小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

「パンケーキ」が食べたい
                       ひらの あさか

パンケーキとは?

 パンケーキの「パン」は平鍋を意味するものです。フライパンなどで焼いた平焼き(ケーキ)ということになります。フランス語の「パケヌ」が、英語圏のパンケーキにあたります。
 基本的には、小麦粉、卵、牛乳にベイキングパウダーや重曹など膨張剤を加えて溶いた柔らかい生地を薄く焼き上げ、2層から3層くらい重ねて、バターやメープルシロップ、はちみつ、クリームや果物、甘いソースをかけたスイーツタイプのもの、ハムやソーセージ、ベーコン、野菜などを添えた主食になるものまであります。
 パンケーキとホットケーキは、どう違うの?と問われたら、一般的にホットケーキはパンケーキの生地に砂糖など甘味を加えて、フライパンなどで円形に焼いたもので、生地自体が甘くて、厚みのある焼き方にしたものだといわれています。まれにパンケーキに若干の甘味を入れることもあります。


日本のパンケーキ
 日本でパンケーキということばが出てきたのは明治時代のこと「パンケーキなるもの」ということで雑誌に紹介されたそうです。下って、1950年代にパンケーキをメニューとして取り上げたのが帝国ホテルです。現在も珠玉のパンケーキは、3層に重ねられ、バター、シロップにいちごが添えられています。
 また、ファミリーレストランでパンケーキといえば思い出すのが、ロイヤルホスト。1970年代後半に福岡のロイヤルの前身の洋食店でパンケーキを提供したのが始まりで、現在も大人気です。ほどよい厚さのパンケーキは3層になっていて、焼きたてをバターを溶かしつつ切り分けて、シロップをたっぷりかけていただきます。
 このところ、パンケーキはかなり人気で、王道ホテルのラウンジでいただくパンケーキから、パティシエのつくるパンケーキ、パンケーキの専門店も続々出店しています。


パンケーキの日
 キリスト教で四旬節という期間があります。この間には、肉を始め、脂肪、卵、牛乳など動物性食品を絶つ期間でその前日がパンケーキ・デーにあたります。卵やバターをいつもよりふんだんに使ってパンケーキを焼き、40日あまり続く四旬節に入る前の祝祭となっていたようです。
 また、同日にイギリスでは奇妙なレース行われたといいます。フライパンを持った女性たちが、教会の鐘の音を合図に走り出す。もちろん、フライパンの中にはパンケーキがのっていて、ゴールするまでに何度かパンケーキを空中に投げ、受け止めるという動作を繰り返すという過酷なレースで、勝者には牧師さんからの祝福が受けられたそうです。


パンケーキいろいろ
 まずは、お食事パンケーキ「エッグベネディクト風パンケーキ」
 小麦粉、卵、牛乳にベイキングパウダー、重曹、塩少々を合わせたパンケーキ生地をフライパンにバターをひいて直径7~10㎝になるように流し、中火で両面をきつね色にひとり当たり3枚焼く。オランディーヌソースは、溶かしたバターに卵黄、マヨネーズ、酢、レモン汁の順にバターになじませるように合わせる。ベーコンは好みの厚さに切って焼く。半熟のポーチドエッグをつくり、3層のパンケーキの上にベーコン、ポーチドエッグをのせて、オランディーヌソースをたっぷりかける。半熟のポーチドエッグとソースがよく混ざり合って絶妙な一皿です。
 

 
「ソーセージとキャベツたっぷりのパンケーキ」
 キャベツはせん切りにし、玉ねぎは薄切りにして水にさらす。水気をきったキャベツ、玉ねぎは、オリーブオイル、粒マスタード、市販のぽんずしょうゆを合わせたドレッシングと合わせてしんなりさせる。パンケーキは直径10㎝くらいのものをひとり2枚ほど焼く。好みのロングタイプのソーセージを焼き、パンケーキにサワークリームなどをのせ、ソーセージと和えたキャベツ、玉ねぎをたっぷり添える。


 「サラダのせパンケーキ」
 パンケーキは好みの大きさでひとり2枚焼く。リーフレタス、ルッコラ、ベビーリーフ、プチトマトなどお好み野菜を用意して、オリーブオイル、黒コショウ、バルサミコ酢、塩で味をつけたドレッシングでさっくりと和える。パンケーキに和えた野菜をちりばめて、生ハムをのせ、好みでパルメザンチーズをふる。


 スイーツタイプの「チョコパンケーキ」
 パンケーキ生地に砂糖、ココアパウダーをプラスして、生地を直径10㎝くらいにひとり3枚焼いて皿に移し、市販のチョコレートソースに好みでラム酒を混ぜてから上にかけて、ラズベリー、ブルーベリーなどを飾り、ホイップクリームを添える。


 「煮りんごがけパンケーキ」
 りんごは皮をつけたまま薄いくし形切り、芯は取り除く。フライパンにバター、砂糖を入れて溶かし、りんごを加えて焦がさないようにゆっくり炒めて、白ワイン、砕いて炒ったアーモンドを加えて、最後に生クリームを加えて軽く和えて火を止める。パンケーキ生地に砂糖を加えて直径15㎝くらいのものをひとり2枚焼く。焼きたてパンケーキに煮りんごをかけて、好みでシナモンパウダーをふる。煮りんごは冷ましてもいいですが、あたたかいうちにパンケーキにかけてあつあつを食べるのもおいしい。


 
  (食文家)
参考文献
パンケーキの歴史物語  ケン・アルバーラ 関根光宏訳  原書房
古きよきアメリカンスイーツ          岡部史  平凡社


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。