小麦・小麦粉に係る話題

第122回 小麦粉のある風景

小麦粉をまぶしておいしく
                             ひらの あさか
小麦粉のころもをつけて
 フランス語で「油で揚げてから酢に漬ける」を意味する「エスカベージュ」は、前菜に用いられることが多いですが、魚などの具材を小麦粉を薄くまとわせてから揚げて、酢、オリーブオイル、白ワインと香味野菜を合わせたマリネ液に漬けた料理です。 マリネ液にひたした魚のうま味と、香味野菜との相性は格別です。
 
「あじのエスカベージュ」
 玉ねぎ、パプリカ赤、黄は1㎝角くらいに切り、好みでセロリの葉またはパセリのみじん切りと、白ワイン、レモンの絞り汁、酢、しょうゆ、オリーブオイル、にんにくみじん切りを合わせた漬け汁をつくっておく。 3枚におろしたあじは、塩、こしょうをしてから白ワイン、しょうゆに10分少々漬けて、汁気をきり、小麦粉をつけてから、油でカリッと揚げて、つくっておいた漬け汁に1~2時間漬ける。



隠れづかいでおいしく
手軽につくるひき肉のおかず「おうちハンバーグ」
 ハンバーグに使用するのが、パン粉と小麦粉です。 パン粉はひき肉だねの水分を吸うと同時に粘着力を発揮して、たねをうまくつなぐ役割を果たします。 それとともに余分な水分や肉汁をとじ込めて、ハンバーグをやわらかくします。 また、たねに小麦粉を薄くまぶして焼くことによって、外はカリッと中はジューシーに仕上げることができます。
 玉ねぎのみじん切りは、耐熱容器に入れてオリーブオイルをまぶして電子レンジで加熱して粗熱をよく取る。 パン粉に牛乳を合わせてしとらせておく。 ボウルに牛豚合いびき肉に玉ねぎを合わせ、ナツメグ、しょうゆ、卵を加えて粘りが出るまでよくこね、片手にのせてもう一方の手に投げるような動作を何度か繰り返し、空気を抜いてから小判形にして、中央にくぼみをつくる。 小麦粉を薄くまぶして、フライパンにオリーブオイルを熱し、ハンバーグの種を並べて焼き色がついたら裏返してさらに焼いて皿に取り出す。 同じフライパンにケチャップ、ウスターソース、しょうゆを加えて煮詰めてソースをつくり、ハンバーグにかける。

「ピーマンの和風肉詰め」
 ピーマンは縦半分に切って、わたと種を取り除く。 玉ねぎはみじん切りにする。 ボウルに豚ひき肉、玉ねぎ、しょうゆ、こしょうを入れ、粘りが出るまで混ぜる。 ピーマンの内側に小麦粉をふり、肉だねを詰め、肉の表面にも小麦粉をふる。 フライパンにサラダ油を熱し、肉詰めの肉の面から焼いて、蓋をして蒸し焼きにし、焼き色がついたら裏返して再び蓋をして焼く。 仕上げにみりん、しょうゆを加えて、てりをつける。 小麦粉をピーマンの内側にふることによって、肉だねがピーマンからはがれることなく、また表面に小麦粉をふることにより、余分な水分、肉汁をとじ込めるはたらきがあります。



ムニエル、ポワレとは
 「ムニエル」は、フランス語で粉屋(小麦粉をつくる職人)を意味する「ムニエ(Munier)」がその語源だといわれています。 調理の際に小麦粉を使うところからこの名があるようです。 ムニエルは具材に塩、こしょうで下味をつけ、小麦粉をまぶしてバターで焼いたもので、ポワレと違うところは、小麦粉を具材全体にまぶすことと、バターを使用することが特徴です。 小麦粉が具材を包み込んで、うま味と香りをとじ込めて焼くことができます。
 一方「ポワレ」は、フランス語でフライパンを意味する「ポワル」が語源とか。 フライパンで肉や魚などの具材の表面の一部に小麦粉をつけてカリッと焼き上げる調理法です。

しょうゆとバターの相性が抜群な「鮭のムニエル」
 生鮭切り身は塩、こしょうをして小麦粉を全体にまぶしてはたく。 フライパンにオリーブオイル、バターを熱して、鮭を皮目から中火で焼き、焼き色がついてきたら裏返して焼いて皿に取り出す。 同じフライパンにバターを溶かして、しょうゆ、みりんを加えて軽く煮詰めて鮭にかけ、好みでレモンの輪切りを添える。

「白身魚のポワレ」
 白身魚に塩、こしょうをふり下味をつけ、皮の部分に小麦粉をつけて、はたく。 フライパンにオリーブオイルを入れて魚の皮目を下にして、火をつけて弱火で焼く。 8割くらい火を通し、皮がカリッと焼けたら裏返して焼く。 皮をカリカリに、身はしっとり仕上げるのがコツです。



イタリア発祥のピカタとは
 イタリア語でピッカータ(piccata)と呼ばれる「ピカタ」は、イタリアはフィレンツェ発祥といわれていますが、母国イタリアでは、薄切り仔牛肉に小麦粉をつけてバターで焼き、レモンの絞り汁をかけて食べていたようですが、今となってはそんなにメジャーではないよです。
 ポピュラーな「ピカタ」は、豚肉や鶏肉などの肉に塩、こしょうなどで下味をつけてから小麦粉をつけ、粉チーズ、溶き卵を絡ませて、オリーブオイルなどの油で焼いたものがあります。

「鶏むね肉ピカタ」
 鶏むね肉はそぎ切りにして、塩、こしょうをして小麦粉をまぶす。 溶き卵に小麦粉、粉チーズを合わせる。 フライパンにオリーブオイルを熱して、卵液をたっぷり絡ませた鶏むね肉を焼きはじめ、蓋をして弱火で両面を焼き、残った卵液に再度くぐらせてもう1度焼く。

                                (食文家)

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。