子供たちの小麦粉・小麦粉コーナー

小中学校新聞(体験学習編等)


 小中学校新聞(小麦粉は生かされている)

 小麦粉は栄養に富んだ世界の主食です。また小麦粉ほどいろいろな食材とマッチし、多くの食品に変化するものもありません。小麦粉は、人びとの心をつなぎ、地域おこしにも大いに役立っています。
 今回は、福島県の山形小学校の最後のイベントと愛知県の泉小学校がふるさと学習の一環として参加した泉市民館まつりを紹介しましょう。

学校最後のイベントはうどん作りで

 福島県石川町立山形小学校



力を込めて生地を練りました
=山形小


 福島県東部を中心に宮城県から茨城県へ延びる阿武隈高地。その西側、桜の名所があちこち点在する人口約18000人の福島県石川町の山間に、町立山形小学校(荒川孝子校長)はあります。全校児童19人の小さな学校で昨年10月、「親子でつくろう うどん打ち」が行われました。しかも、最後の。
 というのは、この3月末で閉校になるのです。理由は日本を包む少子高齢化。児童数は減り、近隣の6校が一緒になって新・石川小学校として再出発、山形小137年の歴史は幕を引きます。
 それだけに、この日午後の学習発表会「やまびこフェスティバル」に先立って行われたうどん打ちは、複雑な思いの中でのイベントになりました。なにしろ約20年前に始まって以来、学校と地域とをつないできた行事だったからです。

 「ぜひおいしいうどんを作ってください」。元PTA会長から寄せられたうどん用の小麦粉16㌕を前日、1~6年生が三班に分かれ家庭科室で計量するところからスタートです。粉300㌘に対し、水150㏄、塩15㌘で練ろうと相談しました。
 翌日、量った小麦粉をボウルにあけ、塩水を混ぜながらダマを作らないようこねていきまいした。目指すは耳たぶの柔らかさ。お父さんからは「愛情を込めないとうまくいきません」のアドバイスも。
 続いて生地をビニール袋に入れて足踏み。二人で肩を組んで踏むなどにぎやかです。小麦粉に含まれている「グルテニン」(弾力に富むが延びにくい)「グリアジン」(弾力は弱いものの粘着力は強く延びやすい)という性質の異なる2種類のたんぱく質が合わさってグルテンを形成、めんのコシを強くしていくのです。

 出来た生地はコロコロとめん棒を転がし、平らにしていきます。毎年体験してきた上級生が慣れない手つきの低学年の子を手助けするほほ笑ましい光景もありました。そして、ハラハラしながら見守るお母さんたちの手ほどきを受けながら大型包丁で慎重に切っていきました。細さも長さもバラバラ。でも、こどもたちの努力の結晶です。

「こんな大きな包丁、初めて使ったよ」=山形小


 同時進行で保護者が準備してくれたけんちん汁で、屋外に並べたテーブルと椅子にかけ、「いただきま~す」。19人のほか卒業生や地域の人たち、来賓など総勢約80人がおなかいっぱいいただき、「お母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、地域の人に食べてもらえてとてもうれしかったです」(2年、生田目珠李さん)。
 閉校を前に校区の人たちに対する児童の感謝の気持ちも伝わり、生涯みんなの記憶に残るうどんの味だったことでしょう。


地産「大葉」の焼きそばはいかが

 愛知県田原市立泉小学校



 ヘラの使い方も堂が入ってきました=泉市民館まつり

 「日本一の味を目指します」。愛知県田原市立泉小学校(大羽清隆校長、児童数186人)の5年生32人が校区の泉市民館まつりで元気な声を上げたのは昨年10月のこと。それまでの半年間、総合的な学習の時間にみんなで知恵を絞って作った「『田原・塩YAKISOBA』OBA=大葉」を発表したのです。

 田原市は愛知県の南部、渥美半島の真ん中あたりに広がる自然豊かな温暖の地です。北は三河湾、南は太平洋に面し、山もあり農畜産物の種類が豊富で、特に香りのよい大葉は泉地区の特産。「これでふるさと学習を」。5年生は昨年4月、実践を始めました。

 まず注目したのは、田原市内の製めん所で大葉と合いそうな細い中華めんを作っていたこと。焼きそばがピンときました。大葉や養豚の農家に学校で授業をしてもらい、実際に畑で大葉をつむなど5年生は知識と体験を深めていきました。
 この間、学校での調理実習(3度)や親子料理教室(2度)でめんをこがしたりしながら試作を繰り返します。難しいのは大葉やネギを加えるタイミングや量、隠し味の鶏がらスープやアクセントである鷹の爪の使い方、最後は自分たちで搾油までした地元産なたね油を生かした味付けだったようです。
 また、夏の学年キャンプなどでキャベツ、水菜、スクランブルエッグ、オクラ、エリンギなどの具材を加えて“トッピング対決”。小麦粉がさまざまな食材とマッチすることも知りました。

 ところで、ラーメンなど中華めんには強力粉を用いるのが普通です。小麦粉にしかないたんぱく質・グルテンの量が、うどん向きの中力粉やケーキに適した薄力粉より多いためです。しかし、泉小5年生の作る塩焼きそばには地元産の中力粉に、同じ中力粉だがグルテン含有量の高い北海道産をブレンドし、「練り方も工夫してめんのコシをだした」(製めん所)めんを使いました。

 さて、泉市民館まつりの当日。生産者のほかホテルや飲食店の関係者ら20人や新聞社の取材も加わって大にぎわい。大型の鉄板から立ち上る香ばしい湯気に誘われ、「行列ができていてビックリしました」(5年・藤井心来さん)。保護者の協力も得て用意した200食を2時間半ですっかり焼き上げ、「大葉の香りがいいね」「ホテルでもだせるな」など大好評でした。
 指導した担任の高橋利紀先生は「一番良かったのは、さまざまな人の優しさに触れたことです」と振り返りました。


 焼きそばのテント前には行列が=泉市民館まつり

「田原・塩YAKISOBA」OBA=大葉<4人分>
[材料]
葉ネギ2~3本(40~60㌘)、 大葉80枚、 豚バラ肉120㌘、 細めん4玉(各150㌘)
なたね油大さじ1、 市販の塩だれ60㌘、 鶏がらスープ小さじ1、 鷹の爪1つまみ

[作り方]
① フライパンになたね油を落とし、鷹の爪を炒める ② 幅1㌢㍍ほどに切った肉を入れ、色が変わったらなるべく細かく切った葉ネギとせん切りにした大葉1/4を足して中火でいため、終わったら一度皿にとる ③ めんをほぐして両面がパリッとなるまで焼く ④ 焼けためんを広げ、大葉(少しだけ残して全部)と②を入れて良くまぜる ⑤ 鶏がらスープ、塩だれで味付けし、素早く混ぜて火から降ろし盛りつける ⑥ 香りづけに残りの大葉をパラパラのせる。

                                            


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