小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

「おかずパン」(1)

ひらの あさか

「日本でつくられた初めてのパン」
 時は幕末、日本には外国の軍艦が来航する中、いつ攻めてこられるかわからない不安をかかえていました。
 その頃、伊豆は韮山の代官であり、軍学者でもあった江川太郎左衛門は、ヨーロッパ式の兵法を研究していました。もし本土防衛戦になったら、ごはんを炊いていては間に合わない、長期保存がきき、携帯に便利なパンを採用、開発に取り組みました。 
 ちょうど彼の師である高島秋帆のところに作太郎という長崎のオランダ屋敷で料理人として働き、製パン技術を覚えたという人物がいて、この作太郎を伊豆韮山の屋敷に呼び寄せ、焼き窯をつくり「兵糧パン」を焼き上げたのが、天保13年(1842年)4月12日。これが日本でパンが初めて焼かれた記念すべき日といわれ、パン食普及協議会は、この日を「日本のパン発祥の日」として、パンの記念日と名づけ、また、毎月12日をパンの日と定めました。

日本のホットドック発祥は?
 アメリカ生まれのホットドックが、日本に登場したのは1934年(昭和9年)11月。アメリカ大リーグの強打者ベーブ・ルースの来日で大いに盛り上がった日米親善野球大会といわれています。
 当時神戸に住んでいたドイツの食肉マイスターのヘルマン・ウォルシュケさんが、甲子園球場で行われた親善野球大会で、ホットドックを販売したのがきっかけでした。
 残念ながら、その当時、ホットドックを買って食べたのは、野球を観戦していた外国人がほとんどで、日本人の中には、中身を捨てパンだけを食べていた人もいたといいます。いかに食習慣がなかったとはいえ、もったいない話です。
 「プレーンドック」元祖「ホットドック」には、ソーセージのほかに余分な具は入っていない。ドックパン(ホットドック用のパン)は、中央に切り込みを入れ、焼き色がつかない程度に焼く。ソーセージはフライパンで少量の油を落とすか、油をひかずにこげないように皮がパリッとするまで焼く。ドックパンを開いて、ソーセージを挟み、好みでトマトケチャップ、マスタードをかけ、熱いうちにいただく。
 「あっさりホットドック」プレーン同様にドックパン、ソーセージを焼き、甘口でないピクルスを刻んだレリッシュ、玉ねぎのみじん切りをのせ、たっぷりとマスタードを効かせ、好みでチリソースをかける。
 「ホットドック・ドイツスタイル」粗引きのソーセージはゆでて水気をきっておく。ドックパンを焼き、内側に粒マスタードをぬり酸味が効いて、キャラウェイシードがたっぷり入ったザワークラウトをはさみ、ソーセージをはさむ。

懐かしの「おかずパン」
  「焼きそばパン」フライパンにサラダ油をひいて、キャベツの細切り、ひき肉を炒め、塩、コショウを入れる。ここへほぐした中華めんを加えてさらに炒め、ウスターソース、しょうゆ少々で味つける。ドックパンを焼いて、切り込みを入れ、たっぷり焼きそばをはさみ、上に青のりかけ、紅しょうがのせる。
 「コロッケパン」キャベツはせん切りにする。コロッケは温めて、ソースをからませる。焼いたドックパンにからしを少々ぬり、キャベツをはさみ、コロッケをはさむ。
 「スパゲッティパン」は、ナポリタンをはさんだパン。スパゲッティはやわらかめにゆでる。フライパンにサラダ油をひいて玉ねぎの薄切り、ウインナソーセージの斜め切りの順に加え炒め、全体に火が通ったところでスパゲッティを加え、塩、コショウ、トマトケチャップで味つける。ドックパンを焼き、内側にバターを軽くぬり、ナポリタンをはさむ。好みにもよりますが、ケチャップはたっぷりめの方がおいしい。
 「マカロニパン」マカロニサラダをつくる。沸騰したお湯に塩を加えマカロニをゆで上げ水気をきる。きゅうりは薄切り、玉ねぎはみじん切りにして水にさらしてから水気をきる。ロースハムは細かく切る。ボウルに材料を合わせて、塩、コショウ、マヨネーズ、からしを加えてよく和える。ドックパンを焼き、内側にバターをぬってマカロニサラダをはさむ。

「おかずパン」2種
 「チリコンカンサンド」鍋にオリーブオイルをひいて、玉ねぎ、にんにくのみじん切りを入れ炒め、玉ねぎが透き通ってきたら、合いびき肉を加えてさらに炒め、塩、コショウ、チリペッパーで味つけ、小麦粉を加えてしっとりするまで炒める。ここへ赤ワイン、ホールトマトはつぶしながら入れ、ドライタイプのミックスビーンズを加え汁気が少なくなるまで煮込んでいく。ロールパンは中央に切り込みを入れ、オーブントースターで軽く温めて内側にバターをぬり、煮込んだチリコンカンをはさむ。
 「かぼちゃとレーズンサンド」かぼちゃは種とわたをとり、3cm角くらいに切って、耐熱容器に入れ、水少々を加え、ふたをして電子レンジで加熱し、水気をぬいてからヘラでつぶして、レーズン、シナモン(粉)を加え、プレーンヨーグルト、フレンチドレッシング、マヨネーズ少々にレモンをしぼってよく和える。ロールパンに切り込みを入れてからオーブントースターで軽く焼いて、オリーブオイルを内側にぬって、和えたかぼちゃとレーズンをはさむ。

(食文家)
参考文献

パン食普及協議会 「パンのはなし」
http://www.fsic.co.jp/food/pan/default.htm
Pascoホームページ「パンのまめちしき」
http://www.pasconet.co.jp/index.html
美味しいホットドックの話
http://www.dog-lover.jp/index.html





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