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クスクスって何?
                       ひらの あさか

クスクスとは

 クスクスは、硬質小麦のデュラム小麦からつくる粒状のパスタのことです。手づくりのものは、小麦粉生地をこねて、網でこす作業を何度も繰り返すことから、最小のパスタとも呼ばれています。
 北西アフリカでは「いちばんよい食べ物」「食事」を意味する言葉として使われています。アルジェリア、モロッコ、チュニジアなどをはじめとする、アフリカの地域から、中東の地域、またこの地域の人々から伝えられたといわれるイタリアやフランスなどヨーロッパからブラジルに至るまで、広い範囲で愛されているクスクスは、現在ではデパートのおかず売り場などでも見かけるようになった人気の料理です。


クスクスを用意
 本家の北アフリカでは、クスクスは二段重ねの蒸し器で蒸します。若干手間はかかりますが、ボウルに1人あたり80~100gの乾燥クスクスを入れ、クスクスとほぼ同量の水を加えて手でよく混ぜて吸水させ、3分程おく。蒸し器の上の段にクスクスを入れ、蒸気の上がった下段の上に重ねて10分程蒸す。蒸し上がったクスクスにバター小さじ1、またはオリーブオイル大さじ1を加えて塩少々を加えて仕上げる。つくり方はさまざまなので、およその目安としてください。
 簡単に仕上げるなら、クスクスと同量の熱湯を用意して、ボウルにクスクスを入れて熱湯を加え、蓋をして5分程蒸らす。オリーブオイル大さじ1を加えてよく混ぜ、塩少々を加えて仕上げる。
 何といっても、イスラム圏は食習慣と食の掟によって、豚肉はご法度のお国柄なので、メインの料理に使用するお肉は、制限つきの羊の肉に、牛肉、鶏肉を用います。また、野菜だけを使ったもの、豆類などをあわせたものなど至ってライトな感覚の料理が並びます。


クスクスのメイン料理
 ここからは、食材制限なしのクスクス料理を紹介します。


「鶏肉と野菜のクスクス」
 鶏もも肉1枚は大きめのひと口大に切る。にんじん、ズッキーニ1本、パプリカ赤1個は食べやすい大きさに切る。かぼちゃとにんにくは薄切りにする。深めのフライパンにオリーブオイルを加えて、にんにくを炒めて取り出し、ここに鶏肉を入れて炒めてきつね色になったところで取り出す。同じフライパンで野菜を炒めて、チキンブイヨン、ホールトマト、ローリエを入れ鶏肉、にんにくも戻し入れて汁気が少なくなるまでじっくり煮込み、塩、こしょうで味を調える。蒸らしたクスクスは器に移して、煮上がった鶏肉と野菜の煮込みをたっぷり添える。


 「シーフードとクスクス」
 えびは背わたを取る。小さめのいかは輪切りにして、あさりはよく洗う玉ねぎとセロリ、パセリはみじん切りにする。鍋にオリーブオイルを入れて玉ねぎを炒める。ここに野菜、塩、水、クミン、ターメリック、黒こしょうなど好みのスパイスを加えて煮て、続いてシーフードを加えて煮込んでいく。器に蒸らしたクスクスを移して、シーフードの煮込みをかけていただく。


 「ラムチョップのクスクス添え」
 ちょっと和風テイストなひと皿。ラムチョップはにんにくのすりおろし、しょうゆ、コリアンダー、カレー粉などの調味料をまぶしておく。10分程おいたラムチョップは、フライパンにバターを溶かして調味料ごと両面をこんがりと焼く。蒸したクスクスは、チキンブイヨン(水にチキンブイヨンを混ぜて煮た物)、ガラムマサラなど好みの香辛料を加えてさっと火を通す。お皿にクスクス、ラムチョップをのせて香菜を好みで上にちらす。


クスクスのサブおかず
 「クスクスのタブレサラダ」
 宝石箱のようなサラダです。パプリカの赤、黄色、きゅうり、トマト、紫玉ねぎはすべて細かい賽の目状に切って、塩、レモンの絞り汁をかけておく。蒸して粗熱を取ったクスクスと野菜を合わせてよく混ぜ合わせる。このまま器に移してもよいのですが、おしゃれに仕上げるならばセルクル(型)に入れてお皿に盛りつけて好みでミントの葉をちぎって上にのせる。


 「クスクスのミモザサラダ」
 卵で固ゆで卵をつくり、粗熱が取れたら卵白と卵黄に分けて裏ごしておく。玉ねぎ、パセリはみじん切りにして、玉ねぎは水にさらして水気をきる。市販のフレンチドレッシングにさらした玉ねぎを加え、レモンを絞る。蒸して冷ましたクスクスに玉ねぎ入りドレッシングを合わせてパセリと裏ごししたゆで卵を加えて、さっくりと合わせ、塩、こしょうで味を調え、レーズンをちらす。


クスクスのスイーツ
 「アーモンド味のクスクススイーツ」
 熱湯で浸すクスクスを、熱い牛乳で浸してほぼ同じ工程でクスクスを蒸らす。ここにバター、バニラエッセンスとシナモンパウダー、砂糖、アーモンドプードルの順にさっくり混ぜていく。小さいボウル状の器にクスクスを移して、アーモンドを砕いて上にのせて、はちみつを円を描くようにその上にかけ、スプーンでかき混ぜながら食べる。
 
  (食文家)
参考文献
世界の食文化10  アラブ       農文協
クスクスの謎   にしむらじゅんこ  平凡社


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。