小麦・小麦粉に係る話題

第7回 小麦粉のある風景

「サンドイッチ」とその仲間

ひらの あさか

謎の「313」
 語呂合わせのうまい日本人の発想の極致が謎の数字の組み合わせ「313」。 3という字が1という字を両側から挟んでいる。 なので「サンドイッチ」。 そうです3月13日はサンドイッチの日。 わかりやすい謎ですね。




サンドイッチの由来
 イギリスのサンドイッチという町の領主サンドイッチ伯爵。 カードゲームが大好きな伯爵は、食事をとる間も惜しんだ。 彼が考え出したのが、カード中にも食べることのできるもので、トーストしたパンにコールドビーフを挟んだシンプルなサンドイッチでした。 そもそもサンドイッチは、その名の通り、間に挟むという意味がありますが、イギリスだけでなく、フランスでも古くから農作業の合い間に食べるお弁当として用いられたようです。




アフタヌーンティーには

 19世紀半ばに、イギリスの貴婦人たちの間で始まった食習慣「アフタヌーンティー」。 軽い昼食と8時すぎの夕食の間にいただくもので、紅茶をゆったり飲みながら、3段のケーキ・スタンドにのせたスコーン、ビスケットやケーキ、そしてティーサンドをいただくというもの。 ティーサンドは、指先で軽くつまめて、一口サイズのサンドイッチで、きゅうりを挟んだ「キューカンバー・サンド」をはじめ、ハム、卵、チーズなどの材料を挟む。




焼サンド3種
 「アメリカンクラブハウスサンド」というサンドイッチは、アメリカ風のサンドイッチという意味で、アメリカのカントリークラブで作り始められたところからその名がある。 具だくさんのダイナミックなクラブハウスは、トーストした3枚の薄切りパンを用い、2枚にバターを塗り、最後の1枚に玉ねぎ、ピクルスのみじん切りにマヨネーズを合わせたタルタルソースをたっぷりと塗り、カリカリに焼いたベーコン、ソテーした鶏肉にトマトをのせ、またもう1枚のパンには、焼いたロースハム、その上に水を切ったレタスをのせ、タルタルソースを塗ったパンをのせ、三角形に切って四等分にする。
 「BLTサンド」は、もっと手軽にできて、ジューシーなサンドイッチで、トーストしたパンにバターを塗り、マスタードを好みで塗り、こんがりと焼いたベーコンにスライスしたトマト、レタスにマヨネーズをかけパンをのせ、食べやすい大きさに切って食べる。
 フランスの焼サンドは「クロック・ムッシュー」。 クロックとは、食べた時の食感カリカリという音のことを言い、その名の通り、熱いうちにカリッといただくのがおいしい。 こんがり焼いたパンにバターを塗ってロースハム、グリエールチーズを挟んで好みの大きさに切って食べる。 このクロック・ムッシューに目玉焼きを挟んだものは「クロック・マダム」と呼ばれている。




デンマークのサンドイッチ
 その名を「スモーブロー」バターを塗ったパンを意味するデンマークのサンドイッチは具材によってパンの種類は異なりますが、主流はライ麦パン、そして白パンです。 バターを塗ってパンの上に卵、魚介、肉、チーズ、野菜をのせて作ったオープンサンドで、サンドイッチといより、『一皿の料理』と呼びたくなるほどのものです。 ランチはもちろん、おもてなしの料理としても格別な一皿です。 具材は多彩ですが、いずれもバターを塗ったパンの上に、パンがかくれるように盛りつけ、ナイフとフォークを使って食べます。 代表的なものに、ゆで卵、トマトにレタスをあしらい、マヨネーズをかけたもの。 レバーパテ、レタス、ローストベーコン、バターで炒めたマッシュルームをのせたもの。 にしんのマリネ、オニオンスライス、赤ピーマン薄切りにケッパーをのせたもの。 ボイルした小えびをレタスの上にしきつめ、好みでサウザンアイランドドレッシングをかけ、レモンを添えたもの。 ブルーチーズを薄く切って、玉ねぎの輪切りの上に卵黄をのせたものなど好みの材料を彩りよく合わせていただきます。




イタリアのサンドイッチ
 イタリア語で、小さなパンという意味のパニーニ。 単数形をパニーノと呼び、イタリアのサンドイッチとして親しまれている。
 パンは、オリーブオイルを使って焼いた田舎パン「チャバッタ」スリッパを意味するパンや、小さめなフォカッチャなどを使います。 具材には薄く切った生ハムを重ねて焼いたパンにオリーブオイルを塗って挟んだシンプルなもの。 なす、ズッキーニ、黄色のピーマンをあらかじめオリーブオイルにひたして焼き、さらにオリーブオイル、塩、ブラックペッパーをふって、焼いたパンにオリーブオイルを塗った間に挟んだ「グリル野菜のパニーノ」。 モッツアレラチーズにトマト、バジルを挟んだもの。 ほうれん草とにんにくのソテーにサラミソーセージを挟んだものなど、シンプルなパンに好きな具を挟み、手でつぶしながら汁気のしみたパニーノをほうばるのがイタリア式とか。




アメリカに渡ったベーグル
 馬の鐙(あぶみ)の形をしたビューゲル(鐙の意味)は、ニューヨークに渡ったユダヤ人によって伝えられベーグルは、アメリカを代表するパンのひとつになった。 小麦粉をベースに砂糖、ドライイースト、塩を加え、ぬるま湯を加えた生地をドーナツ状にし、発酵させてから鍋にたっぷりの湯に砂糖を加えゆでる。 水気を切って、表面に卵白を塗って、オーブンで焼く。 プレーンなものから生地にゴマ、くるみ、ブルーベリーを入れたり、のせたりして種類も具材に合わせて選べるバリエーションがあります。
 「クリームチーズとサーモンのベーグルサンド」けしの実を表面につけたポピーシードベーグルは軽く焼いて、クリームチーズをたっぷり塗って、スモークサーモンにケッパーをのせて挟んで食べる。


(食文家)
参考文献
「おいしいパンの事典」成美堂出版
「コムギ粉料理探究事典」岡田哲・東京堂出版


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