小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

思い出の昭和の食卓
                       ひらの あさか
 今回は、記憶に残っている小麦粉を使った昭和のレシピを紹介します。


ハレの日のサンドイッチ

 家でつくるサンドイッチは単純にゆで卵をつぶして、マヨネーズ、辛子で和え、薄切り食パンにバターをぬって挟んだ「卵サンド」。また変わり種では、市販の焼き豚を薄く切ったもの、きゅうりの斜め薄切りにたれをよくまぶし、薄切り食パンにバター、辛子をぬって挟んだ「チャーシューサンド」などが記憶に残っています。
 誕生日などハレの日に食べたサンドイッチは、ラップの上に花をかたどったハムやゆでたにんじん、葉をイメージしたさやえんどうなどを配置して、薄切り食パンは耳を落としてマヨネーズをぬり、手づくりのポテトサラダを挟み、くるっと巻いた「花畑サンド」。薄切り食パンの耳を落としてバターをぬり、のりをパンの大きさに揃えてのせ、プロセスチーズを棒状に切って巻いた「のりチーズサンド」などが食卓を彩っていました。その頃はまだスライスチーズや、ぬるチーズなどという小じゃれたものはなかったので、チーズといえばプロセスチーズの時代でした。もちろん、食パンの切り落とした耳の部分はもれなくサラダ油などで揚げ、グラニュー糖をふりおやつにいただきました。この耳は奪い合って食べたものです。


お昼の定番・めん類
 四季を通してお昼はめん類が多かったように記憶しています。


「煮込みうどん」
かつおぶしでだしを取っただし汁に、煮切ったみりんと清酒、しょうゆを加えたつゆを小鍋に移し、玉ねぎの薄切りと豚こま切れ肉に火を通して、市販のゆでうどんを入れて煮込む。小松菜を切り揃えて入れ、最後に卵を落とす。半熟ぐらいがベストなのですが、なかなかタイミングがつかめず、ウェルダンになることも多くありました。たいがい卵は最後に食べるので、つゆの中で浮いているうちに黄身がかたくなり、ウェルダン。最後に食べる段階で半熟というのがしあわせの瞬間でした。


冬でも「ひやむぎ」
ひやむぎは夏場以外でも常備していました。ひやむぎはゆでてさっと洗い、水気をきる。つゆも今と違い、市販のつゆはあまり存在していなかったので、自家製でした。家のつゆは、今の市販されているような甘さが強いものではなく、しょうゆとかつおぶしの効いたオトナの味でした。天ぷらは好きな具を選び自家製めんつゆ、薬味はねぎ、すりおろししょうが、みょうがなどでした。大ぶりな碗につゆ、薬味を入れ、ひやむぎにつゆをつけて食べ、3回目くらいから天ぷらを投入して、つゆに味を含ませて食べ、次いで天ぷらの味のしみたつゆでひやむぎをいただくというのが格別でした。


野菜たっぷりな「やきそば」
蒸し中華めんと同じくらいのボリュームの野菜を使った「やきそば」は日曜の昼によく食べていました。キャベツのざく切り、しいたけの細切り、玉ねぎの薄切りをフライパンにサラダ油を加えて炒め、塩、こしょうをふる。中華めんを入れて、もやしを大量に投入し、フライパンに蓋をして蒸らす。最後にウスターソースをかけて全体をよくかき混ぜる。その時分、もやしは今のような袋売りではなく、八百屋さんの店先の大きなバケツの中に水がはってあり、その中に入っていて、小さなざるにもやしを入れ、水気をきってグラム売りしていました。しかし、実際はそのざる1杯でナンボの世界だったような気がします。アバウトでいい時代でした。


週末のギョウザ
 
週末のギョウザは一度に150個はつくるのでひと仕事でした。キャベツとにんにくはみじん切り、キャベツは洗って水気を切って、にんにくとともに豚ひき肉と合わせ、ごま油、しょうゆを加えてよく混ぜる。これを市販の皮で包み、できたそばからフライパンで焼き、しょうゆ、酢、ラー油を小皿に合わせ、つけて食べる。この日は、ひたすらギョウザのみを食べていました。また後年、赤ワインが手に入るようになったとき時に、にんにくのみじん切りを赤ワインにひたして30分程置いて汁気をきってひき肉に混ぜたところ、風味はそのままに、においは残らないという発見がありました。オトナになって、同じ赤ワインを飲みつつギョウザを食べると、翌日にんにくのにおいが残らなかったので以来、我流ですが、この食べ方が続いています。


魚と肉のおかず
 ちょっとハイカラな和洋折衷の魚料理といえば「鮭のムニエル」。
生鮭切り身は塩、こしょうをふっておく。水気をふいて小麦粉をまぶす。フライパンにバターを焦がさないように熱し、鮭を両面焼き、みりん、しょうゆを加えて味を調えて、最後に好みでレモンを絞る。つけ合わせには、キャベツのせん切りとマカロニサラダを添える。


「マカロニサラダ」
にんじん、玉ねぎは細かく切って、細く短いマカロニと一緒に塩を加えた湯でゆでる。きゅうりはいちょう切りにして軽く塩でもむ。具材を合わせてマヨネーズで和え、塩とこしょうで味を調える。


「豚ヒレ肉のとんかつ」
豚ヒレ肉はひと口大に切って塩、こしょうをふり、小麦粉、卵にパン粉をつけてサラダ油で揚げ、ウスターソースをかける。つけ合わせには、キャベツのせん切り、ゆでスパゲッテイは、玉ねぎ薄切り、ベーコン細切りと炒めてケチャップを加えて炒めた「簡単ナポリタンサラダ」を添える。
 
  (食文家)


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