヶ丘小学校(小林佳世校長、児童数302人)で、6年生46人が保護者や兄弟姉妹と「多摩そば」を打ちました。
 「そばと呼ぶけど、野菜たっぷりのつけ汁で食べるうどんです。めんのつなぎは塩のかわりにニワトリの卵です」。ボランティアで指導する「多摩市青少年委員の会」会長、萩生田国弘さん(60)=造園業=の説明で、めんづくりは始まりました。
 多摩丘陵を含む武蔵野台地は水が少なく、米作には不向きでした。盛んだったのが小麦栽培。粉にし、庭先で飼っていたニワトリの卵で練り、そばのように細く切る江戸時代以来の伝統食です。

 同小には学校林(7100平方b)のほか55平方bの小麦畑があります。5年生の秋に「農林61号」(中力粉)のタネをまき、冬の麦踏み、6年生へ進んだ初夏の収穫、脱穀、石うすによる粉挽きなど体験学習(食育)を4年前から展開。むろん小麦の生産量、輸入量の勉強も。でもクライマックスはめん打ちです。製粉は農協にも頼み、今年は13`とれました。
 つけ汁を家庭科室で保護者が調理している間、6年生は隣の教室で4〜5人の班ごとに“手打ち職人”へ早変わり。市販の粉を足した中力粉をボウルに入れ、つなぎの溶き卵を少しずつ流し、全体をさらっと混ぜ、そぼろ状にしてまとめます。
 日本のめん(中力粉使用)は、通常塩を使い、グルテンを引き締め、生地やめんのこしを強くします。「山間部では塩は貴重品。鶏卵で代用した」(萩生田さん)。それにしても卵とはぜいたくですね。
 そのあと、ぬるま湯を粉全体に行き渡らせてまとめ、ビニール袋へ移して足踏み。さらに打ち粉をふりながら、のし棒で延ばし、包丁で細長く切っていく。長さ、太さはバラバラですが、5分もゆでれば出来上がり。保護者や幼稚園児から高校生までの兄弟姉妹 計約110人と一緒に「いただきま〜す!」。卵で打っためんはふくよかです。

 1年かけたおいしい味に、お変わりする6年生も。「大変だったのはすり鉢でゴリゴリと脱穀したこと」「麦刈りと包丁でめんを切るのが面白かった」。感想もさまざまだ。
 「麦の穂から粒へ、さらに粉にするのがどのくらい大変か分かったと思います。食べ物に目を向けるようになったのが一番の変化でしょう」。6年担任の井戸しのぶ主幹教諭、平向直樹教諭は、そう話してくれました。

「おいしくゆでるよ」と6年生=豊ヶ丘小

<多摩そばの作り方>(4〜5人分)
[材料]
めん=中力粉500c、卵 1個、 ぬるま湯350〜400t、
    打ち粉100c
具材など=シメジ1/2パック、 大根1/4本、 ナス1本、 
    長ネギ1本、 サトイモ3〜4個
    ゴボウ1/3本、 豚ばら肉150c、 油揚げ1枚
    サラダ油20cc、 ごま油10cc、 濃い口しょうゆ100cc、
    だしのもと10〜15c
    水1人分250cc

[汁の作り方]
@大なべをサラダ油で温めてなじませ、3〜4aに切った豚ばら肉に焦げない程度に火を通す
A切ったナス(厚さ1a)、斜め切り長ネギ、シメジ(ばらし長さ3a)、大根(厚さ5_のイチョウ切り)、ささがきしてあくを抜いたごぼう、湯通しした油揚げ(幅3a)を入れ、焦げない程度に強火でいためてから、しょうゆ1/3で味付け B水を全量入れる(弱火) C残ったしょうゆ、だしのもとで味を調え、弱火で煮込む
D煮崩れを避けるため下ゆでしたサトイモを加える Eごま油で香りづけする
F仕上げたあと火を落とし、食べる10分前に強火で加熱する。

クッキー作りで科学を知る

 市民科学研究室「子ども料理科学教室」



 がんばってこねました=こども料理科学教室

 クッキーづくりを通して野菜の甘さを感じよう ― 今年の夏休み、東京都文京区の区民施設の調理室で「子ども料理科学教室」が開かれました。
 主催したのは、NPO法人・市民科学研究室(代表・上田昌文さん、本部・文京区)。活動の一つとして「毎日の食事を楽しく作り、おいしく食べよう」を合言葉に、7年前から実験を用いた食育を実践してきました。今回は夏休みの自由研究。首都圏の小学生や幼稚園児と保護者計15人が集まりました。
 まずは甘みの話から。市販のジュースを糖度計で測ったあと、「トウモロコシをゆでると甘くなる。熱ででんぷん(炭水化物)が変化するためです。でんぷんは小麦、コメ、ジャガイモなどの主成分でエネルギーのもと」と上田さん。
 続いて小学低学年、高学年ごとの調理台で、ほうれん草、タマネギ、パプリカ、アスパラガス、枝豆の5種類の野菜を切り、なべでゆで、蒸し、フライパンでいためたりと、調理開始です。少しずつつまみながら、みんなの意見は「ほうれん草が一番甘いかな」「タマネギだよ」と分かれました。ではクッキーに焼きこんだら…。
 
 小麦粉は主要穀物ではただ一つ、グルテンになるたんぱく質を5〜13%含んでいます。水で練っても溶けないグルテニン(弾力に富む)、グリアジン(粘着力が強くて伸びやすい)という二つのたんぱく質が合体してグルテンは生まれます。その質や量の違いでおおむね強力粉、中力粉、薄力粉に分かれ、用途も別。クッキーは薄力粉だ。
 水、塩、卵、そして砂糖代わりに加熱・細切れにした野菜をボウルの中で練り込みます。「力を入れてね」。お母さんから思わず声援も。そして生地を指で一口大に成形、冷蔵庫で20分冷やし、オーブンで20分ほど焼きました。

 待つ間、グルテン実験に挑戦。薄力粉、強力粉、フライパンで熱した強力粉の三種類(各50c)をボウルにあけ、水で練ります。生地がまとまったところで、水道水で洗います。残るのはぷよぷよしたかたまりです。
 「弾力がぜんぜん違うよ」。チューインガム状に伸びた強力粉のグルテンに、1年生男児は目を丸くしました。残ったグルテンは計量の結果、水を含む重さでしたが、薄力粉9c、強力粉16c、そして加熱の粉はゼロ。水で練る前に熱したので、グルテンが形成されなかったのです。繊細なたんぱく質ですね。
 さて5種類のクッキーの甘さくらべは?一番人気はタマネギ。野菜はビタミンやミネラルのほか、でんぷんを含み、5種類ではタマネギが最大なのです。


 「クッキー焼けたよ」=こども料理科学教室

<グルテンの抽出法>
[材料]
薄力粉50c、強力粉50c、 加熱した強力粉50c
水各30cc、 ボウル、 はかり
[やり方]
@ボウルに3種類の粉を入れ、各30ccの水でよくこねる(表面が滑らかになり、手のひらでまとまるくらいに。こねる回数を同じにする)Aたっぷりの水の中でもみながら@を洗う
B最後に残ったのがグルテン。伸ばしてみよう。また重さを量り、弾力性、色、重さを観察する。

                                            


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」のバックナンバーの項目に入っていますので、ご覧ください。