小麦・小麦粉に係る話題

小麦・小麦粉事情(海外編)


 「アメリカ人のための食事ガイドライン:マイピラミッド」について

                                  
アメリカ合衆国農務省は、1月に公表された「アメリカ人のための食事ガイドライン:2005年版」の普及、徹底を図るため、インタ−ネット上で「MyPyramid」を公表した。これはこれまでのFood Guide Pyramidに替わるものである


マイピラミッド・・・・より健康なあなたへの階段

 1992年に導入されたFood Guide Pyramidは一般に良く知られていたが、それに盛り込まれた指示は、誤解されることや、無視される確率が高かったようである。
 今回改訂された食事ガイドラインでは、アメリカ人が健康な生活を送るためにライフスタイルを変えることの必要性を訴えているが、そのことを一般の人に分からせ、どうしたら積極的に変え始めることができるかを知らせる手段として、4月後半にインターネットによる対話システムを導入した。「MyPyramid」という呼称を付け、「より健康なあなたへの階段」という副タイトルが添えられている。

6色の帯と階段で
 
インターネットで http://www.mypyramid.gov/ を開くと総合ページが出て、ここからクリックすることによっていろいろな情報を得られる。初めての人は、動画と音声でマイピラミッドのあらましを知ることができる。
  ミニポスターをクリックすると、のようなピラミッドが出る。ピラミッドの横に底から最頂部へと幅が異なる6色の帯が描かれており、各々の帯が5つの食品グループと油に相当し、帯の幅は食べる量の比率をイメージ的に示している。一番左の橙色は「穀物」で、幅が一番広い。その右の緑色は「野菜」で、穀物より僅かに幅が狭い。左から3番目の赤色は「果物」で、野菜よりさらに少し幅が狭い。4番目の黄色の「油」は幅が特に狭い。右から2つ目の青色は「乳製品」で、野菜と同じ幅であり、一番右の紫色は「肉と豆類」で、乳製品の半分くらいの幅である。
  階段を登る人の姿は、「毎日の運動の重要性」を思い出させることをねらった。

各食品グループの詳しい説明
 
ピラミッドの内容のページに進むと、シンボルマークが現れる。見たい食品グループの帯をクリックするとそれについての一般的な注意書きが出るが、さらに先に進むとその食品グループについての詳細な情報を見ることができる。
  穀物の詳細なページには、穀物食品とは、小麦、米、エン麦、コーンミール、大麦、またはその他の穀物から作られる食品で、パン、パスタ、オートミール、朝食用シリアル、トルティーヤ、グリッツなどであり、全粒穀物と精製穀物の食品に分けられるとの説明がある。全粒穀物は穀粒全部(ふすま、胚芽、および胚乳)を含むもので、小麦全粒粉、バルガー(挽き割り小麦)、オートミール、全粒コーンミール、玄米などである。
  精製穀物は製粉でふすまや胚芽を除いたもので、食感が良く、保存性も優れているが、食物繊維、鉄、および多くのビタミンB群が除かれている。白小麦粉、胚芽除去コーンミール、白パン、白米などが精製穀物食品である。精製穀物食品にはビタミンB群(チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸)と鉄がエンリッチされているものが多いが、繊維は加えられていない。表示をよく見て、エンリッチされていることを確認して購入する。全粒穀物と精製穀物を混ぜて製造した食品もある。
  食品の具体例を列挙している。小麦関係の全粒穀物食品としては、バルガー、全粒小麦シリアルフレーク、小麦全粒粉のパン、クラッカー、パスタ、サンドイッチバンズとロール、トルティーヤなどで、精製穀物食品としては、クスクス、クラッカー、粉トルティーヤ、めん、パスタ、ピタ、プレッツェル、白パン、白サンドイッチバンズとロールがある。ふすまを添加した製品もあるが、ふすまを添加したものやふすまそのものは全粒穀物食品ではないとの注意書きがある。

個人に必要な情報を引き出せる
 
総合ページの「MyPyramid Plan」に年齢、性別、および運動量の情報を入れてクリックすると、1日に食べる総カロリー量と食品グループ別の量が示される。50歳の男性で1日の運動量が30分以内という情報を入れてみると、2,200カロリーで、穀物が7オンス、野菜が3カップ、果物が2カップ、乳製品が3カップ、肉と豆類が6オンスと出た。穀物のうち3.5オンス以上を全粒穀物から摂るようにとか、野菜の種類別の食べる量などが、具体的に示されており、さらに詳細な情報に進むことも出来る。
  MyPyramid Trackerのページでは、1日に食べた食品の種類や量を入力すると、食事ガイドラインとの比較での食事内容の評価をしてもらえる。運動についての情報を入力すると、推奨運動量との比較での運動の種類や量についてのアドバイスが得られる。
  食の教育や栄養関係の仕事に携わっている人向けのページもあり、マイピラミッドを教えるためのツールやカロリー量に応じた食事メニューについての情報も得られる。

 
(財団法人製粉振興会 参与,農学博士 長尾 精一)

*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。