小麦・小麦粉に係る話題

第118回 小麦粉のある風景

やっぱりパンが好き
                             ひらの あさか
何はなくとも「パンの耳」
 パン屋さんで焼かれる食パンいわゆる「角食」は、4~6枚切りで売られ、両端の耳部分は切り落とされていて、ほとんど売り物としては扱われない。 さらにサンドイッチ用ともなれば耳の部分全体が切り落とされています。 ちなみによい店ではその耳をラスクにして売っていたりします。
 パンの耳について、東海林先生のまるかじりシリーズに「パンの耳」に関する考察があって、1不愉快である。2指示する。3やむをえない。 とあり、食べられないほどまずくないが、大抵の人は「食パンに耳がなかったらいいのにな」とまでいっておられます。 食パンの耳愛好家としては、聞き捨てならぬお話です。 食パンにおいて、中央部分を切った場合、上から天井耳、両側面耳、底耳と部位があると先生がおっしゃっておられますが、私個人としては、耳の各面は食パンにおいては、欠くべからざる部位であって、これらがついていなくては、食パンを食べる意味がないような気がします。 まあ、先生の文章には少数派の耳愛好家にも分があるような表現をしておられるのが救われます。
 その売り物にならないと称される両端を切り落とした「パンの耳」の集合体は、近所のパン屋さんでたまに売りに出されることがあり、たまらず手に取り、購入して1週間は朝食用のトーストとして食卓にのぼります。 この食パンの耳にはバターをたっぷりとぬって、かみしめるほどに、至福の時がおとずれます。



キューカンバーサンドとは
 英国のアフタヌーンティーは、紅茶とともにケーキやサンドイッチ、スコーンなどをゆったりといただくものです。
 ケーキスタンドは、平均的に3段3つのお皿が配置され、上から小ぶりなプチフールなどのケーキ類、2段目にはひとくちサイズのキューカンバーサンドを含むティーサンドが。 その下にはスコーンなどが並ぶ。
 さて、アフタヌーンティーに欠かせない「キューカンバーサンド」。 きゅうりは薄く切って塩をふって汁気が出るまでしんなりさせて絞る。 塩味が強いようならば、水で洗って水気を絞る。 薄切りのサンドイッチ用のパンに室温にもどしたバターをぬって、水気をきったきゅうりを広げてその上にパンをのせ、挟んでラップをしてなじませ、手でつかめる大きさに切る。



懐かしの「きゅうりサンド」
 昔、日本橋蛎殻町にあった洋食店の「組み合わせサンド」には、オリジナルパン粉で揚げたロースかつサンドに、ゆで卵を砕いてマヨネーズで和えた卵サンド、何といっても個性的だったのが「きゅうりサンド」。 きゅうりをこれでもかと薄く輪切りにしたものを塩でもんで、マヨネーズと和えた歯触りがじゃりっとした和のテイストで、きゅうりもみサンドと呼びたくなるようなものでした。 かつ、卵、きゅうりサンドのいすれもが具材とパンの厚さは2㎝あまりと、とても分厚いものでした。


フランスパンにソーセージを詰めて
 シンプルなのに食べ応えのある「フランスパンのソーセージ詰め」
 細めのフランスパンは半分に切って、まん中の部分をソーセージが入る程度にくり抜く。 バターはぬりやすいように室温にもどしてからパンの内側にぬり、粒マスタードもぬっておく。 好みのソーセージをフライパンに油を引いてこんがりと焼いてからフランスパンに詰め、オーブントースターで焦げないように焼きます。 ソーセージはさっとゆでてから詰めてもおいしい。 またくり抜いたパン部分は細かくちぎってスープなどに加えて浮き身に、余すことなく使います。



今どきの朝ごパン
 食パンをベースにしたワンディッシュ朝ごパンを紹介します。
「ベーコンポテトパン」
 じゃがいもは薄切りにして、水分を含ませて電子レンジで4~5分加熱して、ベーコン薄切りは1㎝幅くらいに切り、玉ねぎは薄切りに。 フライパンにバターを熱し、玉ねぎ、ベーコン、じゃがいもの順に炒め、しょうゆとみりんで味を調える。 食パン4枚切りのふちにマヨネーズを土手のように1周して築き、炒めたポテトをのせて、好みで青のりをふりかけ、ピザ用チーズをのせてオーブントースターで焼く。 ベーコンポテトを市販のポテトサラダを使ってもおいしい。

「鶏と卵のそぼろパン」
 鶏ひき肉、玉ねぎのみじん切りは、フライパンにオリーブオイルを引いて炒めて、しょうゆ、酒、ハチミツで味を調える。 卵は割りほぐして砂糖、酒、塩で味つけてよくかき混ぜておく。 小さいフライパンを使い、油は引かずに中火くらいで菜ばし数本で卵をかき混ぜてやわらかめの卵そぼろをつくる。 食パン4枚切りは手かスプーンでふちから1㎝くらい内側を窪ませて、内側にマヨネーズを薄くぬり、鶏そぼろ、卵そぼろを半分ずつのせてオーブントースターで軽く焼く。

「パプリカとツナパン」
 パプリカ赤と玉ねぎはみじん切りにして、ツナフレークのノンオイルと合わせて、マヨネーズ、こしょうで味つけておく。 食パン4枚切りは手かスプーンでふちから1㎝くらい内側を窪ませて、内側にマヨネーズを薄くぬり、具材をのせてオーブントースターで焼く。
                                (食文家)

参考文献
パンの耳丸かじり  東海林さだお  文春文庫

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。