小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

小龍包と焼売
                       ひらの あさか

上海発祥の「小龍包」

 中国の上海発祥といわれている小龍包。ショーロンポー、シァオロンパオズなどと呼ばれています。
 その歴史は1871年頃の中国の南翔鎮(現在の上海市)にある菓子店「古猗園」の店主黄明賢が売り出した「南翔大肉饅頭」。この南翔大肉饅頭は、たいへん評判を呼んだ。しかし残念なことに、ご同業から同じような商品が出回ることになってしまったことから、黄明賢は、苦心を重ねたうえ、皮を薄くして種を大きくして改良し「古猗園南翔小龍」とし販売したところ、大人気の小龍包となり、現在まで、上海名物の点心となっている。
 

 小龍包の材料は実にシンプル。豚ひき肉に香味野菜などを加えて小麦粉生地の薄い皮で包み、蒸籠(せいろ)で蒸した包子(パオズ)です。
 しかし、何といっても、小龍包の特徴は、煮こごり状(ゼラチン)のスープを豚ひき肉に混ぜ込むことによって、ゼラチンが蒸籠の高温で一緒に蒸され、溶けてスープとなるところです。蒸したての小龍包からとろけるようにこぼれ出る熱々の肉汁(スープ)が、ジューシーです。これをやけどしないように気をつけつつ、レンゲにのせてスープをこぼさないようにして味わう。小龍包の種、スープに味つけがしてあるので、そのまま食べてもおいしいですが、黒酢にしょうゆを混ぜたたれにつけ、糸のようにせん切りにしたしょうがを小龍包の上にのせて食べるといくらでも食べられます。
 その昔、よく訪ねた小龍包で人気な店では、熱いスープでやけどする人があまりに多くいたため、残念なことにとろけ出すスープの量が1/3程度になってしまい、とても悔しい思いをしました。素人さんがもう少し気をつけて食べていれば、スープが減ることはなかったことでしょう。


小龍包の兄弟分「生煎饅頭」

 上海には、日本でいえばおやきのような生煎饅頭(シェンジェンマントウ)があります。
 生煎饅頭は、発酵させた小麦粉生地の皮を使い、ひき肉にねぎなどの具材を混ぜて、しょうが、老酒、しょうゆを合わせる。しっかりとスープがでるように、小龍包と同様に煮こごり状にしたスープを混ぜ込むことが多くこの種を皮に包む。平鍋やフライパンに油をひき、ぎっしり並べて揚げ焼きのように底を焼き、蓋をしてこげないようにして、少量の湯を加えて蒸し焼きにします。皮はカリッとした食感があり、香ばしい。大きさは、ほぼ小龍包くらいで、噛むと中からジューシーな肉汁があふれ出る。種に味がついているので、小龍包のようにそのまま食べてもおいしいですが、黒酢、しょうゆ、ラー油などにしょうがのせん切りを加え、生煎饅頭につけて食べるのもいい。


中国各地で人気の「焼売」

 焼売は中国各地で見受けられる料理ですがところによって呼び名が異なっています。
 山西省では「稍麦」、湖北省では「焼梅」、広東省、浙江省や江西省では「焼売」などと呼ばれ、北京では「焼麦(shao-mai)」。これは、山西省の「稍麦(shao-mei)」が訛ったとされる説もあります。また香港では「干蒸焼売」と呼ばれていたりします。
 なぜ蒸す料理のはずの焼売に「焼」の字がついているのか不思議ですが、じつは中国で「焼」の字は、強い熱で火を通すことを意味する説もあるようです。
 焼売に使われる具材の多くは、豚ひき肉とえびのみじん切りなどを練り合わせて、味つけした種を、小麦粉を使った薄い皮で円柱形に包んで、蒸籠や蒸し器などで蒸かして仕上げます。そのまま食べても、好みでしょうゆ、酢、辛子などをつけて食べても。地域によっては、かに身や牛ひき肉を用いたりすることもあります。


おいしいシウマイといえば

 おいしいシウマイ♪崎陽軒。日本でシウマイといえば、真っ先に思い出すのが崎陽軒です。
 1908(明治41)年に創業した崎陽軒は普通の弁当屋だったそうです。が、初代の社長は横浜中華街(当時南京町)で最初に出されるつきだしのシウマイに注目し、中華街にあった職人を雇いし、日本人に好まれるシウマイの開発にかかる。しかし、シウマイはできたてがいのち。弁当に入れるとなると冷めて味が台無しに。そこで冷めてもおいしいシウマイを考案する。鍵は帆立。干し帆立貝柱と帆立のエキスを加えることによって、シウマイの種のうま味が増して、冷めてもおいしさをキープできるようになったのです。
 シウマイ弁当もさることながら、デパ地下でも必ず目にするシウマイは、今日でも大人気の日本のシウマイです。


簡単シウマイおかず
「シウマイキャベツ」
 キャベツはざく切りに、市販のシウマイを用意する。鶏がらスープまたは、チキンコンソメを加えたスープでキャベツ、シウマイを煮て、器に移し、粗びきこしょうをかける。


「シウマイつゆ煮」
 おでんつゆを用意して、市販のシウマイを入れてさっと火を通す。上に粒状ガーリック粗びき(びん詰めのスパイス)、好みで粗びきこしょうをかける。コンビニおでんを買って、残りの汁を利用してもいい。結構イケます。
  (食文家)

 


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