小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

ラスクとフレンチトースト
                       ひらの あさか

ラスクとは?

 ラスクは、硬くて水分の少ない二度焼きしたパンをさしますが、ドイツ語ではzwiebackフランス語ではbiscotte。
 二度焼きと聞いて思い出すのが「ビスケット」。英語のruskの意味はtwice‐baked breadつまり、biscuitに行き当たる言葉になるのです。ちなみにrusks for babiesとは、研究社新英和中辞典によると乳児に与える(歯固め)ラスクという意味になります。ラスクは消化もよいことから、病人食や育児食として親しまれてきたようです。


昭和の思い出ラスク
 中村屋がラスクの販売を始めたのは、昭和6
(1931)年のこと。売れ残ってしまったパンを苦心の末ラスクにして販売。当時市場で1斤70銭近くする高価なパンを再利用し、パンが残ったときだけに販売したラスクは、パンの原価に近い値段で売られたため、店頭に並ぶとあっという間に売り切れになってしまったそうです。今でいえば、とてもエコな考え方だったわけです。
 下って昭和40年代に売られていた中村屋のラスクは、ちっちゃな食パンのような形でした。甘すぎず、かりっとした歯触りで、ついつい1袋を一気に食べてしまうものでした。


平成ラスク
 いま巷で人気のラスクは、フランスパンを焼き、薄く切ってからバターをぬって、グラニュー糖やメープルシロップなどをまぶした甘口なもの、ガーリックやスパイスを効かせた辛口のものまであり、昭和にはなかったオシャレな味と種類、形もキューブ状のものまであり進化しつつあります。


おうちでラスク
 まずはオーソドックスな食パンを使った「ぶどうパンのラスク」
 ぶどうパンは6枚切りを3枚用意して耳を切って1枚を4つになるように切る。無塩バターは室温にもどし、柔らかくする。天板にオーブンシートを敷いてオーブンを温めてから重ならないようにパンを置いて両面をかりっとするまで焼く。バターとメープルシロップを合わせてクリーム状になるまで混ぜてから、焼いたパンの上にする部分はたっぷり、下の部分はさっとぬり、さらにオーブンで焼く。

 「ピーナッツ味のラスク」
 食パン8枚切り4枚は耳を切って縦に4等分のスティック状に切る。無塩バター、ピーナッツバター、三温糖または、砂糖を合わせ、柔らかくする。
 同様に余熱したオーブンで両面を焼いてから、ペーストを両面にぬって、さらにオーブンで焼く。

 「耳ラスク」
 切り落としたパンの耳は食べやすい大きさに切り、オリーブオイル、ガーリックパウダーをまぶして余熱で温めたオーブンでかりっと焼き、好みで七味唐辛子をふる。甘口がお好みならば、パンの耳にオリーブオイルとシナモンシュガーをまぶして、余熱で温めたオーブンで焼きます。

 フランスパンで「甘辛しょうゆラスク」
 フランスパンは薄く切る。無塩バター、砂糖、水、しょうゆを柔らかくしておき、余熱したオーブンでパンの両面を焼いてから、ペーストを両面にぬって、さらにオーブンで焼く。


フレンチトースト君の名は
 その名はフランス語で「パンペルデュ(Pain Perdu)」失われたパンという意味ですが、どっこい、再生してなおおいしくいただけるお菓子パン、おかずパンです。最近日本でも人気復活の兆しがあります。
 
 
オーソドックスな「食パンのフレンチトースト」
 4枚切りくらいの厚さの食パンは半分に切り、牛乳、卵、砂糖に浸す。厚めのフライパンに無塩バターを入れ、浸したパンを焦がさないようにふっくらと両面を焼き、器に移す。好みでグラニュー糖をかける。

 フランスパンでつくる「柑橘風味のフレンチトースト」
 フランスパンは厚めに切って、牛乳、生クリーム、卵、グラニュー糖、オレンジリキュールを加えた液に浸す。フライパンにバターを熱してパンを両面焼いて器に移し、粉砂糖をふり、好みでオレンジマーマレードを添える。

 ブリオッシュタイプのパンで「ココア風味のフレンチトースト」
 パンは厚めに切っておく。ボウルにココアパウダー、砂糖を入れて熱湯を少しずつ入れて練るように溶き、次いで牛乳でのばし、溶き卵を加え、ラム酒を入れ、パンを浸しておく。厚手のフライパンでパンを焦がさないように両面焼き、器に移して市販のチョコシロップをかけて、好みでスライスアーモンドをちらす。

 イングリッシュマフィンで「おかずフレンチトースト」
 市販のイングリッシュマフィンは半分に切っておく。卵、牛乳、塩、コショウ、すりおろしたパルミジャーノチーズを合わせた液にマフィンを浸しておく。フライパンにバターを溶かしてマフィンを両面焼く。同じフライパンで好みのソーセージ、ベーコンなどを焼いて空いてるところでブロッコリーを子房に分けたものも焼いて塩、コショウ、で味を調える。マフィン、ソーセージは器に移す。プチトマトは半分に切ってサラダ油で炒めてしょうゆとバルサミコ酢で味を調えてマフィンに添える。


 
  (食文家)
参考文献

新宿中村屋ホームページ資料館 写真で見る中村屋


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。