小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景


「パスタ」日本へ上陸
                            ひらの あさか           
西洋うどんと呼ばれたマカロニ

 日本でパスタが食べられるようになったのは、まず「西洋のあなあきうどん」「管通麺」などと呼ばれたマカロニが最初で、明治5年に紹介された『西洋料理指南』の中に、マカロニの作り方が書かれている。しかし、この時代には一般に普及しなかったようで、戦後になって、マカロニ製造機が導入され、食生活の洋風化、そして、給食の献立にのぼるようになって最もマカロニが消費されるようになった。


昔懐かし「ナポリタン」
 もともとは、イタリアのトマトソースを使った料理法がフランス料理に取り入れられたことでナポリ風。つまり「スパゲッティ・アラ・ナポリターナ」ナポリ風スパゲッティが語源のナポリタンですが、本場ものは、ゆでたスパゲッティにトマトソースをからめたもので、いっぽう日本ナイズされた「ナポリタン」の方はというと、昭和30年代に爆発的にヒットしたのが「ウインナー・ナポリタン」。今ではあまり見かけなくなった赤いウインナーに、玉ねぎ、にんじん、缶詰のマッシュルームなどの 材料を炒め、トマトケチャップで味つけ、ゆでたスパゲッティを加え、さらにケチャップを加え、味をじっくりからませてから火を止める。当時のスパゲッティは現在と違って乾燥パスタをアルデンテという訳ではなく「ゆでめん」つまりゆでうどん的な糊状に近いめんで、べちゃべちゃのケチャップにとてもフィットするものでありました。


給食の定番「マカロニ」
 昭和30〜40年代に人気の給食献立にあったのが「マカロニサラダ」。今でもお肉屋さんをはじめ、惣菜にはかかせない一品です。地域によっては材料の中身は若干異なりますが、マカロニはたっぷりのお湯でゆでてにんじんは薄切りにしてゆで、きゅうり、玉ねぎ、りんごは薄く切る。材料にマヨネーズをかけて和える。給食ではりんごのかわりに缶みかんが入っていることもあった。何故かこの甘さが異質な感じでありましたが、食パンにはさんで食べると少し豪華なサンドイッチになりました。見てびっくり「マカロニのお汁粉」白玉でなく、マカロニを使った珍品です。甘味が献立にのぼるのは特別の日だけでした。ゆでたマカロニを、あん、砂糖、塩少々、水に溶かして熱した中に入れる。お汁粉といっても、どろどろしたものでなく、さらっと仕上げたものでした。


パスタメニューのおさらい
 ナポリタンとともに人気のあるのが「スパゲッティ・ミートソース」もとは、中部イタリアのボローニャ地方のパスタソース「ボロネーゼ」である。昭和60年代に入り、イタリアンレストランのブームにのって、それまでのうどん風ゆでスパゲッティから、デュラムセモリナ100%の乾燥パスタをかためにゆであげ、ソースであえた本格的なパスタへと日本人のし好もかわってきました。それまでのロングパスタから、マカロニを含むショートパスタのペンネ、リボン型のファルファッレなどと種類も豊かになり、生パスタのタリアテッレ、フェットチーネ、ラザーニャなどもレストランで食べることができるようになりバラエティ豊かなソースで本場の味を楽しむことが可能になりました。
 「ペペロンチーニ」もっともシンプルな食べかたで、ペペロ ンチーニは唐辛子を意味する。にんにくは薄い輪切り、赤唐辛子は種を除いて細い輪切りにする。フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れ中火にかける。ゆで上ったスパゲッティを入れ塩を加え味つける。
 「ボンゴレ・ビヤンコ」ボンゴレはあさりのこと。通常は殻付のあさりを使うがむき身の方が食べやすい。フライパンにオリーブオイル、赤唐辛子を入れ、中火にする。にんにくを細かく刻んで入れ、パセリのみじん切りを加え、アンチョビーペーストを少々、あさりを加える。少量の白ワインを加え、塩を加える。ゆで上げたスパゲッティを入れてあえ、好みでパルメザンチーズをかけていただく。トマトソースを加えたものは、「ボンゴレ・ロッソ」と呼ばれる。
 「カルボナーラ」は、炭焼き風という意味で、スパゲッティにのせ るベーコンをカリカリに焼くところからその名がついた。ベーコンは1cm位に切る。卵、生クリーム、パルメザンチーズ、黒コショウは合わせてよく混ぜる。フライパン にサラダオイルを入れ、ベーコンを加え、じっくり弱火で炒め、カリッとさせる。白ワイン少々とゆで汁少々を入れ、ソースと合わせて、ゆで上げたスパゲッティを加え、火はつけたままにしてソースとからめる。
 「ジェノベーゼ」ジェノバ風ペースト使ったスパゲッティ。ジェノバ風ペーストはバジル、松の実、チーズが混ぜ合わさったもので、オリーブオイルに、アンチョビー、にんにくを加え、塩、コショウ、ジェノバペーストを合わせ、スパゲッティは太めのリングィーネを使い、ソースに少々ゆで汁を加え、ゆで上がったリングィーネを加えてからめる。
 「ペンネ・アラビアータ」怒ったペンネ。その名の通り唐辛子の効いたアラビアータは辛くて熱いパスタです。フライパンにオリーブオイルと赤唐辛子、にんにくはかたまりを入れ、香りづけしてとりのぞく。トマトソースを加え、ペンネがゆで上がったら、ソースにからませ、パセリのみじん切りをふる。
 「ゴルゴンゾーラのペンネ」北イタリア特産のゴルゴンゾーラチーズは青カビのついた独特な味のチーズ。好きになると病みつきになる一品です。鍋にバターをとかし、みじん切りにしたにんにくを少々、白ワインを加え、アルコール気をとばし、ゴルゴンゾーラチーズ、生クリーム、コショウ少々を ゆっくり溶かしてゆき、ゆで上がったペンネを加え、じゅうぶんに味をなじませ、パルメザンチーズを加えて、みじん切りしたパセリを散らす。
(食文家)
参考文献
「コムギ粉の食文化史」 岡田 哲・朝倉書店
「なつかしの給食」 アスペクト編集部・編



*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。