小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

南蛮漬けとエスカベージュ

ひらの あさか

エスカベージュという料理
 フランス語で「油で揚げてから酢に漬ける」を意味する「エスカベージュ」。多くは、前菜に用いられますが、小魚をから揚げにして、ビネガー、オリーブオイル、白ワインなどと香味野菜を合せたマリネ液に漬けた料理です。マリネした魚のうま味と、香味野菜との相性は格別です。
 「キスのエスカベージュ」にんじん、セロリ、玉ねぎ、赤ピーマンは細切りにし、にんにくは、みじん切りにし、オリーブオイルで炒め、同量の酢、白ワイン、水と砂糖、塩、コショウ、レモンの絞り汁を合せたマリネ液に加える。キスは中心に包丁を入れて1尾を2枚にして、さっと洗って水気を切り、塩とコショウをして、表面に小麦粉をまぶして高温の油で揚げ、揚げ上がった順にマリネ液に漬け込んでいく。すぐにでも食べられますが、2~3日味がなじんだものもおいしい。


南蛮漬けのルーツをたどると
日本で料理名に「南蛮」とつくと、スペイン、ポルトガルなど南欧諸国から渡来した食材の唐辛子や、ねぎを使ったものをいいますが、ご存知「南蛮漬け」も、ポルトガルやスペインがそのルーツだと考えられます。
  スペイン語で「エスカべチェ」といえば、日持ちをよくするという意味があり、小魚に小麦粉をまぶして、オリーブオイルなどの植物油をフライパンに軽くはって、中火でカリッと焼いて、スライスオニオンをさっと炒め、ワインビネガー、月桂樹の葉、赤唐辛子を合せたマリネ液を揚げ上がった小魚にかけて、レモンの輪切りをのせて漬け込む。
 「小あじの南蛮漬け」あじはぜいご、えらとわたをとって、塩水で洗い、水気をよくふく。玉ねぎ、セロリ、ピーマン、にんじんはせん切りにする。漬け汁をつくる。だし汁に酢、砂糖、本みりん、しょうゆ、鷹の爪の輪切りを合せてひと煮立ちさせ、粗熱をとる。あじに小麦粉をまぶして、深めのフライパンにサラダ油をあじが軽くかぶるくらいにひいて、低温からじっくり揚げて、漬け汁に漬けていく。最後に野菜も加えて全体をからめて、漬け込んでいく。
 「あなごの南蛮漬け」あなごは、開いたものを使う。キッチンペーパーでぬめりをとってから、食べやすい大きさに切る。長ねぎは4cmくらいの長さに切り、縦に切り目を入れて芯を取り、細切りにし、水にさらして水気をよくきっておく。大葉は細切りにする。
 市販のストレートめんつゆに酢、砂糖、鷹の爪小口切りを合わせておく。あなごに小麦粉をまぶして、中温でしっかりと揚げて漬け汁に入れて、長ねぎ、大葉と合せて1時間ほど漬けてから食べる。


いろいろな南蛮漬け風
 「鮭の南蛮漬け」甘塩鮭は、骨を抜いてからひと口大に切る。長ねぎは4cmくらいに切ってから芯をとり、せん切りにする。同様に、にんじん、セロリは筋をとってからせん切りにする。鷹の爪の小口切り、酢、うすくちしょうゆ、砂糖少々を加えた漬け汁に野菜を漬ける。鮭に小麦粉をふって、フライパンに少量のサラダ油をはって、鮭を揚げ、野菜の入った漬け汁と合わせ、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし、2~3日くらいで食べ切る。
「鶏レバーのマリネ」鶏レバーは、ひと口大に切って、さっとゆでる。これを酒と塩、しょうが汁に漬けておく。玉ねぎは乱切りにして、にんにくみじん切りと炒める。酢、しょうゆ、水、砂糖を合せて、鷹の爪の輪切りと合わせてひと煮立ちさせたところに玉ねぎを入れる。別に漬け込んだ鶏レバーは汁気をとって、小麦粉をまぶして少ない油で軽く揚げ、漬け汁に入れて2時間ほど漬ける。食べる時にミニトマトを添える。
 「たことなすの南蛮漬け」なすは、斜めに小さく切って、塩をふり、水気が出たらキッチンペーパーなどでふき取る。フライパンに薄くサラダ油をひいて、なすを素揚げにして、油をよく切っておく。ゆでだこは、ぶつ切りにして、にんにくのすりおろし、しょうゆ、アンチョビーペーストを合わせておいて、たこのぶつ切りによく混ぜて下味をつけておく。これを小麦粉をつけてから揚げ、鷹の爪 細切り、酢、酒、砂糖、しょうゆを合せた漬け汁に漬け込み、食べる前に大葉の細切りとレモンを絞って、よくかき混ぜてから器にうつしてからいただく。
 「かじきまぐろのソテーサラダ」かじきまぐろは、水気をキッチンペーパーでとってから、塩とコショウを両面にまぶし、小麦粉をふる。お皿にプリーツレタスをちぎってのせ、細切りにしたきゅうりとセロリ、赤・黄色のパプリカ(ピーマン)をのせておく。フライパンにオリーブオイルをひいて、かじきまぐろを両面ソテーして、軽くこげ目がついたところで、市販のぽんずしょうゆをかけて、好みで白ワインビネガーを加えて仕上げ、お皿の野菜の上にのせて、フライパンに残ったぽんずしょうゆを野菜にもかける。最後にレモンをきつく絞ってできあがり。
 「うす切り豚肉ときのこのマリネ」玉ねぎは、うす切りにして、水に放ち、水気をよく切っておく。漬け汁をつくる。ボウルにりんご酢、塩、砂糖、オリーブオイルをよく混ぜ合わせ、玉ねぎと合わせる。まいたけは大きめにほぐして、エリンギは横半分にして4つくらいにさく、にんにくはみじん切りにし、フライパンにオリーブオイルをひいてにんにく、きのこを軽く炒める。豚ロースうす切り肉は、小麦粉をつけて、少量のオリーブオイルでソテーし、食べやすい大きさに切り漬け汁に加え、冷ましてから3時間ほど漬けてからいただく。

 

(食文家)

参考文献
コムギ粉料理探究事典 岡田 哲 東京堂出版
南蛮料理のルーツを求めて 片寄 眞木子 平凡社




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