小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

昭和の小麦粉おやつ2
                       ひらの あさか
 
懐かしのベビースター

 今も昔も小腹が空いた時に打ってつけのスナック菓子といえば「ベビースターラーメン」。
 その誕生は何と昭和34年(1959)年。「ベビーラーメン」という名で売り出されました。即席ラーメンを作る工程でこぼれおちたラーメンのかけらに、チキン風味をつけて社員のおやつとして配ったのがその始まりだったとか。

 同社からは、爆発的なヒットを飛ばしたカップ入りのミニラーメン「ブタメン」が1993年に発売され、お腹を空かした小中学生の男の子たちが放課後、コンビニの外で黙々と「ブタメン」を食べている光景をよく目にしたものです。


 その後2007年、ちょっとしたオシャレな「フランスパン工房」が発売。まるでラスクのようなフランスパンを薄くスライスして、グラニュー糖をかけて焼いたものにバターの風味を効かせたものです。シュガーバター味の薄焼き「フランスパン工房」は、ラスクというよりフランスパンチップスです。



王者「かっぱえびせん」

 昭和39(1964)年、東京オリンピックの年にデビューした「かっぱえびせん」。小麦粉やでんぷんを合わせた生地に、生のえびを数種類合わせて、頭からしっぽまで全部使い、ミンチ状にしてから練り込み、生地を蒸しながらこねてのばし、生地をカットして乾燥させ、塩と少量の油を吹きかけて煎る。えび好きにはたまらない香ばしいえび味の「やめられない、とまらない」スナック菓子です。その昔は生地に横縞が深く刻みこまれていて、そこだけ調味料がしみ込んでいておいしく、袋の底からそのしわしわの「かっぱえびせん」を探しまくったものです。
 下って昭和47(1972)年、またしてもオリンピックイヤー札幌オリンピックの年に「サッポロポテト」が昭和49(1974)年には「サッポロポテト・バーベキュー味」が発売されました。いずれもかっぱえびせんの兄弟分で小麦粉、じゃがいもをベースとした生地でつくられた食べやすいスナックでした。
 また、ほぼ同時期の昭和46~48年には「仮面ライダースナック」。昭和48年には「プロ野球スナック」が発売されて、袋の中に入っているカード集めたさに思わず買占めたくなってしまった時期がありました。


それにつけてもおやつは
 
「それにつけてもおやつはカール」のキャッチフレーズで一世を風靡したのが、コーンベースの生地でつくられた「カール」。発売されたのは、昭和43(1968)年。チーズとチキンスープ味がありましたが、チキンスープ味が珍しく、子どもの頃に好んで食べていました。
 このほど平成28年にデビューした限定「堅焼き仕立て 大人の贅沢カール<濃厚炙りチーズ味>」は、カリッとした歯ごたえがいつもと違う小麦粉ベースのスナック菓子です。昔食べていたカールとは、一線を画した趣きのあるオトナのチーズ味で、見た目もちょっと小ぶりで量もほどよく、ついつい手がのびてしまいます。


「プリッツ」と「ポッキー」
 そんなに甘くなく、クラッカーのような、ビスケットのような口当たりの「バタープリッツ」。その名は小麦粉ベースの生地を使った「プレッツェル」が由来とか。発売は、昭和38(1963)年です。また「プリッツサラダ」は塩味のプリッツです。今も人気のあるお菓子の「サラダ味」の「サラダ」を意味するものは、お菓子の生地にサラダ油かけて塩味をつけたものといわれていますが、そもそもこれら「サラダ」を表わすことばは、「塩」を意味するラテン語「sal」に由来するとされ、塩のソルトから転じて「サラダ」になったという説もあります。


 それまでも人気だった「プリッツ」の姉妹品ともいえる「ポッキー」が発売されたのは昭和41(1966)年のこと。ネーミングはズバリ食べた時の「ポッキンポッキン」とはじけるような音感触から「ポキポキポッキー」とコマーシャルにもあったように、軽快な商品名です。

 それまでのチョコ菓子は、チョコが溶けて手が汚れるので嫌われがちでした。さりとて個別の包装もコストがかかる。そこで持ち手部分にチョコをかけずに気軽に食べれる「ポッキー」は好評を博したのでした。

 そこに目をつけたのがスナックや、きれいなおねえさまのおいでになるクラブなどです。「ポッキー・オン・ザ・ロック」などというものも流行した時期があります。飲み物とともに供されるおつまみでした。スナックでスナックが定番なのは分かりますが、ウヰスキーの水割りなど、マドラー代わりに「ポッキー」を使うのはいかがなものかと思っていたのは、私だけではないはずです。
 
 11月11日は「ポッキー、プリッツの日」。かなり無理矢理ですが、棒状のお菓子の代名詞となった「ポッキー、プリッツ」を縦に並べると数字の「1」が見えてきます。ゾロ目好きの日本的な感覚かもしれませんが、「1」が6つも並ぶ縁起のいい平成11年11月11日に「ポッキー、プリッツの日」が制定されました。


まるで金魚のような
 今もわずかに残っている「金魚あられ」は小麦粉、でんぷん、ベーキングパウダーを加えた生地を、まるで金魚のようなやさしい輪郭にふくらませ、しわしわ縦縞を入れ、しょうゆ、砂糖で味つけ、朱色に染めたものです。大きな袋に入っていて、しけるとちょっと砂糖がべとっと手についたものです。
  (食文家)
参考文献
まだある。大百科             初見健一    大空出版 


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