小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

「小麦粉だんご」欧州編

ひらの あさか

チェコ名物「クネドリーキ」
 チェコで温かいシチューや肉料理などとともに、添えられてくるのが「クネドリーキ」。またの名を「チェコダンプリング」。スープの浮き実で登場することもあります。
 つくり方は、さまざまありまして、小麦粉に牛乳、卵黄を加え団子状にして、ゆでたり、蒸したりするもの。小麦粉にイースト、砂糖を加え1~2時間休ませてから棒状にしてゆでるもの。はたまた、小麦粉とゆでたじゃがいもとすりおろしたじゃがいもを合わせて、塩を加えてゆでたものと、いろいろな形があります。
 その名前は団子や餃子?という意味になりますが、見た目は「蒸しパン」「小麦粉だんご」。浮き実に使われるものを食してみれば、さしずめ「すいとん」といったものです。
 「クネドリーキ」は、あくまでも添え物ですが、メインディッシュの「グラーシュ」という香辛料の効いた肉の煮込み料理に欠かせないものです。
 まずは「グラーシュ」をつくる。玉ねぎはみじん切り、牛肉には塩、コショウをする。鍋にバターを溶かし、弱火で玉ねぎをあめ色になるまでしっかり炒め、次いで牛肉を入れ、表面が焼けたら赤ワインをふりかけ、アルコール分をとばす。ここに小麦粉を加えさらに炒め、お湯で溶かしたブイヨン、トマトペースト、ローリエ、キャラウェイ、パプリカ、塩を加えて煮立て、煮立ったら、弱火で肉が柔らかくなるまで煮込む。この間に「クネドリーキ」をつくる。小麦粉生地をよくこねて、ロール状にしてゆでる。それを輪切りにして、「グラーシュ」と同じお皿に塩漬けキャベツなどとともに添える。
 「クネドリーキ」は、肉汁をたっぷり含んだソースを吸い取ってくれる役割をはたしてくれるありがたい食べ物で、そのむかし、17世紀頃まだスプーンを使う習慣がなかった時代に、手づかみでおいしいソースを最後まで残さずいただくための知恵だったようです。
 「スィートダンプリング」そうです。スイーツもあります。じゃがいもは、ゆでてよくつぶす。ここにバター、砂糖、卵黄を加えてよく混ぜ、小麦粉をふるって入れ、生地を仕上げる。生地は、ほぼピンポン玉くらいの大きさになるくらいの量を手のひらにのせ、好みのジャムを挟み丸める。お湯を沸かし、丸めたダンプリングをゆでて汁気をよくきる。フライパンでパン粉をキツネ色になるまでから炒りして、ゆで上がったダンプリングによくまぶして仕上げる。


ハンガリーの「ダンプリング」
 ハンガリーの「チキンのパプリカ煮込みダンプリング添え」鶏むね肉は食べやすい大きさに切り、塩、コショウをする。玉ねぎはみじん切りにする。鍋にサラダ油入れ、玉ねぎをよく炒め、次いで鶏肉を炒め、パプリカをふりかける。ここへカットトマト、水を加えてゆっくりやわらかくなるまで煮る。サワークリームと小麦粉をだまにならないように混ぜて加えてひと煮立ちさせる。味が足らないようなら、塩とコショウを加えて味を整える。チキンを仕上げる間にダンプリングをつくる。小麦粉に、卵、塩を入れ、牛乳を徐々に加えながら耳たぶくらいのやわらかさになるまで練る。お湯を沸かして塩を加え、生地をちぎって落としてゆでる。生地が浮き上がったら、引き揚げ、水に放ってから水気をよくきる。ダンプリングとチキンの煮込みを器に盛りつけ、サワークリームをふりかける。


ドイツの「クネーデル」
 ドイツの小麦粉だんごは「カルトッフェル・クーヘン」。じゃがいもは、ゆでて裏ごす。熱いうちにバター、砂糖を加えてよく混ぜる。
 よく混ぜたら、卵黄を加え混ぜ、小麦粉をふるって、ここに入れ生地を仕上げる。生地にアプリコットジャムを挟んで、直径で3センチくらいの大きさにして丸める。お湯を沸かし、丸めたクネーデルをゆでて汁気をよくきる。フライパンにバターをひいてパン粉をキツネ色になるまで炒める。ゆで上がったクネーデルにパン粉をよくまぶせばでき上がり。


オーストリアの「クネーデル」
 まずは、スープ仕立ての「レバークネーデルスッペ」牛レバー入りクネーデルスープ。
 牛レバーは細かく切る。おだんごのベースは残ったパンとパン粉を使う。固くなってしまったパンはちぎって牛乳でふやかしておく。これを卵とともにミキサーにかける。玉ねぎとパセリは、みじん切りにしてバターで炒め、塩、コショウで味を整え、レバーと合わせる。パンの生地と具材を加えて、パン粉を足しながら丸める。ビーフコンソメでスープをつくり、丸めた生地を火に通して仕上げる。
 オーストリアの伝統的なデザート「クネーデル」。まず、生地をつくる。水気をよくきったカッテージチーズにバター、卵、レモンの皮はすりおろして、塩少々を加えよく混ぜる。ここへふるった小麦粉を加えてさらに混ぜ、生地をまとめて30分から1時間冷蔵庫でねかせ、直径4センチほどの大きさに丸め、中にブルーベリージャムを挟む。たっぷりと湯を沸かして塩を加え、丸めたクネーデルをゆでる。フライパンにバターをひいて、パン粉がキツネ色になるまで炒める。ゆで上がって水気をよくきったクネーデルに炒めたパン粉とシナモンシュガーをよくまぶす。

 
(食文家)
参考文献

各国大使館発「世界の食卓」ヨーロッパ編

   
食紀行の会・家の光協会/オーストリア    

日清製粉グループ 小麦粉博物誌

   
パンのこぼればなし
http://www.nisshin.com/study/history/bread/details/016.html

J-MILK 世界の料理レシピ・ハンガリー

   

http://www.j-milk.jp/recipes/8d863s000000y0sk.html



*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。