小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

「ワッフル」と「ホットケーキ」

ひらの あさか

ワッフルの来た道
 ワッフルは、フランス語でゴーフル。時は中世12~13世紀のヨーロッパ。模様のついた2枚の鉄焼き型の間に、小麦粉生地を流し、挟んで焼いた「ゴーフル」。こ れがワッフルの起源といわれ、宗教的な祭日や結婚式のお祝いには欠かすことのできないお菓子となった。現在でもベルギーでは、教会行事や学校行事に、ワッフルの屋台が出るという。
 日本では、明治時代にイギリスのワッフルが日本に伝わった。小麦粉に砂糖、卵、バター、牛乳を混ぜたケーキの生地を、両面に模様のついたワッフル型にケーキ生地を流して挟んで焼いたワッフルに、カスタードクリームやジャムを挟んで2つ折りにした柔かいスポンジケーキタイプのもので、現代でもおなじみの味です。


ベルギーワッフルさまざま
 日本に一大ブームを呼んだ「ベルギーワッフル」。ベルギーワッフルには、日本でも流行した屋台派(カジュアルな)リエージュタイプとカフェやレストラン派のブリュッセルタイプの大きくわけて2つのタイプがあります。リエージュタイプは、固めに溶いた小麦粉生地にザラメのような砂糖を入れる。この砂糖は生地にすべてが溶けないので、焼き上がりにジャリっとした歯ざわりが残るのが特徴で、屋台やスタンドで売られている。
 いっぽうブリュッセルタイプは、リエージュタイプより水気を多く含んだ小麦粉生地をワッフル型に流して、表面はかために、内側はやわらかく焼き上げる。
生地には砂糖をおさえめに入れてあり、生クリームやフルーツ、アイスクリームやジャムをのせ、ナイフとフォークを使ってデザートとしてレストランやカフェで食べるというものです。


いろいろなワッフル
 「ピーチソースがけワッフル」小麦粉生地は、砂糖を少しおさえめにして、イーストを加えたものを、ワッフル型に入れて両面を焼く。ピーチソースは、缶詰の黄桃をミキサーにかけ、桃のリキュール、砂糖少々を加える。別立てで、黄桃をさいの目に切って合わせる。焼きたてのワッフルに発酵バターをぬり、上にピーチソースをかける。
 「ワッフルのアボカドソース」小麦粉生地は、砂糖はわずか少量を加えてつくる。ワッフル型に入れて両面を焼く。アボガドは熟してやわらかめのものを用い、種をくりぬいて粗く切って、レモンを絞る。これをフードプロセッサーへ入れ、アンチョビペースト、サワークリームを加えたアボガドソースをつくる。えびは殻をむいて背わたをとって、塩でもんでからゆでる。焼きたてのワッフルにバターをぬって、アボガドソースをのせ、ゆで卵の輪切り、ゆでたえびをのせ、好みでパプリカを上にかける。
 「和ワッフルごま仕立て」小麦粉生地は砂糖をひかえめにして焼き上げる。黒ゴマペーストに、はちみつに本みりんを少々加えてつくったゴマソースを用意する。焼きたてのワッフルに無塩バターをぬって、ゴマソースをかけて、きな粉をたっぷりとかける。好みでバニラアイスクリームを添える。


ホットケーキ今昔
 アメリカで生まれたプレミックスは、家庭でつくるケーキ、クッキー、ドーナッツなどを作るのに用いる簡単、便利なもので、小麦粉に必要な材料をあらかじめ合わせておくという意味がある。日本では、ホットケーキミックスという名で昭和6年頃に登場した。「ホットケーキ」自体が日本にお目見えしたのは、上って大正末期のことで、ところはデパートの大食堂のメニューにホットケーキがあらわれた。そのむかしは、デパートの大食堂のメニュー。その頃はギザギザ模様のバターがのっていて、バターをまんべんなくホットケーキにぬり、みつをしみ込ませるようにたっぷりかけて、だいじに切りわけてから食べる。昭和40年代には、ごちそうのケーキでありました。


生地にいろいろ加えたホットケーキ

 「パンプキンホットケーキ」 ホットケーキミックスに、黒砂糖少々、卵、牛乳、電子レンジで加熱したかぼちゃは、皮ごとつぶして生地と合わせ、フライパンにうすく油をひいて、ぬれぶきんで粗熱をとってから生地をのばし弱火で両面を焼く。生クリームは砂糖を加えてかために泡立てる。焼き上ったパンプキンホットケーキに発酵バターをぬり、クリーム、ざく切りにしたくるみを添え、黒みつを好みでかける。
 「バナナ入りホットケーキ」 ホットケーキミックスに、卵、牛乳、バナナは熟したものを用い、ラム酒をふってつぶして生地と合わせて、ホットプレートに軽く油をぬって、弱火で両面を美しく焼く。焼き上がったバナナホットケーキにはとろりととろけるカスタードクリームと仕上げにココアパウダーをふりかける。
 「ポパイホットケーキ」 ほうれんそうはゆでて、水に放ち、ギュッとかたく水気を絞る。このほうれんそうをミキサーに入れ、ミキサーにかけ、ボウルで卵を溶き、ほうれんそうと合わせて、ホットケーキミックスと合わせ生地をつくりそこヘチーズのさいの目に切ったものベーコン、スイートコーンを入れて、フライパンに生地を流し、こげないように両面をていねいに焼く。クリームチーズに、玉ねぎのみじん切りに、にんにくのすりおろし、パセリのみじん切りを加えて合わせたディプをポパイホットケーキにのせて食べる。
 「ソーセージ入りのホットケーキ」 なんとトマトジュースを生地に入れたホットケーキ。ホットケーキミックスに卵、牛乳、トマトジュースを合わせたやわらかく溶いた生地に玉ねぎうす切り、あらびきソーセージを細かく切ったものを合わせる。ゆで卵は、かためにゆでて粗く切りマヨネーズにみじん切りのパセリを加えたものを添え、ブラックペッパーをふる。

(食文家)

参考文献    
コムギ粉料理探究事典 岡田哲 東京堂出版
ヨーロッパお菓子紀行 相原恭子 NHK出版
ホットケーキの本II 森永製菓株式会社


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。