小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

懐かしの小麦粉菓子
                       ひらの あさか
ヨーロッパ発「ロールケーキ」

 ロールケーキは、ドイツ、フランス、イギリスなどヨーロッパで似たような形のものがみられますが、いつ頃から食べられてきたかは分かりません。


 ドイツの「ツィトローネンルラーデ」はレモンロールケーキのこと、ほのかにレモンが香るあっさりとしたものです。つくり方は、薄力粉、卵、牛乳、砂糖を合わせた生地を平らにのばして、オーブンで焼く。生クリーム、砂糖、レモン汁、おろしたレモンの皮、卵などを合わせたレモンクリームを生地にのばして巻き、冷蔵庫で冷やして、生地が落ち着いたら食べやすい幅に切って、粉糖をふり、ホイップした生クリームを絞り、上にのせてスライスしたレモンを飾る。


 クリスマスでおなじみ、フランスの「ビュッシュ・ド・ノエル」。ビュッシュは「丸太」、ノエルは「クリスマス」の意味をあらわします。基本的なつくり方は、薄力粉、卵、牛乳、砂糖を合わせた生地を平らにのばしてオーブンで焼いてスポンジ生地をつくり、バタークリームを薄く塗ってくるりと巻く、外側にはココアパウダーを合わせたバタークリーム、溶かしたチョコレートなどで飾りつけ、丸太のような形をつくり、雪をイメージした粉糖などをふる。


 イギリスのロールケーキはとてもシンプル。薄力粉、卵、牛乳、砂糖を合わせた生地をオーブンで焼いて、薄くジャムを塗ってのばして、くるくると巻く。
 これがその後アメリカに渡って「ジェリーロール」と呼ばれ、人気を博しました。
 日本でおなじみ昭和からの味「スイスロール」は、1950年代後半に山崎製パンで売り出され、小麦粉ベースのスポンジ生地にバタークリームを薄く塗り、巻き上げたもので、ボリューム感とおいしさ、手軽に買えることなどから、定番おやつとして普及していきました。

 
 その後、2000年あたりからロールケーキの専門店が登場、スポンジ生地に生クリーム、フルーツをふんだんに入れたもの、チョコレート生地にコーヒークリーム、ほかにスポンジ生地にモンブランクリーム、抹茶生地のクリームロールや、コンビニエンスストアでは薄めのふわふわ生地に、たっぷり生クリームが入っているほとんどクリームロールのようなロールケーキ、スポンジ生地にバニラアイス、ジャムなどを挟んだものなど、今でもいろいろなロールケーキが親しまれています。

 あまり知られていないかもしれませんが、6月6日は「ロールケーキの日」とか。ロールケーキを巻いた形が「6」に似ているということからだそうです。また「6」がロールケーキの「ロ」と同じ響きということも理由のひとつだったようです。

 
「チョコパイ」はアメリカ発

 チョコレートをコーティングした「チョコパイ」は、もともとはアメリカ南部でつくられたとか。グラハム・クラッカーにマシュマロを挟んだその名もお月さまのような形から「ムーン・パイ」。グラハム・クラッカーは、グラハム粉が用いられた素朴な味のクラッカー。皮、胚芽を取り除かないで全粒のまま製粉した小麦粉、つまり全粒粉を配合したクラッカーです。グラハム・クラッカーは、そのまま食べたり、チーズやクリームなどをのせたカナッペとして食べたり、細かく砕いてケーキやタルトの台として、お菓子の材料として使われることも多いです。


「エンゼルパイ」対「チョコパイ」

 1958年に森永製菓が直営店エンゼルストアで限定発売を開始した「エンゼルパイ」。初代は1個20円。1961年からは全国発売になりました。原料に小麦粉、卵を使用したソフトビスケットにマシュマロを挟んで、ソフトビスケットをのせて、チョコレートでコーティングしたお菓子です。
 1977年頃からは2個入りに。現在では、直径6.5㎝のレギュラーサイズバニラ味の2個入りと、直径3.5㎝のミニサイズバニラ味、ストロベリー味などがあります。


 一方、ロッテ「チョコパイ」が発売されたのは1983年。小麦粉、卵などを合わせた生地を丸く焼き、ソフトケーキをつくる。バニラクリームを挟み、さらにソフトケーキをのせて、チョコレートをコーティングして冷やす。エンゼルパイと比較すると、ケーキ部分の食感はかなりソフトです。現在はバニラクリームを挟んだレギュラーサイズや、小さいサイズのプチチョコパイ、ココア生地ベースにココアクリーム、とろけるチョコソースを真ん中に加えた限定ものなど種類も豊富です。


 その昔、1970年代にあった森永製菓の「アントルメ」。筒状のミニロールで確か中にジャム状のソースが挟んであり、チョコと白いアイシング(卵白と粉糖を合わせたもの)が細かくかかったミニチョコロール菓子でした。一時夢中になって食べた記憶があります。


パイの日は?

 パイの日は、一説では語呂合わせで8月1日といわれています。小麦粉生地の間にバターやマーガリンなどの油脂を入れ、生地と油脂が交互になるように幾層にも折りたたみ、のばして成型して、焼いたのがパイです。
 不二家の「ホームパイ」が生まれたのは、1968年のこと。ホームメイドなパイがその名の由来とか。今、注目なのが「ホームパイのみみ」ホームパイのいいとこどりのようなこのパイ菓子は、食パンのみみのを揚げた時の味のように、香ばしく、クセになる味です。

  (食文家)
<参考文献>     
まだある。大百科 お菓子編 初見健一 大空出版
   
 


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。