小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

昭和のインスタントラーメン
                       ひらの あさか
インスタントラーメン元年

 インスタントラーメンの始まりは、昭和33(1958)年、それはお湯をかけて蓋をして3分間。「すぐおいしい、すごくおいしい」のキャッチフレーズで今でもおなじみの日清食品の「チキンラーメン」でした。


 戦後間もない昭和22、23(1947,48)年頃、たった1杯のラーメンを食べるために、闇市の屋台に長い行列ができているのを見た安藤百福(日清食品創業者)は、こういうめんが、おいしく、安く、食べたい時にすぐできればという考えから、即席めんをつくってみようと試みる。着想からおよそ10年近く、めんの乾燥と味つけの試行錯誤を繰り返してチキンラーメンは誕生しました。


即席マルタイラーメン

 福岡の「即席マルタイラーメン」が生まれたのは昭和34(1959)年、来年で発売から60年を迎える人気の即席ラーメンです。特徴は棒状のストレートめんで、1人分が束になっています。


 小麦粉、水、かんすい、塩を合わせて練っためんを棒状にして、乾燥させ、そうめんのように束にして、2人分が1袋におさまっていて、めんに合うしょうゆ味のスープがついています。ストレートなめんは生めんに近く、好みの具材、チャーシュー、青菜、メンマなどをのせると懐かしい昭和のラーメンが味わえます。
 また、この「即席マルタイラーメン」を使って冷やし中華もできます。即席めんは5分ゆでて水でしめて、スープにしょうゆ、酢、砂糖、調味油を合わせてかけつゆをつくり、きゅうり、錦糸卵、蒸し鶏など好みの具をのせて、かけつゆをかけます。マルタイラーメンは温かいラーメン、冷やし中華と1袋で2度おいしい便利なめんです。


3大インスタントラーメン

 昭和に生まれたインスタントラーメンで、平成の最後まで愛され続けている3大ラーメンがあります。
 

 サンヨー食品のサッポロ一番には「しょうゆラーメン」「みそラーメン」「塩ラーメン」とロングセラーの3種がありますが、他の追随を許さないものに、かなり独断ではありますが、「塩ラーメン」があります。昭和39(1964)年に塩ラーメンの前身「長崎タンメン」がヒットし、その後昭和46(1971)年に生まれたのが、塩ラーメンです。小麦粉に山芋の粉を練り込んだなめらかなめんに、スープにはチキンとポークをベースに、玉ねぎ、にんにくなどの野菜を使い、どんな具材を合わせてもバランスがよく、すっきりとした味わいになります。また別袋の「切りごま」を入れることによって、他にはない独特の風味が楽しめます。


「ベーコンとキャベツで豆乳塩ラーメン」
鍋に水を入れ、ザク切りにしたキャベツ、ベーコンは切り落としを食べやすい大きさに切って入れ、キャベツにおよそ火が通ったところで即席めんを入れて指示通りに煮て、スープを加えて無調整豆乳を少し加えて仕上げる。切りごま、好みで粗びきこしょうをふる。


 明星食品の「チャルメラ」が生まれたのは昭和41(1966)年、つるっとしたシコシコのめんに、帆立エキスを加えてコクのあるスープ、別袋の木の実のスパイスを好みでかける。木の実と好みをかけた少し茶目っ気のあるネーミングと深い味わいのチャルメラは、飽きのこないおいしさです。


「もやしとひき肉のせラーメン」
チャルメラは、時間通りにゆで始める。ほぼ同時にフライパンにごま油をひいて、豚ひき肉、みじん切りにしたねぎを炒め、さっと洗って水気を取ったもやしの順に炒めて、しょうゆ、オイスターソースで味を調える。チャルメラにスープを入れて、火を止めて器に移し、具をめんの上にのせ、木の実のスパイスをふる。


 日清食品の「出前一丁」が生まれたのは、昭和43(1968)年、しょうゆベースの澄んだスープに別袋のごまラー油を加えることで独特のパンチの効いた味になる。


「蒸し鶏と白髪ねぎのせピり辛ラーメン」
鶏むね肉は、包丁で筋目を何本か入れて酒をふって耐熱容器に入れて蓋をして電子レンジで加熱して、粗熱が取れたら手で裂く。ねぎは白髪ねぎにして水にさらし、水気取ってから、裂いた鶏肉と合わせ、ラー油としょうゆ少々を入れて和える。出前一丁は時間通りにつくって、器に移して、鶏と白髪ねぎを上にのせ、好みでスープのあたりにごまラー油をかける。


カップラーメンあらわる

 日清食品「カップヌードル」が生まれたのは昭和41(1966)年。沸騰したお湯をカップに注ぐだけで、いつでもどこでも食べられる便利なカップめんです。カップの間は空洞になっていて、うまいことめんがふやけすぎずに食べられます。しょうゆベースのスープに、具にはダイス状のポーク、ミンチポーク、えび、卵、ねぎがしっかりめんの上にのっているという画期的なものです。


 
 昔は自動販売機もあり、3分間じっと待ち、備えつけのポケットにプラスチックのフォークがあったように記憶しています。姉妹品には、トロッとマイルドな口当たりのカレースープに、具材はじゃがいも、ダイス状ポーク、ミンチポーク、にんじん、ねぎの入った「カップヌードルカレー」。つるつるのめんに、ポークと魚介のベースのコクのあるスープ、具材はいか、かに風味かまぼこ、卵、キャベツ、ねぎの入った穏やかな味の「カップヌードル シーフードヌードル」ほかバラエティ豊かなラインアップが揃っています。

 


 

  (食文家)
<参考文献>     
面談たべもの誌 石毛直道 文藝春秋
ラーメンの誕生  岡田 哲 筑摩書房
    マルタイラーメン
     日清食品ホームページ
 


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。