小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

イギリスはやっぱりおいしい
                       ひらの あさか


今回は、イギリスに古くから伝わる小麦粉菓子、パンについて紹介します。


ブラウニー君の名は

 ブラウニー(Brownie)は、イギリスで親しまれ、アメリカに伝わって人気の焼き菓子となりました。ちょうどソフトクッキーとスポンジケーキの中間ぐらいの、外はサクサク、中はしっとりとした濃厚なチョコレートケーキです。くるみやナッツなどの木の実が入ったもの、ドライフルーツやチョコチップを入れたものなど、いろいろなバリエーションがあります。
 ブラウニーの名前の由来は、スコットランドをはじめ西洋に伝わる伝説上の妖精だといわれています。全体が茶色っぽいその容姿からブラウニー(茶色いやつ)と呼ばれるようになったとか。じつはこのブラウニーは民家に住み着いて、その家に富をもたらすなど、日本でいえばさしずめ座敷わらし的な存在なのです。例えば、夜中にこっそりと家事をしたり、人の手助けをするえらい妖精なのだそうです。


 基本的なブラウニーのつくり方は、
チョコレートは刻んで電子レンジで加熱して溶かしておく。無塩バターは室温でもどして、グラニュー糖と合わせ、卵を加えて泡立て器でもったりするまで混ぜて、ふるった薄力粉、ベーキングパウダーを加えて、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。溶かしておいたチョコレートを加え、全体を混ぜ合わせる。四角い型にオーブン用シートを敷き詰め、生地を流し入れて平らにならして、160度に熱したオーブンで40~50分くらい焼き、室温で冷ましてから四角く切り分ける。このチョコレートブラウニーをキューブ状に切って、バニラアイスクリームと、生クリームとグラニュー糖を加えて泡立てたホイップクリーム、季節のフルーツとともに添えたパフェなどもおいしい。最近はビターチョコレートアイスクリームの中にチョコレートブラウニーを細かく刻んで入れているアイスクリームが売られていたりします。
 

ショートブレッドとは
 「ショートブレッド(Shortbread)」スコットランドの伝統的な焼き菓子で、紅茶との相性がよく、円形に焼いて放射状に切ったもの、丸い形に抜いて焼いたもの、短冊形に切って食べやすくしたものなど、大きさ、形によってその呼び名も様々です。
 またその名の(short)は「サクサク、ポロポロする」を意味し、(bread)は、ご存じのようにパンですが、2つの単語を合わせると「バタークッキー」を意味することばとなります。


 材料、つくり方はいたってシンプルです。
フィンガータイプの「ショートブレッド」は、
長方形のスティックタイプのもので、小麦粉、無塩バター、グラニュー糖を使用。ボウルにふるった小麦粉、グラニュー糖を加えて混ぜる。無塩バターは冷蔵庫から出したばかりのものを小さい角切りにして小麦粉に混ぜ、手でかき混ぜて生地をひとつににまとめてラップに包んで冷蔵庫で20~30分生地を休ませる。オーブンを180度に温め、薄く小麦粉を台にふってねかせた生地を四角になるようにのばしていき、折り目のための筋を入れて、表面に何ヵ所か串で刺して、オーブンシートを敷いた天板に生地をのせて15分ほど焼く。このプレーンタイプの生地にチョコレートを合わせたり、紅茶の茶葉を細かく刻んで生地に合わせた紅茶フレイバーのもの、グラニュー糖の代わりにメープルシロップを加えたショートブレッドもおいしい。


シンプルなクイックブレッド
 膨張剤をイーストに替えてベーキングソーダ(重曹)を使った「ソーダブレッド(Soda bread)」は、イギリスの伝統的なカントリーブレット「クイックブレット」のひとつです。


 材料には、小麦粉、重曹、塩、牛乳を使い、レーズン、くるみなどのナッツ類を加えてつくられることが多い。
 つくり方は、薄力粉、ベーキングパウダー、重曹を合わせてふるい、ボウルに入れて塩を加え、好みで砕いたくるみ、レーズン入れて、牛乳を加えてよく混ぜ合わせる。小麦粉をふった台に生地をのせ、丸い形にしてまとめる。オーブンシートを敷いた天板に生地をのせて、上部にい十字の切れ目を入れてオーブンで30分ほど焼く。食べやすい大きさに切って、マーマレードやジャム、ソーセージを焼いて添えれば、おいしい朝食に。その昔「ソーダブレッド」は、暖炉につるした厚い鉄鍋に生地を入れて蓋をしてゆっくりと焼いたものだったようです。


 焼き立てよりもむしろ、ひと晩おいてねかせてから食べた方がしっとりとしておすすめなのが「ジンジャーブレッド」。
 無塩バターは室温にもどしておく。薄力粉とべーキングパウダーはふるう。ボウルにバターとブラウンシュガーまたはメープルシロップを合わせてふんわりとするまでかき混ぜて、卵を加えて混ぜて、次にふるった粉を入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜて、牛乳、しょうがのおろし汁、好みでシナモンなどのスパイスを合わせてよく混ぜる。この生地をオーブンシートを敷いた型に流し込んで、160度くらいの温度にしたオーブンで40分くらい焼く。
 
  (食文家)
参考文献
イギリスのお話はおいしい。     白泉社


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