小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

「冷やし中華」と「冷やしめん」

ひらの あさか

「冷し中華」あらわる
 今や夏の風物詩となった「冷し中華」。夏の声を聞くと、中華料理店やそば屋の店先には「冷し中華はじめました」の貼り紙が、暑い夏のはじまりをつげてくれます。
 現在のような「冷し中華」が考案されたのが、昭和12年、サラダをヒントにした「涼拌麺」。仙台の中華料理店が売り出した。この涼拌麺は、ゆで上げた麺を自然に冷してから具とあえるというもので、明治創業の中国料理店では、創業当時から涼拌麺を扱っていた。その中身は、ゆでたもやしと蒸した鶏肉を細く切って、冷した麺にのせ、上からごまだれをたっぷりかけたもので、これをかき混ぜながらいただく「あえそば」だった。


コンチネンタル・スタイル
 真夏の鍋焼きうどんがないように、真冬の冷し中華というのも、あまりお目にかかることは少ない。しかし、真夏の鍋焼きも、真冬の冷し中華も食べてみたい味です。
 さて、冷し中華の正統派というかたちは、賛否両論あると思いますが、中華そばは、沸騰したお湯でゆで、ざるに上げ、水でよく洗って水気を切り、ごま油または、サラダ油をふってほぐし、錦糸卵、きゅうり、焼豚(そのむかしは、プレスハム)、なるとは細切りにして麺の上にのせ、てっぺんに紅しょうがをのせて、ときがらしを添え、しょうゆ、鶏がらスープ、酢、砂糖、ごま油を合わせたしょうゆベースのたれをかければ完成。


あなどれない即席もの
 昭和40年代から出始めた即席の「冷しラーメン」。麺を熱湯で4分煮て、冷水で洗って水気をよく切る。麺をお皿によそい、しょうゆベースの甘酸っぱいが、キリッとした味のつゆと、いりごま、紅しょうが、のり、卵の入ったドライなふりかけをかけ、ときがらしを加えて食べる。これが、麺がシコシコ、つゆがキリッと味がしまって旨い。きゅうりや焼豚を加えてもよいが、シンプルにふりかけをまぶして食べるのがいい。


さっぱり、こってり「冷しラーメン」
 まずは、市販のレトルト中華スープを使った「冷しカニ玉ラーメン」スープは内身に、カニ身、椎茸、きくらげなどが入っているので、ここへグリーンピース、玉ねぎ、とき卵など好みの材料を追加して、一度火を入れてから粗熱をとって、冷蔵庫でスープを冷やす。中華めんは、ゆでて水でよく洗い、水気を切ったら、丼ぶりに入れ、先ほどのスープをかければ出来あがり。
 「冷し坦々めん」スープは、鶏がらスープをベースに芝麻醤、豆板醤、にんにく、しょうがをすりおろし、うすくちしょうゆを合わせたスープに、鶏ひきにく、ザーサイを炒めたものを加え冷やす。中華めんにスープをかけ、白髪ねぎを添える。
 「冷しトマトめん」スープは、鶏がらスープを用い、白しょうゆなければ、うすくちしょうゆを加え、酒、或いは紹興酒を少々加え味を整える。水気をよく切った中華めんに、冷やしたスープをかけ、トマトのくし切り、みじん切りにしてさらした玉ねぎ、大葉の細切りをのせていただく。


街の味「涼拌麺」
 すっかりおなじみの味「棒々鶏麺」。麺はモロヘイヤを練り込んださわやかな緑色をしたものを用いる。鶏むね肉は、清酒をふりかけて上に長ねぎの青い部分と、薄切りのしょうがを香りづけでのせ、蒸し器で内に火が通るまで蒸し、粗熱をとって冷まし、包丁で肉をたたいて身をほぐす。棒で鶏肉をたたいたことから「棒々鶏」の名がある。たたいた鶏肉は、手で細かくさく。きゅうりは細く切る。たれは、しょうがのみじん切りに、酢、砂糖、しょうゆを合わせ、芝麻醤、長ねぎのみじん切り、ラー油を入れ仕上げる。お皿に氷でシャッキリとさせたモロヘイヤ麺にきゅうり、鶏肉をのせ、たれをたっぷりとかけ、よくかき混ぜながら食べる。
 「冬瓜と貝柱の冷麺」冬瓜は食べやすい大きさに切る。干し貝柱は、ゆっくりともどし、もどし汁を鶏がらスープと合わせ、冬瓜ともどした貝柱をコトコト煮て、しょうがをすりおろして入れ、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけ、冷やす。ゆでて水気を切った中華めんに、とろっとした冬瓜と貝柱の入ったスープをかけて出来あがり。


おうちで「冷しめん」
 「アボカド・ピータンめん」アボカド、ピータンは、さいの目に切る。ザーサイ、長ねぎ、甘酢につけたラッキョウは、みじん切りにする。市販の冷し中華スープしょうゆ味を水気を切った中華めんにスープをかけてよくまぶし、アボカド・ピータン、長ねぎ、ラッキョウは別立てで、中華スープ、からしを入れてかき混ぜ、中華そばの上に材料をのせ混ぜながら食べる。
 「あじの冷めん」刺身用のあじは薄く切って、新玉ねぎも薄くスライスして水にさらす。ワンタンの皮は細く切って揚げておく。市販の冷し中華スープごまだれ風味に、酢を少々好みで加えて準備する。水気を切った中華そばに中華スープをまぶし、スライスオニオン、あじの切り身も同様にスープをまぶし、揚げたワンタンの皮、香菜を切ってのせ食べる。
 「にら卵冷めん」豚ひき肉と、にんにく、しょうがのみじん切りは、サラダ油で炒めて清酒、しょうゆで味をつけ、冷ましておく。沸騰したお湯に、にらをくぐらせてゆがく。サッと火を通したら、冷水でニラをよく洗う。ゆでた中華そばは、水でよく洗い、水気を切ってごま油をふる。市販の中華スープしょうゆ味をめんにかけ、その上に豚ひき肉のそぼろ、ゆがいたにらをちらし、上に卵黄をのせよくかきまわしながらいただく。

(食文家)

参考文献
ヌードル・ドット・コム 日清食品02.No10
ダンチュウ プレジデント社 97.8月号/02.9月号
空飛ぶ冷し中華Part2 全日本冷し中華愛好会編 住宅新報社


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。