小麦・小麦粉に係る話題

第121回 小麦粉のある風景

「餃子」のような料理
                             ひらの あさか
 餃子発祥の地といわれる中国。 そこから朝鮮半島、モンゴル、中央アジア、トルコを経由して果てはヨーロッパまで、餃子のような料理があります。 今回は各地の餃子料理の一部を紹介します。



韓国の水餃子「マンドゥ」
 韓国の「マンドゥ」は、小麦粉生地の皮は丸くのばしておく。 具には豚ひき肉、または牛ひき肉、豆腐は水をきって手でくずす。 ねぎはみじん切り、白菜キムチは粗みじん切りにして全体を混ぜ、塩、ごま油を加え、皮にのせてしっかりまわりを閉じたら両端の部分を引っぱってつける。 すると帽子のような形になります。 これをたっぷりの沸騰した湯に入れてゆで、マンドゥが浮いてきたらざるで引き上げて、水気をきる。 器に移してあつあつのうちに食べる。 味が足りないようなら、白菜キムチを添えて一緒に食べる。
 このマンドゥをスープ仕立てにしたものが「マンドゥクッ」。 スープには牛骨を使い長時間煮て取ったものや、鶏ガラで取った「肉水」。 または昆布、貝で取った魚介のあっさりスープなどを用い、味付けはシンプルに塩やしょうゆ、おろしにんにくなどで味を調え、このスープにマンドゥを入れて浮き上がったらできあがりです。



トルコの水餃子「マントゥ」
 トルコの「マントゥ」は小麦粉と塩、卵、水を合わせた生地をまとめてから休ませてのばし、およそ2cm角に切る。 中身には牛ひき肉、すりおろし玉ねぎ、塩、粗びき赤唐辛子(甘口)、黒こしょう、イタリアンパセリみじん切りなどを合わせて練る。 小麦粉生地の上に小指の先ほど少量をのせて、対角線上に生地を合わせ、見た目は小さな風車のような形のマントゥをつくる。 ソースにはプレーンヨーグルト、すりおろしにんにく、塩を合わせておく。 大きな鍋に湯を沸かし、マントゥをゆで、浮き上がってきたら、水気をよくきってから器に移して、ヨーグルトソースを好みの量をかける。 鍋にバターを溶かして、粗びき赤唐辛子、黒こしょうを加えて香りが出たら、上にかける。



ヨルダンの餃子「シシバラク」
 ヨルダンの「シシバラク」は、小麦粉生地を丸くのばしてつくった皮を使います。 まずはスープ。 鍋にみじん切りにした玉ねぎ、にんにくにコリアンダーパウダー、ヨーグルト、水と顆粒コンソメを合わせてよくかき混ぜて火を通す。 具にはラムのひき肉に玉ねぎ、にんにくのみじん切り、シナモンパウダー、ミックススパイスなどで味を調えて、小麦粉生地の皮の上にのせ、その上に皮をのせて蓋をして端を絞り、これをオーブンで焼いてからスープに入れてさっと火を通して食べる。



ロシアの餃子「ペリメニ」
 ロシアの「ペリメニ」は、冬場にさくさんつくり、冷蔵庫で保存しておく定番料理といわれています。 強力粉、水、塩、卵を合わせた小麦粉生地の皮をつくり、具には豚肉と牛肉の合いびき肉を使い、玉ねぎ、にんにくはすりおろして、合わせて塩、こしょうで味を調える。 皮に具をのせて、皮の周囲を合わせて、両端を引っぱってつけて帽子状にして、塩を加えた沸騰した湯でゆでて、ペリメニが浮き上がったら、ざるで水気をきって器に移す。 そのまま食べたり、溶かしバター、またはサワークリーム、ハーブなどを添えて食べることもある。 鶏手羽先などをベースにしたスープにローリエなどのハーブで香りづけし、塩、こしょうで味を調え、ペリメニを煮たスープ仕立てもあります。



ウクライナの餃子風「ヴァレーニキ」
 ウクライナの「ヴァレーニキ」は、ゆでるものを意味します。 具は各地のものとは少し異なる。 メインのじゃがいもは皮ごとゆでて、つぶしてマッシュポテト状にしてバターを加えて混ぜる。 玉ねぎみじん切りは油であめ色になるまで炒めて、じゃがいもと合わせて塩、こしょうで味をつける。 小麦粉生地を丸くのばしてつくった皮に具をのせ半月状に包む。 鍋に湯を沸かして、にんにくを入れ、ヴァレーニキをゆでて水気をきり、器に移してイタリアンパセリ、デイルなどのハーブを細かく刻んで上にちらして、サワークリームを好みの量をのせる。



インド、アフリカの餃子「サモサ」
 インドやアフリカの餃子は小麦粉生地に具を詰めて揚げて食べる。 小麦粉、水、塩を使ってのばした皮に、ゆでたじゃがいも、玉ねぎのみじん切り、レンズ豆、羊のひき肉を潰したものを加え、クミン、コリアンダーシード、ターメリックなどの香辛料で味をつけた具を三角形に包んで揚げたスパイシーなスナック的な食べ物です。 サモサには「チャトニ」というソースをつけて食べる。 フレッシュのコリアンダー、スペアミントの葉を細かく刻み、青唐辛子、おろしにんにく、レモン汁、水などを合わせてミキサーでなめらかなソース状に仕上げる。 このソースはナンにつけてもよいし、肉や魚につけて焼いてもおいしい。
                                (食文家)

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