小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉のある風景

よく似た小麦粉生地で
                       ひらの あさか
包んで、焼いて揚げて

 「エンパナーダ」は具入りのパン。パンでおおう、または包むという意味のスペイン語、ポルトガル語の「empanar」からその名があり、エンパナダスとも呼ばれている。


 エンパナーダは、小麦粉生地を折りたたんで具材を包んでつくる。まず生地は薄力粉、強力粉、塩を合わせて、卵、オリーブオイル、溶かしたバターを加えて混ぜ、水を入れ、ひとかたまりにして、生地をこねてぬらしたキッチンペーパーをかぶせてラップをして冷蔵庫でおよそ30分休ませる。
 具材は、玉ねぎのみじん切り、牛ひき肉を炒め、パプリカ赤、ゆで卵、オリーブを刻んで、さらに炒めてケチャップ、クミンパウダー、チリパウダーで味をつけて粗熱を取る。休ませた生地を打ち粉をして、3㎜程度の厚さまで伸ばし、直径10㎝の丸型にする。円の半分側に具材をたっぷりのせて、生地のふちに水をつけ、半分に折って生地をかぶせ、ふちをつぶしながらくっつけて、閉じ口をかぶせるようにねじって、生地を折り込む。これを揚げ油170~180℃で揚げる。


 「カルツォーネ(calzone)」とは、イタリア語でズボン、ストッキングをあらわすことばです。ピザ生地同様の小麦粉生地に具材には、トマトとモッツァレッラチーズ、黒オリーブ、アンチョビーフィレなどを刻んで挟んで折りたたみ、ふちをエンパナーダと同じように折り込んで、ピザ窯で焼いたもので、家庭では、オーブンまたは、フライパンで両面を焼きます。


 対して「パンツェロッティ(panzarotti)」は途中までは、カルツォーネとほぼ同じ小麦粉生地でつくりますが、材料を高温のオリーブオイルで揚げるので、生地がさらっとして、サクサクとした食感に仕上がります。具材にはトマトとモッツァレッラチーズなどを用います。


 西アジアの「アライス」はアラビア風のピザ。
つくり方は、ボウルに油、ぬるま湯を注ぎ、全粒粉をふるいながら加えて、ドライイーストを加えて、手早くかき混ぜる。さらに湯を加えて生地を手で丸め、台に移して生地をこね、1次発酵させると大きさは2倍の大きさに。これをガス抜きしてから、台に打ち粉をして伸ばし、直径16㎝の丸型に成形し、さらに生地を休め2次発酵させて生地を完成させます。
 具材には、牛ひき肉、玉ねぎとパセリはみじん切りにして、ひき肉玉ねぎを炒め、乾燥タイラゴン、塩、こしょうで味つけて火を止めパセリを混ぜる。これを小麦粉生地の上に軽くのせて半月状にしてふちをフォークの背で押さえて、端に水をつけて合わせると山型のテントのような形になります。オーブンシートを敷いた生地をラップでおおい、3次発酵させてから、170~180℃のオーブンに入れて焼きます。


くるくる巻いて船形に


 「ハチャプリ」は、グルジアに伝わるチーズ入りパンです。
発酵させたパンはさまざまな形に成形します。具材にはチーズや卵などの材料が使われます。チーズにはフレッシュチーズ、発酵チーズがともに使われますが、スルグニと呼ばれるチーズが多く用いられます。


小麦粉生地をつくる。
 薄力粉、強力粉、ベイキングパウダー、砂糖、塩をふるって、プレーンヨーグルトを加えて混ぜ、手でひとまとめにして、台の上におき、さらに15分こねて、生地を2つに分けて丸め、ぬれぶきん、ラップをかけ、常温で1時間ほど休ませる。
 シュレッドチーズ、カッテージチーズは混ぜておく。オーブンシートを敷いた上に小麦粉生地をひとつおいて、めん棒で直径25㎝くらいの楕円形に伸ばす。この生地の両辺に合わせたチーズをちらし、端から内側に向かって、中央部分を3~4㎝残してくるくる巻いて、両端をねじる。中央にはさらに合わせたチーズをのせて、卵を1個割り入れる。オーブンに入れて焼く。
 焼き上がったら、バターをたっぷり卵の横に差し込む。かなりハイカロリーな一品ですが、クセになる味です。



 トルコの「ピデ(pide)」は、トルコの東部で食べられている舟形をしたピザのようなパンです。その歴史は古く、ピザの原型かもしれないといわれています。
 ピデは丸い形をして具材をのせないもの、舟形の細長いもの、イタリアのピザと同様にチーズやトマト、ピーマンやほうれん草などの野菜、肉類などをのせたものもあります。


 ピデの生地はインドのナンにも似たもっちりとした食感で、生地の外側はパリッとしています。またピザのように、具材をのせることによって個性を発揮します。
 生地の材料は強力粉、薄力粉、塩、ドライイースト、ぬるま湯で、この材料を合わせて手で混ぜてから、台に移してこねて、丸めて1次発酵させるとだいたい2.5倍の大きさに。これをガス抜きして、ぬれぶきんをかけてベンチタイムを取り、成形して、めん棒で生地を楕円形に伸ばしておく。
 この生地にフェタチーズ、トマトの細かい角切り、パセリのみじん切りをのせて、端を内側に折り、上下の部分をきゅっと指で押さえてとめ、オーブンシートを敷いた天板にのせて230℃に熱したオーブンで5分焼いてから、ピデを取り出して卵を溶いて流し入れてさらに3分ほど焼く。同じ生地の上に、むきえびを白ワインをふってレンジにかけたもの、ゆでたほうれん草、フェタチーズをのせて、端を内側に折り、上下の部分をきゅっと指で押さえてとめる。オーブンシートを敷いた天板にのせて230℃に熱したオーブンで約8分焼く。
  (食文家)


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