小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

ラビオリとその仲間

ひらの あさか

まるで餃子のような
 トルコ料理「マントゥ」は、ヨーグルトソースをたっぷりかけたトルコ風ラビオリ。生地は、小麦粉に、卵、塩を入れ、水を加え混ぜ合わせ、耳たぶくらいの柔らかさになるようにこねる。1時間ほど生地をねかせ、表面が乾かないようにラップをかける。玉ねぎはみじん切りにして、挽き肉と合せて、塩、コショウで味つける。生地は、打ち粉をひいてめん棒で薄くなるまでのばして、4cm角くらいの正方形に切り、具材をのせて四隅をつまんでしっかりとじる。鍋に湯を沸かして沸騰させ、塩を加え、マントゥを入れ、およそ20分ゆでる。ヨーグルトソースをつくる。にんにくはすりおろし、プレーンヨーグルトに混ぜて塩を少々加える。バターを溶かし、パプリカと合わせる。マントゥがゆであがったら、器によそいヨーグルトソース、パプリカが入ったバターをかける。好みで、乾燥ミントなどをかけて食べる。この「マントゥ」はギリシャにもほぼ同じ作り方の料理がある。餃子よりひと回り小さいが、ところ変わればヨーグルトソースがけの餃子のようなラビオリのような一品となる。


ラビオリの兄弟
 イタリアのパスタには、ご存じのように生地にフィリング(肉や野菜、チーズなど)を詰めた具入りパスタがある。よく知られているところでは「ラビオリ」。生地の基本的な作り方は、強力粉6に対し、薄力粉4の割合でふるい、塩1つまみ、卵、水、オリーブオイルを加え混ぜ合わせ、まとまったら、およそ1時間ほど生地をねかせ、表面が乾かないようにラップをかける。打ち粉をし、めん棒で1mmくらいになるように生地をのばす。ナイフかギザギザの切り口になるパイカッターを用いて好みの長さと大きさの長方形に切り取る。この生地にスプーンで具材を並べ、上に生地をかぶせるようにして押さえ、具のまわり縁どりをするようにナイフかパイカッターで切り揃えてゆき、1つずつ切り離す。
 「ほうれん草とリコッタチーズのラビオリ」ほうれん草はゆでて水気を絞り、リコッタチーズと合わせて、塩とコショウを加えて味を整える。生地に具材を のせて、大きさを揃えて、生地をかぶせ、上部を手で軽くおさえて上下の生地をしっかりとつけ、パイカッターで波型に切る。ラビオリは沸騰したお湯に塩を加えてゆでる。器にラビオリをよそって、トマトソースをかけ、バジルを添える。トマトソースは、市販の物を用いてもいいが、ひと手間かけて作るのもよい。みじん切りの玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒めて缶詰のホールトマトをつぶして裏ごしして、玉ねぎ、にんにくと合わせて煮詰め、塩、コショウで味を整える。
  「カッペッレッティ」小さい帽子を意味するカッペッレッティは、正方形の生地の上に具材をのせて、三角に折って両端を持って、ひとひねりしながら押さえて、ちょうど指の上に帽子がのっているように作る。「チーズ入りカッペッレッティのミートソース」モッツァレラチーズをフードプロセッサーで攪拌して、パルミジャーノチーズはすりおろしてこれと合わせ。卵黄、塩、コショウを加えて混ぜる。ミートソースを作る。みじん切りした玉ねぎ、にんじん、にんにくをオリーブオイルで炒め、次いで合挽き肉を加えさらに炒めて、赤ワインを加える。火が通ったら、ここにホールトマトをつぶして入れ、市販のドミグラスソースを加えて水気が少なくなるまで煮込んでいく。沸騰したお湯に塩を加えてカッペッレッティをゆで、ゆで上がったらミートソースであえる。
  「かぼちゃのトルテリーニ」ゆでたかぼちゃはつぶして水気を取って、パルミジャーノチーズ、ナツメグ、塩、コショウを合わせる。
 トルテリーニはカッペッレッティの半分くらいの大きさにパスタ生地を四角に切って、かぼちゃの具材をはさみ、ワンタンのように三角に折ってひとひねりする。トルテリーニをゆでてる。お皿にパルミジャーノチーズをひいてゆでたてのトルテリーニをのせ、さらにパルミジャーノチーズを上からふりかけて、溶かしたバターをかけ、よく絡めてから食べる。
 「生ハムとジェノベーゼソースのパンツェロッティ」マッシュルーム、しいたけ、エリンギは同じくらいの大きさに切り揃える。にんにくはみじん切りしてオリーブオイルで炒め、次いできのこも炒める。ここにリコッタチーズ、パン粉を合わせた具材をまとめ、生地をかぶせて楕円形の半月形にまとめる。ジェノベーゼソースを作る。バジリコ、松の実、くるみ、にんにく(みじん切り)、オリーブオイル、パルミジャーノチーズと合わせてフードプロセッサーで攪拌する。パンツェロッティをゆで、ジェノベーゼソースであえて、上に生ハムをのせる。


ドイツにもあった「ラビオリ」
 ドイツ版ラビオリと呼びたいのが南ドイツ地方で食べられている「マールタッシェン」。ラビオリと同様に生地に、ひき肉やスモークハムを刻んだもの、ほうれん草などの具材を薄い生地で包んでゆで、コンソメスープの中に入れたり、ソースをかけて食べたりします。
 タッシェンとは、かばんを意味することばで、その通りに長方形でラビオリよりは大きめな形をしています。もともとは、四旬節(復活祭前の40日間で、昔はこの期間に乳製品・肉・酒・卵などを食べることが禁じられていた)の料理で、肉食ができなかったはずの修道院で、肉をミンチにして皮に包んで隠して食べたという「苦肉の策」がその始まりだったようです。

 

(食文家)

参考文献
世界の食文化(18)ドイツ 南直人 農文協
世界の食文化(9)トルコ   鈴木薫 農文協




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