小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉・地域の食文化料理


 ○ ふなやき(福岡県、筑後地域)

この料理の由来・おはなし

 「ふなやき」という名前の由来には、二つの説がある。
 一つは親元日記によるもので、慶長8年(1603)冷泉家の和歌会には公家、武家、連歌師が列席して、会が終わって麩焼(ふのやき)の茶子(ちゃのこ)すなわち茶請(ちゃうけ)を食べたといういう記録がある、「ふなやき」はこのふのやきから転じた呼び名ではないだろうか・・・というものである。
 もう一方は筑後川とともに生きてきた漁師や舟人たちが、空腹を満たすために、携帯した小麦粉を水で溶き、七輪にかけた鍋に油を転がし、黒砂糖を巻き込んで焼いて食べたという素朴な食物で、この舟の上で焼く即席料理が「ふなやき」である・・・というものである。
 この地方の農村では、小麦粉はもちろん、黒砂糖のほかに砂糖も自作でき、「ふなやき」はお金もかからず簡単に作ることができる。熱いうちに食べると砂糖が溶けておいしい。また、味噌をはさんで食べることもあった。
 近年は次第に材料が良くなり卵や牛乳、ベーキングパウダー等が加わり、ホットケーキに近づいてきたが、皆に好まれる様いろいろとアレンジされて受け継がれている。

●材料(約5人分 )

┌小麦粉(薄力粉)
│ だんご粉(こめ粉)
A 重曹
│ 砂糖
│ 塩
└ 水
黒砂糖

200g
50g
小さじ1
30g
小さじ1弱
300cc
50g


【 作り方 】
(1) Aをよく混ぜ合わせる。
(2) フライパンに油をしき、1人分ずつ円形に焼く。
(3) (2)に黒砂糖をのせて巻く。

【料理のポイント】
手早く作って熱々を食べると美味しい。

【 栄養価( 1個分 )】

エネルギー 243kcal
たんぱく質 4.2g
脂質 0.9g
食塩相当量 0.8g
(九州製粉協同組合)

 〇 いもまんじゅう(福岡県、筑後地域)
 

この料理の由来・おはなし

 筑後地域は、いもや小麦が豊富にとれる。それらの収穫時期には必ず作られた「いもまんじゅう」は、腹持ちがよく、体がしんから温まることもあり、冬には欠かせない一品だった。「砂糖が貴重な時代ですから、いもの甘さをあんこの代わりに用いたものと思われます」と郷土料理に詳しい地元の料理家は話す。材料は里芋がほとんどだが、季節によってはじゃが芋やさつま芋を使うこともある。いもの種類によって中の味は違うが、薄味のため塩をふって食べたり、漬物をのせて食べることもある。残ってさめたものは揚げたり、焼き直して熱々を食べるとまた違った味がする。農作業の合間に、おやつに、主食(米)の代用食にと活躍した。まだ、インスタント食品もなく、しかも甘みにも不自由していた時代の生活の知恵だろう。

●材料(約10ヶ分 )

小麦粉(薄力粉)
だんご粉(こめ粉)
よもぎ(茹)

┌里芋(茹)
└ 塩

   200g
50g
50g
1g
440g
7g


【 作り方 】
(1) 里芋は皮をむき、塩茹でにして一晩おく。
(2) ボールに小麦粉、だんご粉、よもぎを入れて、熱湯を加え、耳たぶよりやわらかめにこねる。
(3) (2)のだんごを皮にして、里芋を1個ずつ包む。
(4) 蒸気の上がった蒸し器に入れて、約15分蒸す。

【料理のポイント】
里芋は少し塩を効かせる。
だんごは耳たぶよりやわらかめにする。
里芋は塩茹でして、一晩おいた方がよりおいしい。

【 栄養価( 1個分 )】

エネルギー 120kcal
たんぱく質 2.8g
脂質 0.4g
食塩相当量 0.8g
(九州製粉協同組合)

 〇 はなつき団子汁(福岡県、八女地方)

この料理の由来・おはなし

 はなつきだご汁とは、八女の山村で作られる<だご汁>の一種。
 一つの鍋に鼻を突き合わすかのようにいろいろ入った<だご汁>で、野菜入りの味噌汁に<いもだんご>が入っているところがごちそうである。普段は小麦粉をこねただけの<だご>が入るのだが、この<さつまいもだんご>入りは、わりに暇なときに、時間をかけて作る。
 農家にとって米は大切な収入源であるため、家では米を節約して減らないように心がける。家でとれた野菜ばかりの味噌汁やすまし汁に、鼻が突き合うほど大きい<さつまいもだんご>を入れるのでこの名が生まれたのだと言う。
 八女の山間部では、昔からどの家庭でも、秋風の立つころから春まで必ず何度か食卓にのぼる。秋の味覚をいっぱい煮込んだ香りに食欲をそそられ、主食兼副食として食べられた。

●材料(約5人分 )

鶏肉
ちくわ
里芋
ごぼう
大根
人参
こんにゃく
きのこ類
┌小麦粉
│塩
└水
さつまいも
みそ
だし汁
ねぎ

     250g
100g
100g
150g
150g
100g
100g
100g
200g
2g
適量
150g
100g
適量
適量


【 作り方 】
(1) さつまいもは1.5cmの輪切りにし、かために茹で、水気を拭き取る。
(2) 小麦粉に塩と水を加え、よくこねて(1)のいもを包む。
(3) 肉や野菜が煮えたころ、(2)いもだんごを入れて、火が通るまで煮る。
(4) 味噌を溶き、ねぎを散らす。
* 好みで柚子こしょうを加えると一層おいしい。

【料理のポイント】
だんごは耳たぶくらいのかたさにこね、等分し薄く伸ばしてから、いもを包むとよい

【 栄養価( 1個分 )】

エネルギー 390kcal
たんぱく質 16.9g
脂質 8.6g
食塩相当量 2.4g
(九州製粉協同組合)


*今までに、掲載したものは「メニューリスト」の「バックナンバー」の項目に入っていますので、ご覧ください。