小麦・小麦粉に係る話題

小麦粉・地域の食文化料理

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 ○ 神埼そうめん(佐賀県)


この料理の由来・おはなし
 「索」、これは明治初期まで使われた素の古字である。江戸時代までの製法は手打ち手延べ(純手製)であり、独自の製法を誇っていた。幕末から維新にかけて、「仁比山うどんに佐賀下地(煮出汁)、神埼素シャキシャキシャキ」というのがあったという。それは、山ろくの良い水と水車製粉で作られたうどんの味、城下町佐賀の味つけ、伝統をもつ神埼素の舌ざわりのよさを、たたえたのであろう。
 伝えるところでは、寛永の中期(1630年代)小豆島(香川県)の雲水が諸国行脚の旅をつづけているうち、神埼宿で病にたおれた。これを救ったのが、伊之助という神埼町一丁目の小間物振売り(行商人)であったという。雲水は感謝のしるしとして、郷里小豆島の名産素の製法を伝授したといわれている。すでに島原の乱の折には、神埼の素麺はこの街道往来の諸国の武士によろこばれ、伊之助四代目弥助にいたっては、産業推進の功によって、藩主より市田の姓をもらったと伝えられている。
 神埼の索は、小城町高原産のそれとならんで著名であったということは、寛永19年(1642)の飢饉のあと、鍋島勝茂が出した諸事制限の令によっても知ることができる。

一、 寛永19年今春より夏に至って天下大いに飢饉す、領内も四部(割)落ちの損毛にて百姓町人等大いに困窮す・・・・・・酒造の儀累年造り分より当年は減少して造り・・・・・飩切麦索饅頭南蛮菓子ソバ切等一切停止すべし。但し名物の索は累年より多分にこれなき様に年々に作り来りたる程は差免すべき旨申越さる(勝茂公譜考補)

 このように尊重されてはいたが、幕末の殖産奨励の時期に至っても、素業界には器械は生まれなかった。古来の手づくりでは、大量の生産は期待できなかった。水車は18世紀末に導入されていたが、それが製粉に利用され始めたのは、文化文政以後のことであり、製機械にいたっては、明治21年の真崎照郷氏の発明をまたねばならなかった。

●作り方

・そうめんのおいしい茹き方

(1)乾麺の10倍の水を沸騰させる。 (2)乾麺を鍋の周りから入れる。 (3)入れたらすぐ箸でまぜる。 (4)そうめんをよくまぜる。

(5)鍋からふきでるまで沸騰させる。 (6)1/2カップぐらいのさし水をする。 (7)冷水の中でそうめんをもみ洗いする。 (8)1人分ずつ束ねる。

・客膳向き茹き方

(1)たこ糸でそうめんの端を結ぶ。結び目は糸を長く残しておく。 (2)沸騰時鍋の周りから入れる。 (3)左手に糸をもち右手の箸でまぜる。 (4)水の中でもみ洗いした後、まな板の上に箸をたてに置きその上にそうめんをのせる。盛りつける時、結び目を切り落とし、箸を上げる。

・つゆのとり方

かけづゆ
(1)みりん120cc、醤油120cc、けずり節20g、水500cc、昆布10cm
角 4:1:1
(2)みりん、醤油を煮沸する。 (3)けずり節を一度に加え煮沸する。 (4)あらかじめ一煮立ちした昆布水を加え煮沸する。 (5)こす。

つけづゆ

(1)水1リットル、昆布10cm角、けずり節20g、みりん160cc、淡口醤油160cc、6:1:1 (2)昆布を水から煮る。沸騰直前に取り出す。 (3)けずり節を一度に加え煮沸する。 (4)こす。 (5)みりんと淡口醤油を一度に入れ煮沸する。


 ○ 丸ぼうろ(佐賀県)


この料理の由来・おはなし

 日本各地に銘菓は数々あれど、ここまで地元の人たちに親しまれている銘菓もめずらしいものではないかと思うほど、丸ぼうろは佐賀という土地にしっかり根付いたお菓子です。材料は小麦粉と砂糖と卵。ルーツはポルトガルで、佐賀で初めて焼かれたのが1670年頃ということですから、今は庶民的な丸ぼうろも、当時としてはかなり高価な、そしてハイカラな南蛮渡来のお菓子でした。佐賀出身の大隈重信が、わざわざ東京の自邸に職人を呼び寄せ、丸ぼうろを焼かせたのは有名な話です。佐賀には数々の伝統の甘味がありますが、鎖国時代、長崎と小倉を結んでいた長崎街道は、別名シュガーロードと呼ばれるように南蛮の文物、とりわけ、甘い砂糖を各地にもたらしました。長崎街道25宿のうち13宿をかかえていた肥前佐賀の地に、多彩な文化が花開いた所以です。その代表格といえる丸ぼうろは、今も多くの人に愛され続けています。

作り方

A) 良質な小麦が豊富に穫れる佐賀の豊かな大地に育まれ丸ぼうろに最も適した小麦粉を季節によって数種類ブレンドし使用します。鶏卵は新鮮なもののみを使用し砂糖も純度の高いものを厳選し使用します。
B)

それらの材料を配合し丹念に混ぜ合わせます。丸ぼうろのさっくりとした食感を出すために小麦粉の粘り気が出ないように手早くかき混ぜます。

C)

生地を最高の状態にするためあえて機械ではなく熟練の職人の手によって仕上げにいきます。約2〜3時間、冷蔵庫で寝かせて生地を安定させます。

D)

生地を小麦粉の上でこね一定の状態を保つように職人が手で生地を整えます。平らに伸ばした生地の表面に塗っているのは「ゴマ油」表面に薄い膜を張ることによっておいしさを守ります。そして5cm程度に丸く型抜きをします。火の通りを均一にするため重量は1gと違いません。

E)

250度で5分間、生地を焼き上げます。短時間で焼き上げるため、ごまかしはききません。一度カマに入れるとやり直しがきかない「焼き」の工程。

F) 細心の注意を払い、数々の手順を経て焼きあがった生地。
G)

一つ一つ大きさや焼け具合などをチェックします。そのまま、すばやく包装。一品一品全ての商品は厳しい検品を受け丸ぼうろは皆さまのお手元へ届けられます。

H) 数々の伝統の技が詰まっている「丸ぼうろ」の完成です。

固くなったら、表面にバターを塗って、少し火にかざして、召し上がりますと、焼きたてにも及ばない味がいたします。

温かいミルクに浮かべて召し上がりますと、卵の香りがミルクとなじみ、格別の風味があり、特に離乳食、お子様のおやつにどうぞ。

チーズを挟んだり、溶けるチーズをのせ加熱して、召し上がってみるのも一興ではないでしょうか。


(佐賀県製粉製麺事業協同組合)